病院で使用される下痢止め薬に「ロペミン」という下痢止めがあります。
そして実は市販でもこのロペミンと同じ成分の下痢止めが発売されているんです。ちなみに成分名は「ロペラミド」という名前になります。
そこで今回は下痢止めとして「ロペラミド配合の市販薬」の紹介をしていきたいと思います。
もし下痢が良く起きてしまい、薬の使用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
下痢の治療は症状に応じて選択する
そもそも下痢とは1日の糞便中の水分量が200ml以上に増加してしまう状態、つまり水分調整がうまくできなくなった状態の事を言います。
原因としては細菌の感染だったり、食事の影響、腸の疾患などが挙げられます。そして精神状態も影響を及ぼします。
そして一口に下痢と言っても種類が異なり、どの下痢止めを使ってもいいわけではありません。特にロペラミド配合の下痢止めは効果も高い一方で、使い方を誤ってしまうと逆効果になってしまうリスクもありますので注意が必要になります。
例えばもし軽い下痢であるならば、安静にしたり食事を見直したりするかビオフェルミンなどの整腸剤で様子を見ます。しかしそれでも症状が回復しない場合や、良く下痢が起きてしまう場合には一般的に言われている「下痢止め」を使用していきます。
もし急に起きる下痢の場合はいきなり下痢止めを使う事はおすすめしません。
下痢止め薬「ロペラミド」について
ロペラミドのメカニズム
ここで軽くロペラミドのメカニズムを紹介します。
ロペラミドは腸管の緊張を高めて便の移動を抑制します。すると便が簡単に外に出る事なく下痢が解消されます。また消化管から水分を吸収する作用もあるため、便の水分の調整も行ってくれるのです。
これらの作用によって下痢を止める作用は強力なものになります。
ロペラミドはどの位で効いてくるのか
ロペラミドは2㎎を服用して4~6時間後に最も薬が体内での濃度が高い時間になります。つまり服用して1~2時間後には効果を実感できるでしょう。
ただこの結果は1回に2㎎を投与したものになるため(市販のロペラミドは1回1㎎)これらよりも若干遅くなる可能性があります。
またロペラミドを下痢の患者183例に投与した所、ほとんどの症例で1週間以内で下痢止め効果を得られると言う結果があります。また長期投与においても効果が弱くなる事はなく下痢をしっかりコントロールできるという報告もあります。ロペミンIF
下痢症に対する効果は90.6%との事なので効果を実感できる可能性はかなり高いでしょう。
ではそんなロペラミドを含めたおすすめな下痢止めを紹介していきたいと思います。
おすすめのロペラミド配合の市販の下痢止め
ロペラマックサット
純粋なロペラミドのみを配合している薬になります。ですからロペラミド配合の薬を最初に使用する際にはこちらのロペラマックサットを使用しましょう。水なしで飲めるのでいつでもどこでも服用できて安心です。また6錠入りと、お試しにはちょうどいい薬になります。
【効能効果】
食べすぎ、飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢
【用法用量】
下記の1回服用量を服用します。服用間隔は4時間以上おいてください。
大人(15才以上):1錠:2回
15才未満:服用しないでください
トメダインコーワ錠
下痢止め効果・腹痛への効果はかなり強いです。トメダインコーワ錠はロペラミドを配合しつつ、腸の働きを抑えたり発酵を抑えたりする効果のある「ベルベリン」や「ゲンノショウコ(生薬)」を配合しています。
また「アクリノール」や「ベルベリン」には殺菌作用もあるため、腸内の有害細菌を除菌できます。鎮痛作用のある「シャクヤク」という生薬も配合されています。
これらの計5種類の成分により、ロペラミド単体よりも強力な下痢止め効果が期待できる可能性があります。
【効能効果】
下痢、食べ過ぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢、腹痛を伴う下痢、食あたり、水あたり、軟便
【用法用量】
下記の量を服用してください。ただし、下痢が止まれば服用しないでください。
また、服用間隔は4時間以上おいてください。
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
成人(15歳以上) | 3錠 | 2回 |
15歳未満の小児 | 服用しないこと |
同じ名前の「トメダインコーワフィルム」という薬もありますが、配合されている成分がロペラミドのみとなりますので注意してください。水なしで飲めるフィルムタイプになります。
ロペラミド服用で気を付ける事
急な下痢の時は服用しない
これはロペラミドに限った話ではなく、どんな下痢止め薬でも急な下痢が起きている場合は下痢止めを服用しないでください。
と言うのも急な下痢が起きている場合は細菌感染が原因となる場合が大きく、その細菌を体外に出そうとする働きが下痢になります。つまりその場合下痢が起こる事は自然な生理現象なんですね。
ただそれを薬で止めてしまうと、下痢が体外に出る事ができず、毒素や細菌を身体の中に留めて置くことになるためです。
また発熱があったり血便があったりする場合もただの下痢ではない可能性があるため服用するのはやめましょう。
抗生剤服用後は使用しない
直近で抗生剤を服用していた、もしくは服用している場合は、偽膜性大腸炎という下痢を起こす状態になっている可能性があります。もし腹痛や血便を伴う症状の場合には偽膜性大腸炎の可能性も否定できませんので、この場合にも絶対に下痢止めは使用しないでください。
医療用のロペラミドにおいては偽膜性大腸炎は禁忌とされています。
眠気やめまいに注意
副作用として眠気やめまいが起きる事がありますので、車などの運転は避ける様にしてください。
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