市販の頭痛薬・生理痛薬、例えばイブやロキソニンやバファリンなどを飲んで胃の調子が悪くなる方がいると思いますが、それは痛み止めの薬の副作用として起きてしまう事なんです。
もし既に痛み止めを飲んで胃の調子が悪い場合は痛み止めの服用を中止するのが一番ですが、まだ胃の症状がない・不安な人においては「胃薬」を飲むことで胃への副作用を抑える事が可能となります。
ただ胃薬と言えども非常にたくさんの種類がありますよね。そして中には胃の副作用にほとんど効果のない胃薬
も多く存在します。
そこで今回は「痛み止めで起こる胃の副作用におすすめな胃薬」を紹介していきたいと思います。痛み止めを飲んで胃の症状がある方、ぜひ参考にしてみてください。
目次
痛み止めと併用する胃薬について
痛み止めで胃が悪くなる理由
痛み止めが効くメカニズムと胃が悪くなるメカニズムを超ざっくり説明します。
特に興味のない方は飛ばしてください。
まず痛み止めは痛みの原因物質である「プロスタグランジン」という物質が作られるのを防ぎます。イブ・バファリン・ロキソニンなどはこのプロスタグランジンが作られるのを抑える事で鎮痛効果を発揮するんですね。
しかし痛み止めはこのプロスタグランジンが作られるのを抑え、痛みだけを抑えれればいいのですが、同時に胃を守ってくれる物質まで作るのを抑えてしまうんです。
ですから痛み止めを飲むと胃を悪くする副作用が起きてしまうんですね。
すでに胃潰瘍・十二指腸潰瘍と言った診断を受けたことがある人は市販の胃薬ではカバーできない可能性が高いため病院受診を推奨します。
痛み止めと併用すべき胃薬の具体例
では具体的に痛み止めと併用すべき胃薬を紹介していきたいと思います。
市販薬の中で言えばいわゆるH2ブロッカーと呼ばれるタイプの胃薬とPG(プロスタグランジン)製剤を使用する事を使用しましょう。では具体的に鎮痛薬と併用すべき胃薬を紹介します。
●ガスター10
こちらは市販の薬の中では最も強く胃酸を抑える効果が期待できます。
それにより痛み止めで弱った胃を胃酸から守る事で胃への副作用を軽減する事ができます。ただし薬剤師がいるお店やネットでのみ購入可能となりますので注意してください。
イブプロフェンは800㎎・ガスターは26.6㎎と市販の量と比べて多いですが実際にガスター(ファモチジン)とイブプロフェンの組み合わせは60歳未満の上部消化管潰瘍の発生リスクを51%減少させたという研究もあります。引用: 26165391
●スクラート胃腸薬
スクラート胃腸薬は主成分である「スクラルファート」及び「アズレンスルホン酸」が弱った胃の粘膜に付着して、胃酸に対する防御機能を高めます。さらに傷ついた胃を修復する働きや胃液を抑える効果もあります。
その他にも胃酸の分泌を抑える成分や胃酸を中和する成分も配合されています。
スクラート胃腸薬には「スクラート胃腸薬S」という薬も発売されています。もし胃の働きが鈍い、消化不良が起きやすい場合は「スクラート胃腸薬S」の方を選んでください。
ただし普通のスクラートはアズレンスルホン酸と言う胃を保護する成分も入っていますので基本的にはただのスクラートを推奨します。
ガスターとスクラートの併用も可能だが市販薬は認められない
この中でどれが一番おすすめかと言えば正直分かりません。ガスターは確かに効き目も高いですが、市販薬は成分の配合量が少ないためガイドライン上と同じ結果が得られるとは限らないからです。かたやスクラート側は色んな胃に効く成分を配合しているため客観的な比較はさらに困難となります。
ただガスターは薬剤師がいるお店でしか購入できませんので、もし薬剤師がいないお店の場合にはスクラート胃腸薬を選ぶようにしましょう。
ただ市販薬はこの2つを併用できないためどちらかを選択するようにしてください。
胃への副作用を抑えるためにできること
痛み止めを飲むことをやめる
痛み止めで起きる胃の副作用は痛み止めを飲むことで改善する報告があります。
ですからもし痛み止めを飲まずに済む時はなるべく飲まないようにすることを心がけましょう。
痛み止めを変更する
ロキソニンやイブは胃を悪くする副作用を起こしやすいですが、ラックル速溶錠やタイレノールAと言った「アセトアミノフェン」が成分の解熱鎮痛剤はそれらの副作用が軽減されています。
また肩こりや腰痛の場合には湿布も有効になりますので、それらの場合には痛み止めの方を変えることも考えてみてください。
痛み止めを飲む前に固形物を食べる
痛み止めの薬は空腹時に服用すると、より胃への副作用が出やすくなります。
ですから、薬を飲む前に必ず軽めの食事(バナナ1本でもOKです)を取るようにしましょう。もし食事がとれないのであれば牛乳や豆乳などの乳製品と一緒に服用してください。
痛み止めの服用時間を守る
例えば基本的に痛み止めは「1日3回まで。4時間以上あける」と言うような用法が定められていると思います。もしこれを無視して、1日に4回も5回も飲んだり、効かないからと言って2時間しか経っていないのに追加で服用したりすると、痛みを強く抑える事は出来ずに副作用だけ出やすくなってしまいます。
ですから必ず用法用量は守るようにしましょう。また、コップ1杯程度の多めの水で飲むようにしてください。
胃に優しい成分配合の痛み止めを過信しない
痛み止めの中には「胃に優しい成分配合」という事を売りにして販売している薬も多いです。例えば「ロキソニンSプラス」や「バファリン」などが挙げられます。
しかしはっきり言ってこれらの薬に配合されている胃に優しい成分はそこまで期待しない方がいいでしょう。と言うのも胃に優しい成分の痛み止めに配合されている成分は「胃酸を中和する作用」となり、おまけにかなりその作用は胃を保護するのには十分とは言えません。
ですから「痛み止めを飲むと胃が悪くなるから、胃に優しい成分配合の痛み止めを買おう」というのはおすすめしません。値段も割高になってしまいます。
副作用がひどい場合の病院受診の目安
以下の場合は薬を飲むのを止めて病院を受診するようにしてください。
・吐血がある
・便が黒っぽくなった
・嘔吐がある
・痛みが次第に強くなる
・今までに感じたことがない痛みがある
これらの場合は消化管潰瘍などが生じている可能性がありますので必ず病院を受診するようにしましょう。
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