肝斑はシミの一種であり、特徴としては顔面にできる褐色、淡褐色のシミで30~40代に多くホルモンバランスが影響している等の特徴があります。
そして「肝斑かも」と感じた人は色々探した結果「トラネキサム酸」にたどり着いた人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は肝斑に対するトラネキサム酸の効果を紹介したいと思います。
もし黒ずみでトラネキサム酸の使用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
肝斑のトラネキサム酸の効果
ではそんな肝斑に対して今回は飲み薬のトラネキサム酸の効果を紹介していきたいと思います。
トラネキサム酸は肝斑に効く
実際にトラネキサム酸の服用は肝斑の黒ずみケアとして効果が立証されています。
例えばこの様な論文があります。
561人(女性91.4%、男性8.6%)の肝斑の対象者にトラネキサム酸を服用してもらい大多数(503 [89.7%])は改善し、56人(10.0%)は改善せずそして2人(0.4%)は悪化したという結果になりました。改善した503人のうちトラネキサム酸の服用開始から2か月以内に反応が見られ再発率は27.2%でした。PMID: 27206758
また別の研究では667人を対象とした研究において肝斑においてトラネキサム酸の内服を行った人とそうでない人を比較した時、肝斑面積・重症度指数の改善が見られたとの報告もあります。PMID: 27762489
そのほかにもトラネキサム酸の肝斑に効果がある報告は複数されています。
まりトラネキサム酸の服用によって肝斑の改善の可能性を考えると適切なのではないかと考えられます。
トラネキサム酸はどの位の量を飲むべきか
では一体トラネキサム酸はどの位の量を飲めばいいのでしょうか。沢山の量を飲んだ方がより効き目も高いのでしょうか。
実は必要なトラネキサム酸の量に関しては多ければ効果が高いというわけではなく、多量を飲んでも実際は大した差はないとされています。
重度の肝斑患者に1日あたり500mg、750mg、1,000mg、または1,500mgのトラネキサム酸を投与しました。結果として臨床写真は、トラネキサム酸は4つの用量すべてが肝斑の治療に有効であり、その有効性が治療時間および投与量と相関することを示しましたが4つの用量間で重症度指数やメラニン指数に有意差はありませんでした。
つまり1日当たりに飲むトラネキサム酸の量は500㎎も1500㎎も確かに効果があり、そして仮に量が3倍になったとしても差はなかったとされています。市販化されている薬でも十分カバーできる量になります。
トラネキサム酸はどの位の期間飲むべきか
ではトラネキサム酸を飲む期間ですが、上でも紹介した研究によると2カ月から効果が見られるという点。またトラネキサム酸の効果を判定する研究はほとんどが3カ月を基準に効果判定していますので、2~3カ月を目途にトラネキサム酸の服用を続けることをおすすめします。
逆を言えば飲んで1~2週間で効果が現れる可能性は高くありませんのである程度根気強く服用を続ける必要性があります。
トラネキサム酸を使う前に注意すべき事
トラネキサム酸は比較的安全性の高い医薬品のため過度に気にする必要はありませんが、それでも服用する際に注意が必要なことが何点かありますので紹介していきます。
風邪薬と併用するときには注意する
市販の風邪薬の中にはトラネキサム酸が配合されている風邪薬が発売されています。例えばルルアタックEXなどが有名です。これはトラネキサム酸は喉の痛みにも効果を発揮するため実際に医療機関でも風邪の時によく使用される方法になります。
ですからもし日頃からトラネキサム酸を飲みつつ風邪薬の服用も考える場合にはトラネキサム酸が配合されていない風邪薬を選ぶようにしましょう。
ピルとの服用は避ける
トラネキサム酸は低用量ピルとの併用が米国では禁忌とされています。
これはトラネキサム酸と低用量ピルの服用によって身体に血栓ができてしまう可能性や脳卒中、心臓発作のリスクが高まるためです。「日本ではないので関係ない」と思わずに、もし低用量ピルを服用する際には必ず医師に相談するようにしてください。
トラネキサム酸自体に血栓を作るリスクがあります。通常問題になることはほぼありませんが、脳梗塞や心筋梗塞などの血液系の疾患がある人は避けるようにしてください。
市販のトラネキサム酸の内服はトランシーノⅡ
現在日本で市販されているトラネキサム酸はトランシーノⅡになります。配合されているトラネキサム酸の量も1日あたり750㎎と問題ありません。またトランシーノⅡにはビタミンCとB6まで配合されており、ご丁寧に8週間分(240錠入り)も発売されていますので、選ぶとするならばトランシーノⅡにしかありません。
他にトラネキサム酸を手に入れる方法は皮膚科を受診してもらうしかありません。
ちなみにトランシーノⅡはビタミン類も配合されていますが、その有効性は公式HPでは以下の様に記載されています。
色素沈着改善度は、2週後、4週後、6週後、8週後での改善率※(やや改善以上)29.5%、62.6%、73.7%、85.2%と推移しました。また、著明改善例及び改善例も2週後から確認でき、8週後まで経時的に上昇しました。トランシーノⅡHP
「やや改善」以上を見ているため高い改善率になりますが、そこそこの有効性です。少なくともトラネキサム酸はしっかり配合されていますので問題はありません。
そしてトランシーノⅡは第1類医薬品に分類されていますので薬剤師のいるお店かネットでしか購入できませんので注意しましょう。
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