湿布

光線過敏症のリスクがある市販の湿布と代わりになる湿布

 

暑くなって紫外線が気になる季節になると湿布を使用している人は注意が必要です。

なぜなら湿布と直射日光が当たる事による光線過敏症のリスクがあるからです。

 

光線過敏症とは湿布を貼った事に場所に紫外線が当たる事によって皮膚が赤く炎症を起こす皮膚炎になります。しかし湿布ならばどれも光線過敏症になってしまうのかと言うとそうではありません。リスクが高い湿布とそうでない湿布が存在するんです。

 

では今回はそんな光線過敏症が起きるリスクが高い湿布を紹介し、併せて光線過敏症を防ぐための市販の湿布の選び方を紹介していきたいと思います。

 

光線過敏症が起きやすい市販の湿布

ここからは医療用医薬品の湿布の情報を元に光線過敏症に対して副作用として報告あり・なしに分けて紹介します。

薬剤副作用報告
ケトプロフェンあり
ジクロフェナクあり
ピロキシカムあり
フェルビナクなし
インドメタシンなし
ロキソプロフェンなし
サリチル酸メチルなし

 

光線過敏症の報告がある薬剤は「ケトプロフェン」「ジクロフェナク」「ピロキシカム」の3つになりますが、これらは湿布だけでなくゲルやローションでも起きる可能性がありますので「湿布がダメなら塗り薬にしよう」と考えないようにしてください。

ケトプロフェン外用剤による光線 過敏症に係る安全対策について

 

光線過敏症を避けるために市販薬をどう選ぶか

日頃湿布を使わない人は光線過敏症のリスクが低い湿布を

「光線過敏症を避けるためにどの湿布を選ぶか」を考えた時にセオリーとしては光線過敏症の報告がある「ケトプロフェン」「ジクロフェナク」「ピロキシカム」は避けて、光線過敏症の報告がない湿布を使用する事になると思います。

 

真冬に直射日光の当たるリスクの低い腰に湿布を貼るのであればそこまで注意する必要はないかもしれません。しかし夏場の直射日光の当たるリスクがある時期にわざわざ光線過敏症のリスクがある薬を選ぶ必要性はありません。

 

では夏場などの直射日光が当たるリスクがある時は基本的に光線過敏症のリスクが低い湿布を使うことになります。

もし自分が使用した湿布がどれか分からない場合は直射日光に注意しながら生活する方がベターです。リスクを考えればケトプロフェンを貼った後の様に「サポーター等を使用して直射日光を徹底的に避ける生活を湿布を剥がした後も4週間続ける」と言ったハードな対策を取る方がよりリスクを軽減できますが、市販の湿布でケトプロフェン配合の湿布は少ないので、意図して選ばない限りケトプロフェンを選択している可能性は正直高くありません。ですから湿布を剥がして1週間は直射日光がなるべく当たらない服装を心がけたり、できるだけ野外での活動を少なくする程度で良い可能性が高いです。

 

光線過敏症の副作用報告がある湿布からの切り替えの場合

光線過敏症の報告がある湿布を使っている状態から切り替えるケースを考えてみます。

 

まずピロキシカムからの切り替えですが、正直ピロキシカムを配合している湿布は見当たらず(販売している店舗もあるのかもしれませんが見つけられませんでした)、世の中での流通がそもそも活発ではありません。

またケトプロフェンも基本は「オムニードケトプロフェンパップ」があるくらいで、実はあまりメジャーではありません。ただケトプロフェンは医療用湿布のモーラステープとして非常によく処方される湿布になっているため「モーラステープを市販薬でも欲しい」と思って購入している人は一定数いるかもしれません。

つまりピロキシカムやケトプロフェンを使用している人は可能性としては低い事がわかります。

※可能性が低いだけで使用している可能性もあるためもちろん注意は必要です。

 

そんな中ダントツで問題になるのはジクロフェナクです。ジクロフェナクは鎮痛効果が高いため色んなメーカーから発売され、おまけに湿布以外のゲルやローションなどの剤形でも発売されています。

 

ではジクロフェナクの代わりに何を使用すべきかと言いますとロキソプロフェンを配合している湿布かフェルビナク配合湿布です。

 

ロキソプロフェンの湿布「ロキソニンSテープ」は明確な強さを定義している情報はありませんが、実際はかなり高い鎮痛効果が期待できます。

またフェルビナクはケトプロフェンと比較して肩関節炎において同等の効果が得られたとされているため、こちらもそれなりの効果が期待できます。セルタッチIF

フェルビナクを配合している湿布はフェイタスシリーズやパスタイムシリーズからも発売されています。

 

「サリチル酸メチル配合のサロンパスはどうなのか?」と思われる人もいるかと思いますが、サリチル酸メチルの鎮痛効果はジクロフェナクやケトプロフェンと比較すると鎮痛効果が劣るため代わりになるとは言いにくいです。

光線過敏症と市販の湿布のまとめ

●日頃湿布を使用しない人は直射日光が当たる時期にはジクロフェナク、ケトプロフェン、ピロキシカムをそもそも使わない

●光線過敏症のリスクがある湿布の代わりとしてフェルビナクかロキソニンSテープを推奨

●サリチル酸メチルやサリチル酸グリコールは光線過敏症のリスクは高くないが十分な効き目を感じられない可能性がある

 

また光線過敏症の原因として紫外線を避ける方法があります。

日常生活で紫外線を避ける方法はこちらでも紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

光線過敏症のリスクを減らす方法
市販の湿布による光線過敏症のリスクを減らす4つの方法 湿布を貼る事と紫外線が当たる事によって光線過敏症のリスクが高まりますが、どうしても湿布を貼らないといけない人はどうすればいいのか...
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