湿布を貼る事と紫外線が当たる事によって光線過敏症のリスクが高まりますが、どうしても湿布を貼らないといけない人はどうすればいいのか困ってしまいますよね。
そこで今回は湿布による光線過敏症のリスクを減らす方法を紹介したいと思います。
具体的には4つの対策がありますので順に紹介していきます。
湿布による光線過敏症のリスクを減らす方法
PA+の強い日焼け止めを塗る
光線過敏症の原因はの1つは紫外線になりますが、紫外線の中でもUBAが主に薬に作用して光線過敏症を引き起こすとされています。参考:徳島県薬剤師会
では紫外線を避けるために日焼け止めを使用するのも1つの手段となります。
すると「どの日焼け止めが良いのか?」と言う話しになりますが注目すべきは「PA」になります。日焼け止めはざっくり「PA」と「SPF」の2つの指標がありますが「PA」はUVAをどれだけ抑えるかの指標になるんです。
PAは最大で4段階あり+が多い程UVAをしっかり抑えるため「PA+++~PA++++」のタイプを選ぶようにしましょう。また汗等で日焼け止めの効果が落ちるため2時間おきにこまめに塗るようしましょう。
ただしケトプロフェンを配合している湿布は日焼け止めの成分である「オキシベンジン」「オクトクレリン」を配合しているタイプと一緒に使用してしまうと交叉感差を起こす可能性があるため避けてください。参考:モーラステープIF
ちなみに曇りの日でも晴れた日の6割強、雨の日でも2割の紫外線が地表に届いているため要注意です。また窓を介しても紫外線(UVA)は透過しますので注意してください。参考:アネッサHP
UVカットの服を着る
最近ではユニクロやGUなどでもUVカットの服が発売されています。
基本的に屋内で生活するためあまり直射日光を浴びてしまう心配はなく、ちょっとした時に外に出る時などにUVカット機能があるカーディガンが1枚あると便利ですよね。
もし今手元にUVカットの服がないと言う人は紫外線を透過しにくい服を選ぶのも1つの手段となります。例えば白は紫外線を通しやすいため逆に黒やネイビー、ダークグレー等の色を選択する、ポリエステル製を着る等の対策を取りましょう。
光線過敏症のリスクが低い湿布を使う
使用頻度を考慮すると市販の湿布で最も注意が必要な成分は「ジクロフェナク」になります。こちらはボルタレンEXテープ等が有名です。
ジクロフェナクは鎮痛効果が高くおまけに湿布以外にもローションやゲルとして発売されていますので光線過敏症のリスクがある湿布としては最も使う可能性が高いでしょう。
また医療用のモーラステープと同じ成分である「ケトプロフェン」を配合している湿布も光線過敏症のリスクが高いため要注意です。
ですから光線過敏症のリスクを避けるためにジクロフェナクやケトプロフェンは避けてロキソニンテープやフェルビナクの湿布を使用する事を推奨します。
詳しくはこちらでも紹介しています。
湿布でなく飲み薬でカバーする
痛みがある場合に湿布でなく飲み薬を使用する方法もあります。
例えば腰痛に関してはイブやロキソニンなどのいわゆる「NSAIDS」と呼ばれている飲み薬が推奨されていますし、肩こりがある場合にもNSAIDSの飲み薬が有効です。
もしコリがひどいと言う人は筋肉のコリをほぐす筋弛緩成分を配合している市販薬もありますのでこちらを利用してみるのもいいでしょう。
ただし飲み薬の痛み止めは胃を悪くする副作用が出る可能性があります。そうした時に有効なのがタイレノールなどの「アセトアミノフェン」を配合している解熱鎮痛薬がありますが、これらの市販薬は配合量が1回300㎎となっているため十分な鎮痛効果が得られない場合があります。
ですから胃の副作用が気になる人はNSAIDSと合わせてスクラートなどの胃を守る胃薬と一緒に併用するか、短期間の使用に留めるなどの対策を取りましょう。
ただ慢性的な痛みで数カ月湿布を貼っている事が習慣になっている人は長期間痛み止めを飲み続ける事は推奨できませんので短期使用に留めるか湿布を優先しましょう。
NSAIDS潰瘍は服用開始から1カ月でリスクが6~9.5倍に増えますので要注意です。消化性潰瘍診療ガイドライン
ですから痛みがひどい時にだけ飲み薬を短期集中的に用いて、ある程度痛みが落ち着いてきたら光線過敏症のリスクの低い湿布に切りかえる、もしくは一旦薬の使用を中断してみると言った方向転換が必要になってくるでしょう。
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