解熱鎮痛剤

最強の市販の痛み止めの選び方を紹介!

 

「一番強い痛み止めが欲しい」「今すぐに痛みを抑えたい」と言ってもどの市販薬を選べばいいのか迷ってしまいますよね。

ネット上の痛み止めに関する口コミを見てみても「ロキソニンがやっぱり最強」と言う人もいれば「私はイブの方がロキソニンよりも効く」「値段も高いイブクイック頭痛薬DXがいい」と言う様々な痛み止めに対する口コミがあります。

 

もちろん個人が一番効く薬を使うのがベストである事は言うまでもありませんし、それを使う事に対して他人の意見は関係ないと思います。

ただ中にはどの痛み止めも中々効果が感じられなかったり、そもそも選ぶ基準が全くお手上げ状態の人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は自分にあった最も効き目の高い市販の痛み止めの選び方を紹介したいと思います。もし市販薬の中で痛み止め、それも最強と思える痛み止めを探したい場合はぜひ参考にしてみてください。

 

どの痛み止めがベストなのかは決めれない

まず最初に確認しないといけないことはどの痛み止めが最も効き目が高いのかは立証されていないと言うことです。

つまり身も蓋もない事を言ってしまえばあなた次第と言うことです。

 

そもそも日本ではメジャーな痛み止めであるロキソニンは欧州や米国ではあまり使用されておらず、同じく人気のあるイブとの効果を比較した研究などがほぼ皆無であるため単純に痛み止め成分によって序列を付けることが困難になっています。

もちろん一般的にアセトアミノフェンよりもイブやロキソニンなどのいわゆる「NSAIDS」と呼ばれるタイプの痛み止めの方が効き目が高い事は立証されていますが、市販薬によくある「イブ+アセトアミノフェン」は「純粋なイブ」と比べてどの位効き目がアップするのか等は全く分からず、少なくとも個人的な感想次第と言う結論になってしまいます。

 

市販薬の痛み止めでベストな痛み止めを探す方法

ただ個人的な感想次第な痛み止めの中でも、ある程度強い痛み止めは決まっています。いわば「最強の鎮痛薬グループ」があるんです。

 

そこでここではその最強の鎮痛薬グループの中で特におすすめの痛み止めを紹介します。

分類としては以下の3つに分けて紹介していきます。

イブプロフェンがメイン

イブプロフェンとプラス1種類配合

ロキソプロフェンがベース

 

イブプロフェンをメインとした痛み止めグループ

〇イブクイック頭痛薬DX

イブプロフェン・・・200mg
酸化マグネシウム・・・100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素・・・60mg
無水カフェイン・・・80mg

イブクイック頭痛薬DXはメインとする鎮痛成分にイブプロフェンを配合しています。そして鎮痛成分はイブプロフェンしか配合していません。ただし配合されているイブプロフェンの量は市販薬の中で最高量の200㎎を配合しています。また鎮痛効果を高める「即効性があるイブプロフェン」「カフェイン配合」と言うのもポイントです。

 

ただし1日に2回までしか服用できないのが欠点となってしまいます。また眠くなる副作用も出てしまいます。

ですからもし1日3回絶対に飲みたいという人や眠気が出て困ると言う人はリングルアイビーα200ナロンメディカルを選ぶようにしましょう。こちらはイブプロフェンを200㎎配合しながら1日3回まで服用することが可能となります。

 

イブプロフェンとプラス1種類配合した痛み止め

〇バファリンプレミアムDX

イブプロフェン・・160mg
アセトアミノフェン・・160mg
無水カフェイン・・50mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル・・70mg

 

〇ナロンエースプレミアム

エテンザミド・・500mg
イブプロフェン・・150mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル・・50mg

 

バファリンプレミアムDXは2021年8月に発売された薬になり、従来のイブプロフェン・アセトアミノフェンよりも配合量が増えたタイプとなります。

そしてナロンエースプレミアムはイブプロフェンにエテンザミドが配合されたタイプとなっており、しかもエテンザミドが市販薬の最大量の500㎎配合しているのが特徴的です。

そしてこの2つは眠くなる成分が配合されていないのもポイントです。

 

ロキソプロフェンを配合した痛み止め

〇ロキソニンS

ロキソニンSは成分に「ロキソプロフェン」を配合している鎮痛薬になります。

 

<ロキソニンSの成分>

ロキソプロフェンナトリウム水和物・・68.1mg(無水物として60mg)

ロキソニンSプレミアムと言うタイプも発売されていますが、こちらは実質的な鎮痛効果はただのロキソニンと変わりませんし眠気の副作用も出てしまいます。カフェインが配合されている分ロキソニンSプレミアムの方が鎮痛効果は高い可能性がありますが、値段を考えると普通のロキソニンSがオススメです。

 

またロキソニンSにはいわゆるジェネリック医薬品の様な立ち位置である市販薬も発売されています。例えばロキソプロフェン「クニヒロ」などが該当します。ですから値段を考えるならばぜひロキソニンSの値段の安い方を選んでみてはいかがでしょうか。当然ながら鎮痛成分のロキソプロフェンの量も種類も同じになります。

今回紹介した中でロキソニンを配合している薬だけ第1類医薬品に分類されています。つまり薬剤師がいるお店やネットでしか購入することができませんので注意しましょう。

 

市販の痛み止めの効き目を高める方法

頭痛にはカフェインをプラス

もし頭痛に対して痛み止めを使用する場合にはカフェインがプラスされた痛み止めがおすすめです。と言うのも鎮痛薬とカフェインを一緒に服用することでさらに強い鎮痛効果を発揮することができるからです。

19件の研究でイブプロフェンやアセトアミノフェンと100~130㎎のカフェインを一緒に服用した結果、術後の歯の痛み、産後の痛み、および頭痛に対して約5%から10%以上の人から良好なレベルの痛みの軽減を達成したという報告があります。PMID: 22419343

 

また別の研究では片頭痛や緊張型頭痛に対して痛み止め単独で服用するよりも、カフェインをプラスしたアセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、およびイブプロフェンでは痛みが優位に改善したという報告もあります。PMID: 29067618

 

ただここで気を付けるのがカフェインの量です。

今回紹介した痛み止めの中にもカフェインがすでに配合されている痛み止めはありますが、いずれもカフェインの量は50㎎になっています。しかし論文で有効性が示されているカフェインの量のは100~130㎎となっているため、カフェイン配合の痛み止めだけでは若干カフェインが足りてない場合があります。

ですからもしカフェインをプラスする場合は1回のカフェイン摂取量を100~130㎎を目安にするのもいいでしょう。ちなみにコーヒー100mlがカフェイン約50㎎になりますので調整して服用してください。

カフェインの摂取は健康な成人で1日に400㎎以下が目安となっています。過度なカフェイン摂取は鎮痛効果を高くするわけではありませんし、吐き気やめまいなどのカフェイン中毒の原因にもなってしまいますので適量を守るようにしましょう。食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A

 

即効性重視ならばイブクイック頭痛薬かロキソニン

即効性を求めるならばイブクイック頭痛薬かロキソニンをおすすめします。

どうしてただのイブでないのかと言えばイブクイック頭痛薬には「酸化マグネシウム」が配合されているからです。イブクイック頭痛薬は酸化マグネシウムを利用した独自の製法で鎮痛成分のイブが早く溶けて早く効き目を発揮する事を可能とした鎮痛薬になっており、効き目のピークが47分とかなり早い痛み止めになっているからです。

一方のロキソニンSはそもそも即効性が高い痛み止めであるため、単独でも十分早い効き目が実感できます。

さらに詳しくはこちらも参考にしてみてください。

イブクイック頭痛薬が即効性の高い鎮痛薬の理由
すぐ効く痛み止めを選ぶならイブクイック頭痛薬かロキソニンSがいい 「頭痛・生理痛を1分でも早く抑えたい」「少しでも早く効く痛み止めが欲しい」と即効性の高い痛み止めを求める人も多いのではないでしょ...

 

生理痛の下腹部の痛みの時にはブスコパンをプラス

もし痛み止めを使用する目的が生理痛の場合で、なおかつ下腹部の痛みや下痢がある場合には痛み止めにブスコパンと言う薬をプラスしましょう

このブスコパンとは過度な子宮の収縮を防ぐことや過度な腸の働きを抑える働きがあるために痛み止めにプラスして服用することで下腹部の痛みや下痢を抑えることが可能になるんです。

すでにイブプロフェンとブスコパンが配合されているエルペインコーワと言う薬も発売されていますがもし「ロキソニンの方が私は効く」「バファリンルナiをいつも使っている」と言う人はこれらの痛み止めにブスコパンを追加してみてはいかがでしょうか。

 

市販の痛み止めを使う際に注意すべきこと

今回紹介してきた痛み止めは市販の痛み止めの中でも最強に位置するグループです。

そして繰り返しになりますが、この中でどれが一番効き目が高いかは個人差によるためどれがベストかは分かりません。ですから自分でこの最強鎮痛薬グループの中から自分にあった痛み止めを探してみてください。

 

ただし注意点があります。

それは痛み止めはあくまでも痛みを軽くしてくれているだけであって根本的な原因を取り除いているわけではないという事です。

 

例えば今回紹介した痛み止めは歯の痛みにも効果を発揮しますが、痛み止めを飲み続けて歯の痛みを抑え続けても根本的な歯の症状は改善されることなく悪化してしまう可能性もあります。

また「頭痛だと思って痛み止めを使っていたら脳梗塞だった」と言うケースも決して珍しい話しではありません。

 

ですから痛み止めの効果に頼って根本的な治療を疎かにしては絶対ダメで、またいつもと違う痛みや我慢できない痛みの場合にはなにか重大な疾患が隠れている可能性もありますので、その場合はなるべく早く病院を受診するように心がけてください。

※薬の接客で悩んでいる人は絶対に読んでください

日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。

この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。

「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。

現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。

もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。

誰も教えてくれない市販薬の参考書