ボラギノールには「ボラギノールA」と「ボラギノールM」という2種類の痔の薬が存在します。
しかしこの2つで大きく異なる点は
「ステロイドを配合しているか否か」
になります。
ステロイドは炎症やかゆみを強力に抑えてくれる成分になりますが、ボラギノールはこのステロイドが配合されているもの・配合されていないものが発売されています。
そこで今回はボラギノールA(ステロイド配合)とボラギノールM(ステロイド非配合)の違いを諸々含めて紹介し、正しい選び方を紹介したいと思います。
「痔にはボラギノール」
と言えどもこの2つを間違えて使用すると大変ですので、購入する際には十分気を付けるようにしてください。
目次
ボラギノールAとMの異なる点
ボラギノールのパッケージの違い
ボラギノールA⇒黄色
ボラギノールM⇒緑
ボラギノールMとボラギノールAはパッケージの色が全く違いますので分かりやすいですね。
黄色の方がステロイド配合、緑がステロイド非配合となります。
ボラギノールの成分の違い
ボラギノールAには「酢酸プレドニゾロン」というステロイドが配合されています。
そもそもステロイドとは何かと言いますと、大変強力な炎症を抑える作用やアレルギーを抑える作用を示すものになります。そして痔の際には炎症により痛みやかゆみなどが起きていますが、それをステロイドにより強力に抑える事が可能となるのです。
しかしステロイドは大変強力な薬である事から副作用も問題となり、痔の薬として使用する際も長期間で何回も使用するのは好ましくありません。
ですから症状がひどい時はステロイド配合のボラギノールA等を使用し、症状が安定したらステロイドを配合していない薬を使用する事をおすすめします。
ボラギノールの効果の違い
・ボラギノールA
いぼ痔・きれ痔(さけ痔)の痛み・出血・はれ・かゆみの緩和
・ボラギノールM
いぼ痔、切れ痔(さけ痔)の痛み・かゆみの緩和
効果としてもステロイドが配合されているためボラギノールAの方が「出血」「はれ」に効果が期待できるという事になります。一方ステロイド非配合のボラギノールMにはこの2つの効果は記載されていません。
ボラギノールの用法の違い
ボラギノールA(座薬)
1日2~3回
ボラギノールM(座薬)
1日1~2回
これは意外なんですが、ステロイドを配合しているボラギノールAの方が1日の使用回数は多いんですね。ただ基本的には朝の排便後に1回、そして夜の入浴後に1回という1日2回をベースにするのが一番でしょう。無理に1日3回使用する必要はありません。
ちなみに塗るタイプはどちらも1日1~3回になります。こちらも1日2回をベースに症状の改善に応じて回数を減らしていきましょう。
ボラギノールの剤型の違い
ボラギノールAは「軟膏」「座薬」「注入軟膏」と3タイプが発売されていますが、ボラギノールMには「注入軟膏」は発売されていません。
ですからもし、内側の痔がある場合にボラギノールMは座薬を選択するようにしましょう。
2つのボラギノールの共通成分
成分の違いはステロイドが入っているか否かの違いですが、実はその他の成分に関してはほぼ全く同じ成分が配合されているんです。
では2つのボラギノールに配合されている共通の成分を紹介したいと思います。
・リドカイン
局所麻酔成分であり、痛みやかゆみを抑える効果が期待できます。
・アラントイン
皮膚の組織修復作用や正常な皮膚の働きを助長させる事ができます。
・ビタミンE
血行を良くし、痔の部分のうっ血(血がきりんと巡らず溜まってしまう状態)を改善してくれます。
ちなみに上記の成分に炎症を抑える「グリチルリチン酸」を配合しているのがボラギノールMになります。
ボラギノールAとMの使い分け
症状が酷い場合、例えば痛みや出血やかゆみが酷い場合には真っ先にラギノールAを使用しましょう。
「ステロイドは怖い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、適切な量を適切な方法で使用する限りは全く問題ありません。
ですから症状がひどい時は安心してステロイドが配合されているボラギノールAを使用してください。これを下手にステロイドが入っていない薬で粘ると、症状の悪化や手遅れになる可能性もゼロではありません。
そしてもし症状がそこまでひどくない場合。
痛みも腫れもかゆみもそこまでなく、少し気になる程度であるならばステロイド非配合のボラギノールMを使用しましょう。
どちらか良く分からない場合はボラギノールMを使用して、症状改善と共に中断する方法をお勧めします。もし悪化していくようであればボラギノールAに切り替えるか、他のステロイド配合の痔の薬に切り替えましょう。
ボラギノールAでも治らない場合
ステロイド配合のボラギノールAでも症状の改善が見られない場合には、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
具体的に薬の使用期間はMAX2週間と考えてください。
それでも改善しないようならば市販の薬では手遅れの可能性がありますので、病院を受診した方が良いです。
実は痔と思っていたものが大腸がんだったり、市販の薬では治らない痔のタイプである「痔ろう」であったりする事もありますので、薬の効果を見てしっかり判断してください。
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