過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)に効く病院と同じ市販薬の紹介!!

 

過敏性腸症候群(IBS)という病気をご存知でしょうか?

この病気は腸の検査や血液検査で明らかな異常が認められないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感を伴って、便秘や下痢が長く続く病気になります。

大きな原因はストレスと言われており、中には精神安定剤の服用によって症状を改善するケースもあります。

 

ただ、現代においてこの過敏性腸症候群(IBS)の人の数はかなり増えてきており、程度の差もあるため、一概に精神安定剤を飲んで解決するという訳でもなく、何より病院を受診するのに抵抗がある人も多いでしょう。実際に治療としては寛解するのも難しいです。

 

そこで今回は「市販の薬の中で過敏性腸症候群に使用される病院と同じ薬」を紹介したいと思います。市販薬ならばもっぱら対処療法になってしまいますが、もし病院に行く前に一度市販薬を試してみたい、病院に行くまではないが何とかしたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

「対処療法」とは例えば腹痛があれば腹痛を抑える薬を。下痢があるならば下痢を抑える薬を使用するなどの事になります。

 

過敏性腸症候群(IBS)の診断と症状

過敏性腸症候群(IBS)の診断方法として有名なものにローマⅢ基準と言うものがあります。

  • 最近3ヵ月の間に、月に3日以上にわたってお腹の痛みや不快感が繰り返し起こり、下記の2項目以上の特徴を示す
    1)排便によって症状がやわらぐ
    2)症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
    3)症状とともに便の形状(外観)が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする 日本消化器病学会ガイドラインより

 

そして過敏性腸症候群の最も特徴的な症状として「便秘」と「下痢」がありますが、具体的なものには以下の様なものがあります。

 

・痙攣性便秘型
腹痛と共に少量の兎糞状便通(コロコロした便)を排出する便秘

・神経性下痢型
慢性的な下痢を主とする。

・交代性便通異常型
便秘と下痢を繰り返し、腹痛も伴う場合が多い

 

過敏性腸症候群(IBS)に効く市販の薬

過敏性腸症候群は下痢と便秘と腹痛がメインとなりますから、今回は過敏性腸症候群の治療のガイドラインを元におすすめの市販の薬を紹介していきます。

機能性消化管疾患診療ガイドライン2014

ガイドラインとは、その病気を治療する際にどのような治療が適切かなどを掲載している治療マニュアルみたいなものです。当然、実際に医療現場でも使用されているものになります。

 

過敏性腸症候群(IBS)全体に推奨される市販薬

強ミヤリサン

過敏性腸症候群の場合には腸内環境を整えることが非常に重要です。そして整腸剤は腸内環境のバランスを整えることで、過敏性腸症候群の便秘や下痢症状に効果を発揮します。

数ある整腸剤の中でも特に強ミヤリサンには「宮入菌」と言う強力なタイプの菌が入っていますので、整腸剤を試すならばぜひこの強ミヤリサンを試してみましょう。

 

セレキノンS

こちらは成分に「トリメブチン」という成分を配合しています。医療用ではセレキノンとして使用されている薬になります。

セレキノンSは胃腸の働きを調節してくれるもので、過度に胃腸が活動している時はブレーキを。胃腸の働きが停滞している時はアクセルを踏んでくれます。

つまり下痢の時は胃腸が活発に活動している状態になりますのでブレーキを踏んで下痢を止め、消化不良の時はアクセルを踏んで胃腸の働きを活発にしてくれる働きがあります。便秘と下痢を繰り返す人はまずこのセレキノンSを使いましょう。

ただしこのセレキノンSは病院でIBSと診断された事がある人だけが使用可能な薬になっています。

ですからもし診断を受けたことがない人は同じトリメブチンを配合しているタナベ胃腸薬調律を選ぶようにしましょう。セレキノンSと同量のトリメブチンを配合しながらも消化を助ける成分や胃酸を中和する成分も配合されているため胃にも症状がある人にオススメできる薬になっています。

 

下痢の過敏性腸症候群に効く市販薬

ロペラマックサット

こちらは医療用ではロペミンという薬で使用されている「ロペラミド」という成分になります。下痢は便が水分を多く含んでいる状態ですが、ロペラミドは水分が便に含まれるのを妨げ、そして腸の運動を抑えて下痢症状を改善させてくれます。

ロペラミドを主成分とする薬は他にも「トメダインコーワフィルム」「ピタリット」などもあります。いずれを選んでも構いませんがロペラマックサットは6錠という一番少ない包装の錠剤タイプなので、まずはお試しの意味でもおすすめです。通勤時などでも飲めるように水なしでも飲めるタイプとなっています。

ただしこれらの下痢止め薬は腹痛を悪化させてしまうケースもあるため、常用して服用するものではありません。あくまでもストレスを過度に感じるイベントの時や長時間の交通機関の移動の際などに限定して使用するようにしてください。

 

便秘の過敏性腸症候群に効く市販薬

3Aマグネシア等の酸化マグネシウム系

 

まず最初は3Aマグネシア等の酸化マグネシウム系の非刺激性の便秘薬を使用しましょう。

こちらは医療用ではマグラックスやカマグと呼ばれ「酸化マグネシウム」を主成分としている薬です。腸管内に水分の量を増やして便を柔らかくし、その刺激によって排便を促す効果があります。

ただしこれだけでは効果がいまひとつの場合も多いです。そんな時はビューラックソフトを使用しましょう。これらは医療用でラキソベロンやシンラックという名前で使用されていた「ピコスルファートナトリウム」という下剤になります。こちらは過敏性腸症候群ではありませんが、慢性的な便秘に対して効果が確認されています。

基本的に過敏性腸症候群などの場合における長期間の便秘薬に使用において「コーラック」や「スルーラック」はマイナス面が多く使用が推奨されないので、どうしても便秘が改善しない場合はビューラックソフトを使用するようにしましょう。ただしこれらの刺激性下剤は腹痛などの副作用がありますので、腹痛が気になる人は避けてください。

 

腹痛の過敏性腸症候群(IBS)に効く市販薬

ブスコパンA

こちらは医療用でもブスコパンとして使用されている「ブチルスコポラミン」という成分の薬になります。

腹痛は腸の過度な収縮によって起きていますので、その収縮を抑制する事で腹痛を改善させることが可能となります。また便の回数自体を減らす効果も期待できます。

 

桂枝加芍薬湯

桂枝加芍薬湯は胃腸の働きを抑える生薬が配合されています。

過敏性腸症候群の症状の中の特にお腹が張って腹痛がある場合に有効です。また便秘症状が顕著な場合は名前が似ていますが桂枝加芍薬大黄湯の方がより効果的になります。

 

ペパーミントオイルのサプリメントがIBSに効く

過敏性腸症候群に対して薬ではありませんがペパーミントオイルが効果的なんです。

例えば過敏性腸症候群の人にフラセボとペパーミントオイルを比較した試験でペパーミントオイルは過敏性腸症候群の全体的な症状や腹痛の症状に対して優位に効果を発揮したと言う論文があります。

参考:PMID: 24100754

参考:PMID: 19008265

 

ですから薬を使用するのに抵抗がある人や薬を使っても今ひとつ症状の改善が見られない場合にはペパーミントオイルのサプリメントを利用してみるのもいいでしょう。

 

市販では発売されていない過敏性腸症候群の薬

「コロネル」「ポリフル」

こちらの2つは消化管の水分バランスをコントロールできる薬になりますので、下痢・便秘どちらにも効果を発揮する薬になります。

 

「イリボー」

こちらは男性による下痢型の過敏性腸症候群に使用される薬です。消化管の働き方を抑制する事により効果を発揮します。

 

「抗うつ薬」「安定剤」

精神的な影響の強い過敏性腸症候群の根源である部分に作用します。ただし医師の監視下での使用が必須のため市販化されていません。

これらの3種類の薬は過敏性腸症候群の治療の際に良く使用される薬になるんですが、現在市販化されていません。

 

過敏性腸症候群の治療に大切なこと

過敏性腸症候群は薬の治療を含めて大切なことは

とりあえず効果がありそうな何かを使ってみるという事

 

これは薬でも整腸剤でも食生活の改善でもなんでもOKです。というのもこれによって得られる「フラシーボ効果」が実はかなり効果的なんです。

フラシーボ効果というのはその薬の効果が実際になかったとしても、薬を飲んでいるという安心感によって実はかなりの効果を発揮する場合があります。

 

特に過敏性腸症候群は精神的な要素が大きい病気なのでフラシーボ効果が高く、実は下手な市販の薬を使用するよりもよほど効果が高いんです。

 

また薬以外の過敏性腸症候群の対処法としては「運動」も有効なことが分かっています。

これは運動自体がストレス発散に繋がる場合、そして過敏性腸症候群の改善にはつながらない場合でも便秘を改善してくれる効果もあるため、特に便秘型の過敏性腸症候群の方にはおすすめです。そして食生活としては油物や刺激物を取り過ぎない事も有効になります。

 

今回は敏性腸症候群に効く市販薬を紹介してきましたが、もしこれらの薬でも改善が見られない場合は、病院でもらう薬ならば他にも種類がありますので一度病院を受診することをおすすめします。

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