日中の長時間の移動や、夜間寝ている時などトイレの回数が多いと困る場面も多いですよね。そんな時に頭に浮かぶのがCMでも有名なユリナールやハルンケアになります。
しかしこの2の薬を使用してみても実際あまり効果が感じられなかった人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は頻尿の人におすすめなユリナールやハルンケア以外の市販薬を紹介していきたいと思います。もしトイレが近くて困っている人は参考にしてみてください。
目次
頻尿の定義について
一般的に頻尿とは朝起きてから寝るまでの間にトイレに8回以上いく場合を頻尿と言います。
ただいずれの場合も回数で頻尿と判断するのではなく、もしトイレの回数が多いという自覚がある場合はそれは頻尿と考えられます。
ユリナールやハルンケアが頻尿に効く理由
頻尿治療薬として有名なユリナールとハルンケアですが、この2つは漢方の薬になります。
ユリナール⇒清心蓮子飲
ハルンケア⇒八味地黄丸
これらの漢方は実際の医療現場でも使用されている漢方になります。ただ病院で使用されているよりも成分は若干少な目です。
そしてこの2つの薬は頻尿や1回の尿量が少ない時に効果がある漢方とされ、実際に市販化されています。
現在清心蓮子飲はユリナールとしてのみしか発売されていません。
一方のハルンケアの八味地黄丸は「ツムラ」「クラシエ」「ビタトレール」などのブランドからも発売されている漢方になります。
ですから値段もハルンケア(八味地黄丸)と同じ薬は多く発売されているため、1社からしか発売されていないユリナール(清心蓮子飲)と比べると価格競争が起きています。
つまりハルンケアと同じ成分の薬は安く購入できる場合があります。
例えば八味地黄丸は有名メーカーの「ツムラ」からも発売されていますが、定価はハルンケアの半額程度です。
<ユリナールの値段>
2500円(60錠)
4800円(120錠)
1回5錠、1日2回の服用です。(粉タイプも発売されています)
つまり6日分で2000円以上する薬になりかなり高額な薬と言えるでしょう。
<ハルンケア>
1980円(6包)
2980円(10包)
1回1包1日2回の服用です。
(ドリンクタイプも発売されていますが1日で880円になりますのでおすすめしません)
こちらもユリナールに劣らず5日分で約3000円とかなり高額な薬です。ただし上でも紹介した通り、ツムラの八味地黄丸などでは約半額で購入する事が可能です。
ユリナールとハルンケアは子供は使用できない
ユリナールとハルンケアは15歳未満の小児は使用する事ができません。
いずれも使用可能年齢は15歳以上になります。
ただハルンケアに関しては同じ成分の八味地黄丸は7歳から使用できるものもありますので、その時はハルンケアではなく八味地黄丸の名前で探してみましょう。
※子供の場合は頻尿と言うよりも遺尿症の可能性が高いので、その時は小建中湯という漢方がおすすめです。ただ基本的に回数が日常生活に支障をきたす場合には病院受診を優先的に考えましょう。他の選択肢があります。
ユリナールやハルンケアが効かない理由
では病院でも使用される漢方と同じユリナールやハルンケアが効かない理由はなぜかと言うと、薬が合っていない可能性と漢方が効かない可能性があります。
薬が合っていない可能性
そもそも漢方は副作用が少なく安全に飲めるイメージがありますが、薬を飲む人の「体質」や「症状」をかなり重要とします。
例えばユリナール(清心蓮子飲)は体力があまりない人や、疲れやすい人・イライラしやすい人に効果的な漢方になります。一方のハルンケア(八味地黄丸)は疲労感が強かったり冷えが強い人におすすめな漢方です。
ですからこれらの漢方を使用する場合ガッチリしている体質の人や体力がある人などにはあまり適切な薬ではありません。また胃腸が弱っている人や下痢をしやすい人などにもこれらの漢方は向いていません。
そしてユリナールとハルンケアの両者に関しても、例えばストレスや苛立ちを感じやすい人にはユリナール(清心蓮子飲)が効果的ですが、この時にハルンケア(八味地黄丸)を選ぶことは適切とは言えません。
つまり頻尿に効く薬だからと一言で言っても、使う人の状態によっては十分な効果を得られない可能性があります。
漢方では効かない可能性
漢方で頻尿が改善する人も決して少なくありませんが、中には漢方が効かない人も当然います。
例えば頻尿の原因として前立腺肥大症や糖尿病や腎臓病などがそもそもの原因としてある場合もあります。その場合は当然ながら病院を受診して治療する必要があります。また病院では漢方以外の医薬品を使用するケースも多いのですが、現在市販では購入できない薬ばかりです。
ですから根本的な治療を必要とする場合、そしてより効果を発揮する薬を選ぶ際は市販薬では対処できません。
ユリナールやハルンケアが効かない頻尿の市販薬
ではここではユリナールやハルンケアが効かない時に試してみるべき薬を紹介していきます。
レディガード・コーワ
こちらは現在漢方を除いて唯一市販で購入できる頻尿治療薬になります。
レディガード・コーワは実際に医療機関では「ブラダロン(フラボキサート)」という名前で使用される薬になります。そして飲み方や効果も市販薬は同じです。
ただしこの薬にはある重大な欠点があります。
それは男性は使用できない薬であるということです。
その理由は男性の場合、頻尿の原因が「前立腺肥大症」という病気から来ている可能性があり、もし前立腺肥大症の時にこのレディガード・コーワを使用してしまうと、より症状を悪化させてしまう結果になるためです。
ですから女性限定になりますが、もし頻尿症状が強い時は一度このレディガード・コーワを使用してみましょう。
※女性の頻尿に関してはパッブフォーレディが発売されました。この薬は現在発売されている市販薬の中では最強なのでぜひこちらを使用してみてください。詳しくは動画で解説しています。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
こちらはハルンケアをさらにパワーアップさせた漢方になっています。
牛車腎気丸はハルンケア(八味地黄丸)にプラスして、身体の水分を調整してくれる働きのある生薬を配合し、その結果頻尿や排尿困難に対してさらに効果を発揮する漢方となっています。疲れやすく冷え性な人にはさらに効果的です。
牛車腎気丸も色んなメーカーから発売されており、中でもロート製薬が発売している和漢箋(わかんせん)などは特に有名です。
また体力に関係なく残尿感が感じられる人や、1回あたりの尿量が少ない人は猪苓湯という漢方を選ぶようにしましょう。
<牛車腎気丸(和漢箋)の値段>
1900円(56錠)
5500円(168錠)
1回4錠1日2回の服用です
ベシケアやベタニスなどは市販では買えない
病院で使用されているベシケアやベタニス、トビエースと言った頻尿に効く薬は現在市販で購入する事はできません。これらの薬は医師の処方箋が必要になります。
そしてこれらの効果はユリナールやハルンケアよりも効果が高いので、頻尿の症状が続く時は病院を受診してこれらの薬を処方してもらいましょう。
頻尿に効く薬の選び方まとめ
今回は頻尿に効く市販薬を紹介してきましたが、女性に使用できるレディガード・コーワを除いては、頻尿に効く市販薬のメインは漢方薬になります。
ですからユリナール・ハルンケアをはじめ、牛車腎気丸、竜胆瀉肝湯、猪苓湯などの漢方を自分の体形や体質、尿状態に応じて選ぶようにしましょう。
そして仮にこれでも頻尿が改善しないならば市販の薬では対応しきれませんので、一度病院を受診するようにしてください。
女性の頻尿
⇒レディガード・コーワ
体力があまりない人で疲れやすい人・イライラしやすい人
⇒ユリナール
疲労感が強かったり冷えが強い人
⇒ハルンケア
ハルンケアと似た症状でさらに症状が強い人
⇒牛車腎気丸
体力関係なく残尿感や尿量が少ない人
⇒猪苓湯
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。