今回は市販のあせもの薬で「ステロイドが入っていない薬」を紹介したいと思います。
もちろんあせもにステロイドの薬を選択することは決して悪いことではありません。しかしあせもの症状がそこまでひどくない場合や子供が使用するのでステロイドが入っていない方がいいという方もいますよね。
ステロイドは適切に使用すれば症状を長引かせる事もなく改善に向かうことができ、子供だからと使用すべきでないと一律に考える必要はありませんが、症状の程度や個人の意志からステロイドを使用したくない場合はステロイド非配合の薬を選択するケースもあると思います。
そんな時のためにステロイド非配合のあせもの薬の選び方を紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
ステロイドなしのあせもの薬は似た成分
市販のあせもの薬ですが基本的にこの3種類の組み合わせになっています。
・かゆみどめ ・抗炎症 ・殺菌
実際によくある虫刺されなどの皮膚症状によく使用される成分と同じです。
かゆみ→ジフェンヒドラミン、リドカインなど
炎症→グリチルリチン酸、酸化亜鉛
殺菌→塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールなど
あえてあせもの薬の中で特徴的な成分を挙げるとするならば「酸化亜鉛」です。酸化亜鉛は過剰な水分を吸収し乾燥する働きや炎症を抑える働きがありますので、あせもにピッタリな成分といえます。
また成分ではありませんがあせもの薬の特徴として軟膏タイプ以外にもローションや液体やスプレータイプが多いことが挙げられます。
というのもあせもができる部位は当然ですが汗をかきやすい部位です。すると軟膏タイプは患部にしっかり浸透し落ちにくいのがメリットになりますが、その分べたつきが気になることも多く使用感としてはあまりよくありません。
ですからあせもの薬は使用感のいいローションや液体タイプ、そして背中にも自分で広範囲に使用できるスプレータイプが人気なんですね。
おすすめのステロイド非配合のあせもの薬
では実際に市販のあせもの薬でおすすめな薬を紹介していきます。
・アセモアパウダースプレー
こちらはパウダースプレータイプになっているあせもの薬です。
例えば大人の方で背中に薬を塗るのが難しい人、塗る範囲が広い人にとってはスプレーするだけでよく機能性が高い薬になっています。また酸化亜鉛を配合し、おまけにパウダースプレーになっていますので、汗をダラダラかく自覚がある人にとってぴったりな薬になると思います。
<アセモアパウダースプレーの成分>
ジフェンヒドラミン:0.1g
リドカイン:0.2g
塩化ベンゼトニウム:0.01g
酸化亜鉛:1.0g
タクトL
こちらはゲルの塗り薬となっています。
市販のステロイド非配合のあせもの中でタクトLはかなりモリモリな成分量になっています。成分量だけで言えばトップクラスです。
ちなみにタクトLにはタクトホワイトLも発売されており、配合成分に大きな違いはありませんが、酸化亜鉛とジフェンヒドラミンの配合量がタクトLの方が多くまた皮膚修復作用のあるトコフェロール酢酸エステルも配合しているためよりおすすめといえるでしょう。
<タクトLの成分>
リドカイン・・・0.5g
ジフェンヒドラミン塩酸塩・・・2g
グリチルリチン酸二カリウム・・・0.5g
イソプロピルメチルフェノール・・・0.1g
酸化亜鉛・・・5g
トコフェロール酢酸エステル・・・2g
タクトはさらにタクトローションも発売されています。こちらは酸化亜鉛が配合されておらず、「テシットデシチン」というあまり使用されない局所麻酔成分が配合されている以外は特に特徴のないシンプルなあせものローションです。
<タクトローションの成分>
グリチルリチン酸二カリウム:0.5g
塩酸ジフェンヒドラミン:1.0g
テシットデシチン:1.0g
アラントイン・0.2g
イソプロピルメチルフェノール:0.1g
ココ
こちらはローションタイプの薬です。シンプルな作りになっています。
<ココの成分>
ジフェンヒドラミン・・・1g
イソプロピルメチルフェノール・・・0.05g
dl-カンフル・・・1g
酸化亜鉛・・・8g
市販のあせもの薬は使用用途も視野に
繰り返しになりますがあせもの薬は特に大きな成分の違いというのはありません。ですからはっきり言ってあせもの薬は効き目が劇的に違うということはありません。
それよりむしろ「ピンポイントで塗りたいからゲルタイプ」と言った使用目的であったり「手を汚したくないからローションタイプ」と言った様などのタイプが自分の用途にあっているのかを考えて選択してみてください。
またあせもの薬はあせもだけでなく虫刺されなどの皮膚症状にも効果がある薬になりますので、そこまで使用することを考えて選択するのもいいと思います。
例えば今回おすすめとして紹介した薬にはほとんど「酸化亜鉛」が含まれていますが、酸化亜鉛は水分を吸収してくれる代わりに「適さない症状」があります。と言うのもジュクジュクした傷口から液体が出てくる時がありこれを滲出液といいますが、この滲出液は傷の治りを助けてくれるものになります。
しかしこれを酸化亜鉛の作用で取り除いてしまうと傷の治りが遅くなってしまうケースもあるんです。
ですからもしあせも以外に使用する可能性がある場合には酸化亜鉛が含まれないあせもの薬を選択する方が広い用途で使用できると思います。
また冒頭でも触れましたがあせもの症状が強めの場合にはステロイドを使用するのも選択肢になります。市販の薬は5段階のうち下から3つ目の強さのステロイドしか配合していませんので、適切に使用すれば危険ということもありません。ですから症状に応じてはステロイドもぜひ選択肢に入れてみてください。
詳しくはこちらも参考にしてみてください。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。