乗り物酔いの薬

乗り物酔いの薬(酔い止め薬)の正しい選び方

 

乗り物酔いの市販薬として有名なものがトラベルミン・アネロン・センパアの3種類になります。

 

この3種類は酔い止め薬として効果も高く大変よく使用される薬になります。ただ、これら3種類のシリーズは全部で余裕で10種類を越えてしまいます。するといくら酔い止め薬として効果があっても、正しい選び方をしない限り十分な効果を発揮できない可能性があります。

 

そこで今回はトラベルミン・アネロン・センパアの中から本当におすすめできるものだけを症状や年齢に応じて紹介していきたいと思います。

ぜひ乗り物酔いの薬の選び方で迷っている人は参考にしてみてください。

 

症状別のおすすめの乗り物酔い止め薬

大人の吐き気におすすめはアネロンニスキャップ

15歳以上の乗り物酔いの特に吐き気がひどい時にはアネロンニスキャップを選んでください。

アネロンニスキャップはとにかく吐き気に特化した酔い止め薬になっており、成分の「マレイン酸フェニラミン」「臭化水素酸スコポラミン」「アミノ安息香酸エチル」の3種類が脳と胃腸にそれぞれ作用して吐き気をバッチリ抑えてくれます。また、めまいや頭痛にも効果を発揮します。

<アネロンニスキャップの成分>

マレイン酸フェニラミン・・・30mg
アミノ安息香酸エチル・・・50mg
スコポラミン臭化水素酸塩水和物・・・0.2mg
無水カフェイン・・・20mg
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)・・・5mg

 

アネロンニスキャップは効果が長時間持続するタイプの薬になっていますので1日1回の服用で済む薬です。

基本的に乗り物に乗る30分前の服用になりますが、仮に酔ってから飲んでも効いてくる時間が比較的早い薬になりますので問題ありません。

<アネロンニスキャップの値段>

600円(3カプセル)

1000円(6カプセル)

1400円(9カプセル)

 

大人のめまい・吐き気にはトラベルミンかトラベルミン1

15歳以上でめまい・吐き気がある乗り物酔いの場合にはトラベルミンかトラベルミン1を選んでください。

そしてこの2種類は「乗り物にのる時間の長さ」で選ぶようにしましょう。

長時間移動(特にめまい)⇒トラベルミン1

短時間移動⇒トラベルミン

 

トラベルミン1はめまいに長く効く「メクリジン」という成分を50㎎も配合し、また「スコポラミン」という吐き気止め成分も配合されており、吐き気とめまいのダブルに効果のある乗り物酔い止めの薬となっています。特にめまいの症状に効果的です。

中でもメクリジンは薬が効いてくるのに時間はかかりますが、薬の効き目が長時間続くものになりますので、もし乗り物酔いのめまいがひどくて長時間の移動の場合はトラベルミン1がおすすめです。

※ただしメクリジンが効く時間が遅いと言っても遅くても1時間程度で効果が発揮します。

PMID: 21903894

<トラベルミン1の成分>
塩酸メクリジン・・・50mg
スコポラミン臭化水素酸塩水和物・・・0.25mg

 

一方のトラベルミンは吐き気止め成分の「ジフェンヒドラミン」を配合し、さらにジフェンヒドラミンの効果を強めて眠気の軽減してくれる「ジプロフィリン」も配合しています。

こちらはトラベルミン1とは違い、薬の効きが早いためその分効いてくる時間もトラベルミン1と比べると短めです。ですからトラベルミンは1~2時間程度の移動の場合におすすめの薬となります。

<トラベルミンの成分>
サリチル酸ジフェンヒドラミン…40mg
ジプロフィリン…26mg

 

もしどちらが良いのか分からない場合はトラベルミンを選びましょう。

トラベルミンは効果の持続が短いですが、その分眠気などの副作用も少なく、薬の効果が切れたと感じた場合4時間以上の間隔を空ければ追加で服用する事も可能になりますので、より使い勝手のいい酔い止め薬になります。

<トラベルミンの値段>
648円(6錠)

<トラベルミン1の値段>
906円(3錠)

 

 

子供の吐き気におすすめはセンパアプチベリー

子供の吐き気には3歳から使えるセンパアプチベリーがおすすめです。

 

こちらは吐き気に効く成分「クロルフェニラミン」「ブチルスコポラミン」の2種類を配合しており、子供吐き気にはピカイチの効果を発揮します。まためまいにも効果があります。センパアプチベリーは錠剤のように水で飲む必要がなく、かみくだいで飲むことができるチュアブルというタイプになっています。イチゴ味で飲みやすくなっています。

<センパアプチベリーの成分>
クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・2.66mg
スコポラミン臭化水素酸塩水和物・・・0.16mg

 

もしドリンクタイプがいい場合はセンパアKidsドリンクもおすすめです。

若干割高になってしまいますが、センパアプチベリーと全く同じ成分になりますので効果としてはドリンクタイプを選んでも構いません。7歳以上であればアネロンキャップがさらに吐き気に効果的になりますのでこちらもおすすめになります。

<センパアプチベリーの値段>
500円(10錠)

<センパアkidsドリンクの値段>
580円(2本)

<アネロンキャップの値段>
600円(4カプセル)

 

子供のめまい・吐き気にはトラベルミンジュニアかトラベルミンファミリー

めまいと吐き気がある子供にはトラベルミンジュニアかもしくはトラベルミンファミリーを選びましょう。

 

この2種類はそれぞれ吐き気に効く成分とめまいに効く成分を配合しています。2つの選び方としてはこちらも乗り物に乗る時間で選ぶようにしましょう。

短時間の移動⇒トラベルミンジュニア

長時間の移動⇒トラベルミンファミリー

 

1~2時間の移動の時はトラベルミンジュニアを、それ以上になる場合にはトラベルミンファミリーを選びましょう。値段としてはトラベルミンファミリーが864円(6錠)、トラベルミンジュニアが518円(6錠)となっており、トラベルミンジュニアの方が安いです。

<トラベルミンジュニアの成分>
サリチル酸ジフェンヒドラミン…20mg
ジプロフィリン…13mg

<トラベルミンファミリーの成分>
塩酸メクリジン…25mg
臭化水素酸スコポラミン…0.16mg

 

眠気がでにくい酔い止め薬はトラベルミンR

酔い止め薬は基本的に眠気が出てしまいますが、そんな中で眠気が極力起きない酔い止め薬を選ぶのであればトラベルミンRがおすすめです。

 

トラベルミンRは吐き気もめまいにも効果のある酔い止め薬になるんですが、中でも眠気の出にくい成分の「ジフェニドール」と「スコポラミン」を配合しているため、眠気を最小限に抑える事が可能になるんです。ただし11歳以上からの使用となります。

<トラベルミンRの成分>
塩酸ジフェニドール…16.6mg
臭化水素酸スコポラミン…0.16mg
無水カフェイン…30.0mg
塩酸ピリドキシン…5.0mg

<トラベルミンRの値段>
1080円(6錠)

眠くならない市販の酔い止め
眠くなりにくい乗り物酔い止め薬はトラベルミンR・漢方がおすすめ!酔い止め薬は基本的に眠気がでます。では眠くならない乗り物酔いの薬は何がるのかと言うとトラベルミンRが代表的な薬になります。また漢方の五苓散や苓桂朮甘湯も症状に応じて有効です。...

 

家族で1つ買うとしたらセンパアプチベリー

市販の乗り物酔いの薬は子供から大人まで使用できるものがほとんどになります。

ではもし家族で共有してどれか1つを購入すべきかと言えば上の「子供の吐き気におすすめの酔い止め薬」としても紹介したセンパアプチベリーをおすすめします。

 

その理由としてセンパアプチベリーは「3歳は1錠、11歳以上は2錠」と言ったように子供から大人まで幅広く使える酔い止めで、調整もしやすいためです

 

子供から使える酔い止め薬の多くは「子供メインにした酔い止め」になっているため、正直成分の配合量などは少な目です。

しかしセンパアプチベリーは他の大人用の酔い止め薬とほぼ変わらない量の成分を配合しており、大人が使用する場合も効果が高めになるんです。

 

実際に15歳以上からしか使用できないセンパアQTと成分を比較してみます。

 

クロルフェニラミンスコポラミン
センパアプチベリー

(11歳以上)

2.66㎎0.16㎎
センパアQT

(15歳以上)

2㎎0.25㎎

 

吐き気やめまいに効くクロルフェニラミンの量はむしろセンパアプチベリーの方が多く配合されていますね。

つまり家族で使えるからと言って効果が弱いという訳ではありませんので、安心しください。もし家族で1つ酔い止め薬を選ぶ場合はセンパアプチベリーを選びましょう。特に吐き気に効果的です。

もし即効性が多少劣っても構わないのであれば知名度も高く吐き気やめまいに効果的なトラベルミンファミリーでも構いません。

 

乗り物酔いに効く生活習慣

前日はしっかり睡眠を取る

事前にしっかり睡眠を取る事で乗り物酔いの原因である自律神経の乱れを抑える事が可能となります。

ですから移動する前日はしっかり寝る様にしてください。

 

事前の食事に気を付ける

乗り物に乗る前はできるだけ軽めの食事を心がけるようにしましょう。

これをコーヒーだけで済ましたりすると胃を刺激して吐き気を誘発してしまう事にも繋がります。

また逆に脂っこいものや多くの食事を取ると消化に時間がかかり、そのまま吐き気を誘発してしまう事もあります。ですから乗り物に乗る前には適度な量の食事を摂る様にしましょう。

薬を事前に飲む

今回紹介した薬の多くは「酔ってからでも効く薬」とされています。

実際に効果が早い薬が多く酔ってから飲んでも効果があります。

 

しかしやはり酔ってから薬を飲むのと事前にしっかり薬を飲むのとでは、気持ち的な安定感からしても全く異なります。ですから基本的には薬は乗り物にのる前に服用しましょう。

「すぐに飲んだら効果がなくなるのでは」と思う人もいるかもしれませんが、多くの酔い止め薬が4時間は効果が持続しますので、安心して事前に服用するようにしてください。

※薬の接客で悩んでいる人は絶対に読んでください

日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。

この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。

「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。

現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。

もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。

誰も教えてくれない市販薬の参考書