今回は肥満・ダイエットに効くとされている「ナイシトール」について紹介したいと思います。
しかしナイシトールを飲めば絶対痩せると言った魔法の薬ではなく、飲む人の体質等によっても効果に差がありますので、ここではナイシトールでどれ程痩せるのか?どのような人におすすめできるのか紹介したいと思います。
ナイシトールの購入を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
ナイシトールが肥満に効く理由
ナイシトールの成分は防風通聖散という漢方になります。
そして防風通聖散とは身体の中に溜まった邪気を排出する働きがあるとされています。
その結果身体の熱を排除し、溜まった便を軟らかくして排出させ、腹部に溜まった脂肪も過剰な邪気のひとつとして排出する効果により、便秘やむくみ・肥満症に効果があります。
何を言っているのかまったく分かりませんよね。
この効果をざっくり言うとナイシトールは脂肪と便を身体から出してくれる効果という事になります。
また動物実験では基礎代謝を上げる褐色細胞を活性化し、体重増加抑制作用も報告されています。
ナイシトールで人はどれだけ痩せる?
では気になるのがナイシトール(防風通聖散)を飲めばどれだけ痩せるのか?という事になりますが、実際に研究結果がありますので紹介します。
市販の防風通聖散を2か月間、MBIが25以上の67人に投与した場合、0.8㎏の体重減少が報告されています。詳しくはこちら
また防風通聖散を飲んだ人の中でコレステロール値が高かった人は、コレステロールも下げる結果になっています。つまり防風通聖散を飲めば体重は落ち、コレステロールが高い人はコレステロールも下げるのは事実ですが、2か月間しっかり飲み続けて約1kgの減量と言う事なので、過度に体重が落ちるわけではありませんので注意してください。
別の研究では24週間の防風通聖散を投与した群と何も投与しなかった群を比較すると、防風通聖散を投与した群では体重と腹部内臓脂肪がより減少したとの報告があります。
ナイシトールはダイエットにはおすすめしない
痩せている人はナイシトールはNG
上で紹介した防風通聖散を飲んでの研究データの対象者は「BMIが25以上の人」もしくは「BMIが約36.5」になっています。
BMIと言うのはご存知の方も多いかと思いますが
体重kg/(身長m)2
で示される肥満度を表す数式です。
ちなみにBMIの標準は22とされており、紹介した研究対象の人のBMI25以上というのは肥満に分類されます。36.5は更に肥満です。
つまりナイシトールを始めとした防風通聖散の効果は肥満の人で立証された薬であるため、体重が標準的な人がさらに体重を落とすために使う薬としては適していません。
またそもそも防風通聖散は体系が痩せ型であったり、虚弱体質の方には向いていない漢方になります。
ナイシトールは2か月で効果アリ!でも15000円
防風通聖散は体重がごっそり落ちるわけでなく、落ちてもせいぜい2か月で1kg程度であり、1回飲めば体重が落ちると言ったものでもありませんので、2か月は継続して服用する必要もあります。
となるとナイシトールで言えば一番多く入っている420錠入りを2個買う必要がありますので、金額として2か月分で15000円になります。
ナイシトールZの値段
2100円(105錠)
6000円(315錠)
7500円(420錠)
もちろん実際の販売価格はそれよりも安くなっている可能性もありますが、決して安い薬とは言えません。
ナイシトールを試してみたい人へのおすすめ
個人的にはナイシトールをダイエット目的で使用するのはおすすめしません。
効果と値段を考えると割に合わないからです。
しかし漢方の効果は人それぞれの部分が多いため、絶対に使わない方がいいとも言えません。
また中には「それでも一度ナイシトールを試してみたい」と言う人も多いと思います。
そんな人はナイシトールよりも和漢箋(わかんせん) ロート防風通聖散錠がおすすめです。
実は防風通聖散にも種類があり、配合されている防風通聖散の量がメーカーによって違うんです。
ちなみにナイシトールにも「ナイシトールZ」や「ナイシトールG」がありますが、より防風通聖散を多く配合しているのはナイシトールZです。その分値段も高めです。
しかしそんな防風通聖散を多く配合してあるナイシトールZと同じ量を配合している和漢箋ロート防風通聖散は値段がナイシトールZよりも安いんです。
和漢箋ロート防風通聖散の値段
1300円(60錠)
5300円(264錠)
6800円(360錠)
30日分で6800円の和漢箋ロート防風通聖散
28日分で7500円のナイシトールZ
どちらの方が良いかは明らかですね。
ですからもし防風通聖散を試してみたい人は値段を考えて和漢箋ロート防風通聖散を試すようにしましょう。
和漢箋(わかんせん) ロート防風通聖散錠には防風通聖散を満量配合していないものも発売されていますのでしっかり「5000」「満量」と書かれたものを選ぶようにしてください。
防風通聖散が安くで売っている場合
もし近くのドラッグストアなどで「防風通聖散」が安く販売されている事もあるかと思います。
すると「どの防風通聖散が良いのか?」と迷ってしまうかもしれませんが、この時には防風通聖散のパッケージに「満量処方」もしくは「満量」が書かれてあるかチェックしてください。
メーカーによっては「防風通聖散5000㎎配合!」「防風通聖散6000㎎配合!」と言ったように配合量が異なる場合がありますが、いずれにしても満量処方と書かれていれば配合量は同じになります。
この満量とは、市販の漢方薬で配合できる一番多くの量と言う意味になります。効果にどれだけの違いがあるかは不明ですが、気になる人は満量処方がいいでしょう。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。