今回は咳止め成分である「コデイン」が配合されていない咳止め薬の中で特におすすめできる咳止め薬と風邪薬を紹介していきたいと思います。
この「コデイン」は以前は子供でも使用可能でしたが、2019年から12歳未満は使用できない成分になっています。
もちろん12歳未満を使用禁止にする事にはそれなりの理由があるわけで、それを知らずに使用して何か問題が起きた時は最悪手遅れになる場合もあります。「これまで使ったことがあるけれどなんともなかった」と言う人でももちろん注意が必要です。
ですからジヒドロコデインが12歳未満が使用禁止になった理由も含めて、ここでは12歳未満も使用できる咳止めや風邪薬を紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
目次
小児のコデイン禁忌に関して
12歳未満がコデインを使用出来なくなった理由
ではまずどうしてコデインが12歳未満が使用禁止になったのかと言えば、簡単な話し危険だからです。
実際に米国ではコデイン類似薬を使用した際に24例の死亡例が報告され、その内の9割が12歳未満の小児であったことから2017年の4月から米国で小児のコデインが使用不可になった経緯がありました。
そしてそれに日本もそれにならって12歳未満のコデインを禁止する方向に決まり、現在は12歳未満が使う場合にはNGとなります。
コデインはどの様なリスクがあるのか
そもそもコデインは咳を鎮める作用が強く、市販の咳止めには大変多くの種類の咳止め薬に配合されています。
しかしその一方で呼吸困難などの強い副作用が出るリスクがあり、実際の医療現場では子供に対し多く使われるものではありません。上でも紹介した通り子供での死亡例も報告されています。
よく効く市販の子供用咳止め(コデインなし)
12歳未満の小児にはコデインが使えなくなりますが、市販の咳止め成分の中にはコデインと同程度の咳止め効果を発揮する薬もあるので紹介していきます。
シロップの咳止め「キッズバファリンせきどめシロップS」
痰が絡んだ様なゴホゴホした咳にバッチリなシロップ薬。生後3か月から使用可能です。
子供の咳止め薬としてはかなり強力な分類になります。イチゴ味で飲みやすくなっています。
どうして強力な咳止めで痰が絡んだ咳に効くかと言うと成分の豊富さになります。
咳中枢に作用して咳を抑える「デキストロメトルファン」。この成分が中心となって咳症状を抑えてくれます。さらに気管支を広げ呼吸を楽にしてくれる「メチルエフェドリン」と、痰を出しやすくしてくれる「グアイフェネシン・セネガ(生薬)」によりゴホゴホした咳にもバッチリ。またアレルギーの咳を抑える「ジフェンヒドラミン」と喉の痛みや咳を抑える桔梗も配合されています。
これだけ配合してある咳止めであればコデインは不要。十分に咳と痰を抑える事ができます。
チュアブルの咳止め「ヒヤこども せきどめチュアブル」
乾いた咳が出る時はかなりおすすめ。チュアブル錠なので錠剤の様に飲み込む必要がなく嚙み砕いて飲めるので安心です。5歳から使用可能です。ラムネ味になります。
「チュアブル錠」とは水なしで飲めるタイプで、嚙み砕いて飲むタイプの薬になっています。まさにラムネの様に飲める薬になります。
そしてヒヤこども せきどめチュアブルは何と咳に効く成分を3種類も配合「チペピジンヒベンズ・ノスカピン・メチルエフェドリン」おまけに抗アレルギー薬の「クロルフェニラミン」も配合されています。
ドロップタイプの咳止め「ペラックスイート」
「咳や痰を抑えたい、おまけに喉も痛い。だけど薬は嫌い」と言うお子さんにおすすめ。
咳と痰をしっかり抑えてくれるドロップタイプの薬です。5歳から使えます。
ペラックスートはパイン・ブルーベリー・ライムの3種類が発売されています。
成分は呼吸を楽にする「メチルエフェドリン」痰を出しやすくする「グアヤコール」さらにトローチとしても有名な「セチルピリジニウム」が喉の痛みを抑えてくれます。
よく効く市販の子供の風邪薬(コデインなし)
では続いてはコデインが配合されていない、12歳未満の小児でも使用可能なおすすめの風邪薬を紹介していきます。
喉の痛みにも効くベンザエースA
トラネキサム酸配合で喉の痛みにも効果あり。
家族で1つ共有するなら断トツおすすめの風邪薬です。7歳から使用できます。
市販の風邪薬は喉の痛みに対して効果が十分でないものが多いです。しかしこのベンザエースAは「トラネキサム酸」という喉の痛みに効く成分を配合しており、その他風邪に効く全ての成分を配合しているため、もし家族兼用で選ぶとしたらこのベンザエースAが最もお勧めと言えるでしょう。
生薬配合のエスタック総合感冒
西洋成分と生薬配合で風邪の全ての症状に効果を発揮。
そしてもちろんコデイン非配合です。5歳から使用可能です。
エスタック総合感冒は西洋成分こそ普通の風邪薬ですが、なんと生薬も配合されています。この生薬が身体を温めたり喉の痛みを抑えたりする効果を発揮し、おまけに生薬配合ですが錠剤タイプとなり子供でも飲みやすくなっています。
子供の咳にはちみつが効くのは本当
実は子供の咳の場合、上で紹介した咳止め薬の成分と同じくらい効果の高い食品があるんです。それははちみつになります。
実際に咳止め成分とはちみつの両方を比べた論文なども多数存在し、その効果の高さはお墨付きです。
Honey for acute cough in children.
Honey for acute cough in children.
ですから手元に薬がない場合や、あまり子供に薬を使いたくない場合はぜひはちみつを試してみましょう。
ただしはちみつは1歳未満は乳児ボツリヌス症と言った麻痺性の中毒が起きる可能性があります。この場合仮にはちみつを加熱処理しても菌は死滅しませんので、絶対に1歳未満の子供には使用しないでください。
子供の咳が長引く時は病院へ
咳が「ゼーゼー・ヒューヒュー」としている時は病院を受診しましょう。喘息の可能性もあります。
また市販の薬でもなかなか咳が改善しない時も病院を受診してください。確かに咳は多少出ても問題なく日常生活を送れますが、もし慢性的に咳があるとそこから喘息に発展する事もありますので、長期で咳が続く時も病院を受診してください。
そして一番気を付けるべき事が大人の使っている薬を子供に与えてしまうパターンです。この場合には知らない内にコデイン配合の薬を服用してしまう可能性もありますので大人用の薬は必ず子供には飲ませないようにしましょう。
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