胃の薬

スクラート胃腸薬とスクラート胃腸薬Sの違いと選び方

 

今回は「スクラート胃腸薬とスクラート胃腸薬Sの違い」について紹介していきたいと思います。

名前はSが付いているか否かだけの違いですが、実は効果が異なります。

ですから「どちらの方が自分の胃の症状に合っているのか」「どちらを選べばいいのか」など気になる方はぜひ参考にしてみてください。

ちなみにパッケージの文字が

青がスクラート胃腸薬

緑色がスクラート胃腸薬Sになります。

 

スクラートは錠剤と散剤タイプがあるので注意

まず最初に注意点なんですが、スクラート胃腸薬もスクラート胃腸薬Sもそれぞれ「錠剤」「散剤」タイプがありますが注意が必要です。

なぜ注意が必要かと言いますと、スクラート胃腸薬Sの方は錠剤でも散剤でも配合している成分や配合量は全く同じですが、スクラート胃腸薬の方は錠剤と散剤では配合している成分も配合量も異なっているのです。

 

スクラート胃腸薬は錠剤を選ぶ方がいいかも

ではスクラート胃腸薬は錠剤と散剤どちらを選べばいいのかという話しになりますが、この場合は迷わず錠剤タイプを選びましょう。

 

確かに錠剤タイプは1回に3錠飲むのに対し、散剤は1包で済むことから「散剤の方が飲みやすい」という人も多いでしょうが、実は錠剤タイプの方が配合成分が優遇されてしかも値段は同じというかなりお得なタイプが錠剤タイプなんです。

具体的には炭水化物を分解する「ジサスメンSS」、脂質を分解する「リパーゼAP6」が配合されています。

これらの成分が配合されていて特に害になる事もありませんので、スクラート胃腸薬の錠剤か散剤か迷っている人は迷わず錠剤タイプを選びましょう。

※一方のスクラート胃腸薬Sはどちらでも構いません。こちらは錠剤でも散剤でも値段も効果も変わりません。

 

スクラート胃腸薬とスクラート胃腸薬Sの違い

配合成分の違い

<スクラート胃腸薬(錠剤)>

スクラルファート水和物:1500mg
アズレンスルホン酸ナトリウム:6mg
L-グルタミン:400mg
ロートエキス3倍散:90mg
炭酸水素ナトリウム:450mg
合成ヒドロタルサイト:600mg
ジアスメンSS:60mg
リパーゼAP6:60mg

スクラート胃腸薬の特徴としては胃を保護する作用の「アズレンスルホン酸」「L-グルタミン」を配合している点と胃痛に効く「ロートエキス」を配合しているのがスクラート胃腸薬Sとの大きな違いと言えます。

 

<スクラート胃腸薬(顆粒)>

スクラルファート水和物:1500mg
アズレンスルホン酸ナトリウム:6mg
L-グルタミン:400mg
ロートエキス:30mg
ケイ酸アルミン酸マグネシウム:1125mg
合成ヒドロタルサイト:270mg

顆粒には消化酵素が入っていません。

 

<スクラート胃腸薬S>

スクラルファート水和物1500mg
炭酸水素ナトリウム600mg
合成ヒドロタルサイト480mg
ビオヂアスターゼ2000 30mg
リパーゼAP12 30mg
ウイキョウ60mg
ウコン60mg
ケイヒ300mg
ゲンチアナ30mg
サンショウ30mg
ショウキョウ120
チョウジ120

スクラート胃腸薬Sの特徴としては胃の働きを活発にする「健胃成分」にかなり力を入れている点。スクラート胃腸薬と比べて配合成分が多いのたこの健胃成分の生薬の種類が多いのがポイントとなります。また消化酵素を配合しているのもポイントです。こちらは逆にロートエキスを配合していないため緑内障や前立腺肥大症の方にも使用可能になります。

 

価格の比較

<スクラート胃腸薬>

970円(36錠・12包)

1980円(102錠・34包)

<スクラート胃腸薬S>

950円(36錠・12包)

1980円(102錠・34包)

 

価格は基本的に同じです。

ただし実際の店頭での販売価格が異なるため値段はしっかり確認しましょう。

 

スクラート胃腸薬の選び方

スクラート胃腸薬は共に胃を保護する作用の強い「スクラルファート」を配合しています。よって食べ過ぎや飲み過ぎて荒れた胃を守る働きに関してはどちらもしっかり効果を発揮します。

ではそれ以外の配合成分からよりおすすめの症状を紹介します。

 

まず胃もたれや胃の不快症状が続く、食欲がないと言った症状が強い場合にはスクラート胃腸薬Sの方がいいでしょう。

理由としては「消化酵素」および「健胃成分」がスクラート胃腸薬Sに配合されているからになります。

 

スクラート胃腸薬Sには食べ物の消化を助ける成分が2種類「ビオヂアスターゼ」「リパーゼP」が配合されています。この2に働きにより脂肪・炭水化物・タンパク質を分解する事が可能になり、食べ物の消化を助ける事ができます。

またスクラート胃腸薬Sには「健胃成分」と言って多くの胃腸の働きを活発にしてくれる生薬が配合されていますので、これによって胃腸の働きを助け、食べ過ぎによる胃腸の働きの停滞を改善してくれる効果もあります。

 

ではスクラート胃腸薬はどの様な症状により優れているのかと言いますと、こちらは胃を保護する働きに特化した作りになっています。胃を保護する作用は市販薬トップクラスである事は間違いありません。

ですからスクラート胃腸薬は胃痛や胃が荒れている感じが強い場合により効果を発揮するでしょう

ただし上でも紹介しましたがスクラート自体に「スクラルファート」が配合しているため、スクラート胃腸薬Sは胃を保護する作用が弱いかと言えば決してそのようなことはありません。

 

ちなみに錠剤も散剤も飲むのが苦手という人には水なしでも飲める液体タイプのスクラート胃腸薬Gという薬もあります。

こちらは成分としては他のスクラート胃腸薬同様に「スクラルファート」を配合して、その他にも数種類の成分を配合していますが、はっきり言ってスクラルファート以外は特徴的な成分は配合されていません。ですから水なしで飲みたい液体タイプがいい人だけ選ぶ方がいいかもしれません。

ちなみにCM等で胃酸が逆流してくる「逆流性食道炎」に効くようなイメージを持たせていますが、逆流性食道炎にはおすすめしません。

スクラート胃腸薬を飲むタイミング

スクラート胃腸薬は食間や就寝前に使用するようになっています

ちなみに「食間」と言うのは食後2時間後の事です。なぜスクラート胃腸薬は食後でないのかと言えば、スクラートのメイン成分「スクラルファート」「アズレンスルホン酸」が関係してきます。

 

これらの成分は傷ついた胃の患部に直接べったりくっつく事によって、傷の修復作用を行います。しかし、もし食べ物が胃の中にあった場合は薬が胃に直接作用する事が出来ずに、食べ物に邪魔されてしまうんです。ですから食間や就寝前に使用する様になっているんですね。

「間違えて食後に飲んでしまった」という方は、再度食間に飲み直す事はせずにそのまま経過を見ましょう。効果がゼロになるという事はありませんので安心してください。

※薬の接客で悩んでいる人は絶対に読んでください

日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。

この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。

「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。

現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。

もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。

誰も教えてくれない市販薬の参考書