夏場、気が付いたらあせもができていたことありませんか?
あせもは子供ができるものと思いがちですが、最近の日本の猛暑のせいか「大人のあせも」も増えているんです。
そこで今回は大人にも子供にも使えるあせもに効くおすすめな市販薬を紹介します。
ネット上ではあせもに効く薬をランキング化したり、多くのサイトがあせもを紹介していますが、中には正直効果がいまひとつの薬もありますので、ここでは本当におすすめできるあせもに効く市販薬を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
あせもの薬を使う前に
あせもの原因とあせもの種類
あせもとの原因は当たり前ですが汗が原因となっています。あせもの病名を漢字で書けば「汗疹」と、まさに汗で起こる皮膚の湿疹ということになります。
ではどうしてあせもになるのかと言いますと、汗をかきすぎた結果汗が外に出る事ができないのが大きな原因です。
汗は「汗管」という管を通って皮膚の深い部分から表面に現れます。しかし汗を大量にかいてしまうとその管が詰まってしまいます。すると行き場をなくした汗は周りの皮膚組織に漏れ出てしまうのです。その汗が皮膚組織に悪い影響を与え結果、炎症を起こし痒みを伴い、赤いぶつぶつなどを発症させてしまいます。
そしてあせもには3つの型があり、どの皮膚の位置で汗管がふさがれたかによって変わってきます。
水晶様汗疹(角質)
・・水ぶくれが特徴
紅色汗疹(表皮)
・・赤いぶつぶつができ痒みを伴う
深在性汗疹(真皮)
・・皮膚が隆起し汗をかけなくなる
皮膚は
角質⇒表皮⇒真皮
の順に深くなっています。
そしてあせもはより深い皮膚で起きるほど深刻になります。例えば一番皮膚の深い所で起きるあせもは「深在性汗疹」になりますが、深在性汗疹は汗をかくことができなくなるため体温調整がうまくいかない場合があります。
ただし深在性汗疹は気温が高い地域(熱帯地域など)で作業をして長時間高温にさらされる人がなるものなので日本人がなることはまれです。
ですから基本的には水晶様汗疹・紅色汗疹がメインとなります。しかし水晶様汗疹は白いぶつぶつができるだけで、痒みを伴ったりすることもないので特別に治療する必要性はありません。
よって一般的なあせも治療のメインは紅色汗疹となります。
あせもの薬を選ぶ前にあせもかどうか確認する
あせもの薬を選ぶ前にそれが本当にあせもなのか確認しましょう。
例えばあせもの特徴として水ぶくれや赤いぶつぶつや痒みなどがありますが、これがもし汗のかきやすい所、例えば
頭、首回り、脇、胸の下、ひじの内側、足のつけ根、お尻
などにできていればあせもの可能性が高いでしょう。
逆にそれ以外にもできる場合はあせも以外の病気を疑う必要があります。
そして今回紹介する薬を使用しても症状の改善が見られない場合は、菌の感染などの他の病気の可能性も高いため、その様な時は薬の使用をやめて一度皮膚科を受診するようにしてください。
その際にもし病院で貰っている薬や市販薬を使用している人は、薬の副作用の可能性もありますので、その使用している薬を医師に必ず伝えるようにしてください。
あせもに効くおすすめの市販薬
あせもは皮膚が炎症を起こしている状態となります。ですから薬で皮膚の炎症を抑えてあげればいいという事になります。
そんなあせもの治療の基本は「ステロイド」になります。
ステロイドは炎症を強く抑える成分であるため、あせもを治療するのにかなり効果的な成分になるんです。
薬には軟膏タイプやクリームタイプがありますが、あせもに関しては液体タイプかローションタイプがおすすめです。
理由としてはあせもは広い範囲にできる事が多く、また背中に塗る事も多いため、薬の塗りやすさを考えた場合に液体・ローションタイプがおすすめとなるんです。
ただし既に掻き壊していたり傷になってしまっている場合は染みる事があるためその場合は刺激の少ない軟膏タイプがいいでしょう。
そして液体・ローションタイプにはメントールなどの爽快感が高い成分も配合されてある事が多いのも特徴になります。
そこで今回は液体・ローションタイプをメインに紹介します。
コスパ最強の液体ムヒS2
液体ムヒS2があせもにおすすめの理由は以下になります。
・メジャーな薬でどこでも買える
・たっぷり入って値段が安い
・皮膚の薄い部位にも使える
理由としては液体ムヒS2は非常にメジャーな薬であるため、いざドラッグストアに買いに行こうと思ってもまず売っています。当然ながら薬剤師がいなくても購入できます。そして値段が安いのもメリット。50mlも入って1000円以下で余裕で買えます。
またステロイド配合の薬になりますが、液体ムヒS2のステロイドはステロイドの中でも最も弱いランクの強さになります。
あせもができやすい部分は首回りや肘の内側などの「皮膚が薄い部位」にできる事も多いですが、この場合は強いステロイドは薬が吸収されやすくなってしまうため使用不可となります。ところが液体ムヒS2はそれらの皮膚の薄い部位にも使用可能であり子供でも使用できる薬となっているんです。
「弱いから効かないのでは?」と思うかもしれませんが、それでも十分ステロイド以外の薬と比べて炎症・かゆみを抑える強さは強力です。おまけにかゆみを抑える成分や炎症を抑える成分もステロイドとは別に配合され、爽快感がある成分も配合されているためあせもにピッタリな薬となります。
<液体ムヒS2の成分>
デキサメタゾン酢酸エステル
ジフェンヒドラミン塩酸塩
L-メントール
dL-カンフル
グリチルレチン酸
イソプロピルメチルフェノール
液体ムヒS2よりワンランク上の強さの薬2種類
もし上で紹介した液体ムヒS2が効かない場合や、あせもの症状がひどい場合は以下の2つのどちらかを試してみてください。それは液体ムヒアルファEXもしくは液体アセムヒEXです。
ではなぜ液体ムヒアルファEXとアセムヒをすすめるのかと言いますと、この2種類は液体ムヒS2よりもワンランク強いステロイドを配合しているためです。ただしステロイドの強さが強くなったとしても、首回りなどの皮膚が薄い部分にも使用可能です。当然子供も使用できます。
あせものかゆみや痛みを抑えるにはステロイドの強さが最も顕著に影響を与えますので、この液体ムヒアルファEXやアセムヒがおすすめとなります。
<液体ムヒアルファEX>
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)
ジフェンヒドラミン塩酸塩
L-メントール
dL-カンフル
イソプロピルメチルフェノール
<液体アセムヒEX>
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)
ジフェンヒドラミン塩酸塩
L-メントール
タンニン酸
ちなみに液体アセムヒEXは「タンニン酸」と言う汗が皮膚の侵入を防ぎ皮膚を保護する効果の成分を配合しているのが特徴的です。CM等では「汗かぶれ」として販売されていますがあせもにも十分推奨できる薬になります。
搔き壊して傷になっている場合
もしかゆみがひどく掻いてしまった結果、傷になっている状態の場合に液体やローションタイプの塗り薬は染みて刺激を感じてしまう可能性があります。
そんな時は軟膏タイプが推奨できますが具体的にはテラコートリル軟膏が推奨できます。こちらは弱めのステロイドに加えて抗菌薬も配合されているシンプルな作りになりますが余計な成分を配合しておらず、なおかつステロイド配合なのであせもにも有効になります。
何より軟膏タイプなので刺激も低刺激。搔き壊してしまったあせもに最適な塗り薬と言えるでしょう。
あせもに効く薬はあせも以外にも使える
今回紹介した薬はあせも以外にも使用可能です。
例えば虫刺されにも十分効果を発揮しますし、比較的強めの炎症にも効果を示します。理由はやはりステロイドが配合されている点が大きいです。
しかし一方で確かにステロイドは強力な効き目を実感できるかもしれませんが、長期で続けて使用するには適していません。
ですからどれだけ長くても1カ月以内の使用に留め、症状が軽くなったらステロイド非配合の薬に切り替えるなどしましょう。
あせもに効く市販薬ランキング上位の薬は効くのか
ネットを検索すると「あせもの薬ランキング」がヒットしますが、その効果が本当か否か気になる人も多いですよね。
そこでここでは実際にランキング上位の薬があせもに効くのか解説していきます。具体的には以下の薬になります。
メンタームペンソールA
オイラックスPZリペア軟膏
あせもローション桃の葉
メンタームペンソールAはステロイド非配合でおすすめ
メンタームペンソールAはもしステロイドが配合されていない方がいい人におすすめのあせもの塗り薬となっています。ランキング上位の理由も納得です。
かゆみに効く成分を2種類「ジフェンヒドラミン」「ジブカイン」、炎症を抑える「グリチルリチン酸」、皮膚の修復を助ける「アラントイン」、殺菌作用のある「ベンゼトニウム」を配合しています。
まさにあせもに効果的な成分をピンポイントで選んだ様な薬となっています。
ステロイドは使いたくないけど効果の高い薬を使いたい時に選択肢になるでしょう。ただせっかくあせもに特化した塗り薬を選ぶのであれば「酸化亜鉛」は過剰な水分を吸収し乾燥させてくれる働きがあるため、酸化亜鉛配合の塗り薬が推奨できます。
詳しくはこちらも参考にしてみてください。
オイラックスPZリペア軟膏も価格がネック
オイラックスPZリペア軟膏は液体ムヒアルファEXとほぼ同じ効果を発揮します。もちろん配合されているステロイドも同じです。
しかしオイラックスPZリペア軟膏の価格は5gで980円、10gで1800円となっています。
これはエンクロンローションEXよりも高い価格になっているため、効果が同じならば液体ムヒアルファEXの方がおすすめとなります。
あせもローション桃の葉
あせもローション桃の葉はステロイドを配合していませんが、他の非ステロイド配合の薬とは一風変わった作りとなっています。
その理由としては「レゾルシン」や「桃の葉・キョウニンの浸出液」などの他のあせもの薬には配合されていないような成分を配合しているためです。これらの成分はかゆみや炎症、殺菌効果がある薬となっており、これらの成分を配合してある市販のあせもの薬は珍しいです。
ただしあせもへの効果としてはステロイドを配合している薬には及びませんので、もしあせもへの効果を重視するならばおすすめしません。それに同じステロイド非配合ならばメンタームペンソールAの方をおすすめします。
あせもは予防が大切
あせもで一番大切なことは予防です。
汗をかいたらシャワーを浴びたり、濡らして固く絞ったタオルで拭くようにしたり、保湿剤を塗るなどスキンケアが一番になります。
またあせもとニオイの関係にも注意が必要です。
もちろん薬を使用しながらも、できるだけ肌のケアには気を付ける様にしましょう。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。