風邪薬

前立腺肥大症でも安全に使える市販の風邪薬の紹介

 

今回は前立腺肥大症の方でも安心して飲める風邪薬を紹介したいと思います。

前立腺肥大症とはその名の通り前立腺が肥大してしまい尿の出が悪くなったり、尿が出るまでに時間がかかったり、残尿感を感じたりする病気になります。

どうしてこのような症状が起きるのかと言えば、本来尿を出す時は尿道が開き、尿を溜める膀胱がぎゅっと縮むことで尿が排出されるのですが、それが前立腺が肥大してしまったためにうまく行かず、排尿困難や残尿感を感じてしまうんですね。

 

そして風邪薬の成分には尿道が開くのを妨げたり膀胱がぎゅっと縮むのを妨げる、まさに前立腺肥大症の症状を悪化させる副作用を持つ成分を配合しているものがあるんです。

本当は前立腺肥大症の方や、日頃から排尿障害(尿が出にくい)がある人の場合は病院を受診して風邪薬を処方してもらうのが一番ですが、どうしても市販の風邪薬で済ませたい人はぜひ参考にしてみてください。

 

前立腺肥大症に悪い風邪薬の成分

前立腺肥大症の人が使用してはいけない風邪薬の代表的な成分は以下の通りです。

<抗ヒスタミン薬>
クロルフェニラミン
マレイン酸カルビノキサミン
クレマスチンフマル酸
ベラドンナ総アルカロイドなど

 

<咳止めや鼻づまり>
プソイドエフェドリン
コデインなど

 

これらの成分が前立腺肥大症の症状を悪化させてしまいます。

市販の総合風邪薬の大半には「コデイン」が配合されているため要注意です。またプソイドエフェドリンは風邪薬に配合されているものもありますが、鼻炎の薬としても使用されます。

 

また風邪薬ではありませんが胃薬などに配合されている「ロートエキス」なども前立腺肥大症の方は使用できませんので注意が必要です。そしてドリエルなどの寝つきが悪い時に使う薬や酔い止めなどにも「抗ヒスタミン」が配合されていますので注意してください。

 

では前立腺肥大症の人の風邪薬としてはこれらの成分を避けたものを選べばいい話しになるんですが、実は市販の風邪薬のほぼ9割方は前立腺肥大症の方は避けるべき成分を配合していますので、その残りの代表的な1割の薬を紹介していきたいと思います。

 

前立腺肥大症でも飲める市販の風邪薬

桂枝湯

風邪の初期症状に服用すと効果的とされている漢方です。

風邪の漢方と言えば葛根湯をイメージする人も多いかと思いますが、葛根湯には「マオウ」と言った前立腺肥大に影響を及ぼす成分を配合しているためここではおすすめしません。

 

パブロン50

パブロン50は熱とたんと咳に効果のある総合風邪薬となっています。

パブロン50も漢方を配合しており、咳に効く「麦門冬湯」を使用していますので、たんや咳に関しては十分な効果があります。

アセトアミノフェン
グアヤコールスルホン酸カリウム
麦門冬湯乾燥エキス

ただしパブロン50は前立腺肥大症に影響がなく安心して使用する事ができますが、鼻症状や喉の痛みに関しては十分な効果がありませんので風邪の症状に応じては選ばない方が良い場合があります。

 

発熱・喉の痛みがある場合

イブやタイレノールなどの解熱鎮痛剤

もし風邪の症状が発熱・喉の痛みの場合は風邪薬は不要です。

イブは風邪薬ではありませんが「熱」「喉の痛み」「頭痛」「関節痛」に効果を発揮します。

 

喉の痛みがさらに強い場合は「のどぬーる鎮痛カプセル」はイブプロフェンに喉の炎症を抑えるトラネキサム酸も配合しているため、より喉の痛みに効果があるのでおすすめです。

ただしインフルエンザの疑いがある場合や、時期的にインフルエンザに感染している可能性がある場合はこれらの解熱鎮痛剤はライ症候群と言う、けいれんた意識障害を引き起こす可能性がありますので使用は控えるようにしましょう。

ライ症候群は基本的に子供がなるものになりますが、大人でもゼロではありませんので避けた方が無難です。

 

咳がある場合

麦門冬湯

こちらは漢方の咳に効く薬となっています。上でも紹介したパブロン50にも配合されている漢方になります。麦門冬湯は痰の切れにくい咳などにも効果的で、また喘息にも使用されたりする咳止めの漢方です。

基本的に咳のみに効く市販薬は「ジヒドロコデイン」が配合されていますので選択肢がほとんどありません。ですから咳がメインの風邪の場合は麦門冬湯を選ぶか、もしくは「デキストロメトルファン」という咳止め成分は前立腺肥大症に影響を及ぼしませんので、デキストロメトルファン配合の風邪薬を選んでみてください

ただしデキストロメトルファン配合の風邪薬はほぼ他の前立腺肥大症に影響を与える成分を配合していますので実質的には難しいです

 

鼻がある場合

ルル点鼻薬

 

前立腺肥大症の人が安全に使用できる鼻に効く市販薬は基本的にありません。

ただし飲み薬は前立腺肥大症に使えませんが代わりに点鼻液が利用可能になるんです。おまけに点鼻薬は眠気なども大変少なく安全に使用できる点鼻薬となっています。ただし長期の使用は避けて2週間以内に留める様にしましょう。

 

痰がある場合

ストナ去たんカプセル

ストナ去たんカプセルには「カルボシステイン」「ブロムヘキシン」という2種類を配合している痰に効く薬となっています。痰が絡む事で咳を誘発する事にも繋がりますので、痰をしっかり抑える事は咳を抑える事にもなります。

 

尿が出にくい人も市販の風邪薬には注意が必要

もし病院で明確に「前立腺肥大症です」と言われた人や前立腺肥大症の薬を飲んでいる人は、市販の風邪薬を飲む際には十分注意してください。

仮に病院を受診した場合でも医師が前立腺肥大症の症状であることを知らなかったり忘れていたりして、使用は避けるべき風邪薬を処方することもゼロではありませんので、医師や薬剤師に必ず服用しても良い風邪薬かを確認することをおすすめします。

 

また前立腺肥大症の診断を受けていなくても、男性は年を取る事に前立腺肥大症のリスクは高まっていますので、もし日頃から尿が出にくい・残尿感があるという人は前立腺肥大症に影響を与える市販の風邪薬の使用は避けた方がいいでしょう。

 

もしそれらの方で前立腺肥大症に影響のある風邪薬を飲んでしまった場合は絶対に次の服用を止めて、もし膀胱の痛みや残尿感が強い場合は泌尿器科を受診するようにしてください。

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