今回は痔の治療薬として用いられる「強力ポステリザン軟膏」と同じ効果の市販薬について紹介したいと思います。
この強力ポステリザン軟膏は病院や診療所などで大変良く使用される痔の塗り薬になるんですが、できれば病院に行かずに市販で同じ薬はないかと考える人も少なくないのではないでしょうか。
もしこれまで病院で強力ポステリザンを貰った事がある人や、使った事はないけど効果が良いらしいので気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
強力ポステリザン軟膏の痔への効果
強力ポステリザン軟膏の成分
強力ポステリザンには2つの成分が配合されています。
それは「ヒドロコルチゾン」と「大腸菌死菌」という成分になります。
ヒドロコルチゾンはステロイドと呼ばれる成分で聞いた事がある人も多いかと思いますが、炎症を強く抑え、痛みやかゆみを鎮めてくれる成分になります。
ステロイドは大きく5つのランクの強さに分類されていますが、強力ポステリザンに配合されているヒドロコルチゾンと言うのはその中でも最も弱い強さのステロイドになっています。
もちろん最も弱い強さと言えどもステロイドの塗り薬なので効果は高いです。
そしてもう1つの成分が大腸菌死菌という成分になります。
大腸菌死菌とはその名の通り大腸菌の死んだ菌でもちろん無害なんですが、これを患部に塗ると人の身体は大腸菌がやってきたと勘違いをし、大腸菌をやっつけようと身体が判断してしまう結果、痔の患部の免疫力が高まり菌に対する防御力がアップします。
また大腸菌死菌には皮膚を正常にしてくれる働きもあるため傷の治りも早くしてくれるんですね。
ちなみに病院で処方されたヘモポリゾン軟膏と言う薬を使った事がある人もいるかもしれませんが、こちらは強力ポステリザン軟膏と同じ効果を発揮します。と言うのもヘモポリゾンは強力ポステリザンのジェネリック医薬品になりますので、成分は全く同じになります。
強力ポステリザンとただのポステリザンの違い
強力ポステリザンには「強力」が付いていないただの「ポステリザン」という薬もありますが、こちらは強力ポステリザンからステロイド成分を抜いた形の薬となっています。
※現在ポステリザン軟膏は販売中止となっています
強力ポステリザン軟膏と同じ市販薬はない
では市販薬の中に強力ポステリザンと同じ薬が発売されているかと言いますと、今の所同じ薬は発売されていません。
当然ながらヘモポリゾン軟膏と同じ市販薬も発売されていません。
と言うのも強力ポステリザン軟膏のステロイド成分である「ヒドロコルチゾン」を配合している痔の薬はあるんですが、大腸菌死菌を配合している薬がないんですね。
ではここでは、強力ポステリザンに最も近い市販の痔の塗り薬を紹介していきたいと思います。
強力ポステリザンに似た市販薬 ①プリザエース注入軟膏T
こちらは強力ポステリザンと同じ強さのステロイド「ヒドロコルチゾン酢酸エステル」を配合。さらに大腸菌死菌の代わりに殺菌作用がある「クロルヘキシジン」、傷の治りを早めてくれる「アラントイン」「トコフェロール」を配合しています。
その他にも出血を抑える成分や痛みやかゆみを抑える成分を配合しており、完全に強力ポステリザンの代わりとまではなりませんが、少なくとも痛みやかゆみなどに関しては同程度の効果が期待できる薬となっています。
強力ポステリザンに似た市販薬 ②メンソレータムリシーナ注入軟膏
こちらも強力ポステリザンと同じ強さのステロイド「酢酸ヒドロコルチゾン」を配合。
さらに大腸菌死菌の代わりに殺菌作用がある「イソプロピルメチルフェノール」、傷の治りを早めてくれる「アラントイン」「トコフェロール」、皮膚を保護する働きのある「酸化亜鉛」も配合しています。
その他にも痛みやかゆみを抑える成分をプリザエース以上に配合し、痔の薬を総括してもかなりおすすめな薬となっています。
メンソレータムシリーナに関しては個別に紹介もしていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
強力ポステリザンに似た市販薬 ③ボラギノールA
ボラギノールAも強力ポステリザン軟膏に似た作りの痔の薬となっています。
まずメインとなる成分のステロイドに「プレドニゾロン酢酸エステル」を配合(強力ポステリザン軟膏と同じ強さ)。そして痛みやかゆみを抑える「リドカイン」、皮膚の修復を助ける「アラントイン」、血行をよくする「ビタミンE」を配合しています。
そしてボラギノールAとボラギノールMは違う薬になりますので注意しましょう。
選ぶ時は黄色のパッケージのボラギノールAを選んでください。
痔の塗り薬は医療用と市販薬は大差なし
強力ポステリザン軟膏と同じ市販薬はありませんが、上記で紹介した通り同程度の効果を発揮する塗り薬はいくつも発売されています。
また「市販の塗り薬だから弱い」と言う事もなく、はっきり言って塗り薬に関して言えば医療用も市販薬も大差はありません。
ですから過度に市販薬で粘るのではなく症状が改善しない場合にはなるべく早く病院受診を検討してみてください。
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