市販の風邪薬は非常に多くの種類があります。
薬を扱っている側の人間でもすべての風邪薬と成分を覚えている人はそうそういないのではないでしょうか。ただ市販の風邪薬で選ぶべきものと言うのはある程度決まっているんです。
そこで今回はそんな多くの市販の風邪薬の中から個人的におすすめできる風邪薬を理由を併せて紹介したいと思います。
もし風邪薬の選び方で迷ってしまう人はぜひ参考にしてみてください。
目次
市販の効果の高い風邪薬を選ぶ基準
市販の風邪薬は多くありますが実は大半がかなり似通った成分で成り立っています。
そして「この成分はこの風邪薬だけに特別に配合されている」と言ったことはなく、既存の成分の組み合わせになってきます。
ですから市販の風邪薬を選ぶ時には無数にある組み合わせの中から「選ぶべき成分」と「避けるべき成分」を考える必要があるんです。
ではここから「選ぶべき成分」「避けるべき成分」とおすすめの風邪薬を紹介してきます。
配合成分が多い=効き目が高いは間違い
風邪薬の中には「有効成分を○○種類配合!!」と謳ってあたかも種類が多いと効果が高そうに宣伝をしているものもありますが、配合されている成分が多くても実は風邪薬の効果としてはたいして変わらないことが多いです。
特に生薬を複数配合しているものや、ビタミンを配合しているもの。これらははっきり言って1~2日服用しただけで効果がどれ程あるのか聞かれれば微妙なものばかりになってしまいます。
おまけに種類が多く配合されている風邪薬は値段も高いことが多いため、個人的に選択肢の中に入れる必要はないと思います。
ジヒドロコデインを配合していない
市販の風邪薬にはほぼ9割に咳止め薬が配合されています。
中でも「ジヒドロコデイン」と言う成分はかなり多くの風邪薬に配合されている咳止め薬になります。しかし残念な事に風邪の時に起きる咳にこの「ジヒドロコデイン」をはじめとした咳止め薬は科学的な根拠に乏しいものになってしまうんです。
おまけにこのジヒドロコデインは便秘を引き起こす副作用もあり、もし風邪でウイルスを体外に出さないといけない時にはジヒドロコデインの副作用によって便を外に出せずに症状を悪化させてしまう可能性も出てきてしまいます。
ですから多くの風邪薬に配合されているジヒドロコデインはできれば避けたい成分になります。
喉の痛みにしっかり効果のある風邪薬を選ぶ
市販の風邪薬は多くが効能効果の欄を見ると「喉の痛み」と書かれていますが、実際は効果がほとんどない場合があります。
と言うのも市販の風邪薬は「アセトアミノフェン」か「イブプロフェン」という2つの解熱鎮痛剤が配合されており、これらが喉の痛みにも効くとされています。
しかし実はこのアセトアミノフェンは大して喉の痛みに効果が期待できません。
かたやイブプロフェンの方は喉の痛みにもしっかり効果を発揮しますので、喉の痛みがある場合にはイブプロフェンは必須の成分になってくるんです。
ただしこのイブプロフェン配合の風邪薬は15歳以上からの使用が可能になりますので、家族で共有する場合には注意してください。
風邪の鼻症状に劇的に効果のあるものはない
風邪の時に鼻がつまったり鼻水がズルズル酷い時もあるかと思いますが、現在発売されている市販の風邪薬には劇的に鼻効果を改善する成分は含まれていません。
短期間では鼻水等に効果があるとされている論文もありますが、気になるのは「眠気の副作用」です。鼻に効く成分はもれなく眠気の副作用が出てしまいます。「花粉症の薬を飲むと眠くなる」と言うのと同じ原理です。
では鼻の症状を考えた時にどの薬を選べばいいのかと言う話しですが、はっきり言って市販の風邪薬に配合されている鼻に効く成分はどれも似たりよったりなので効き目に違いはほぼありませんので、鼻への効果をメインに風邪薬を選ぶ必要はありません。
結論:ルルアタックTRがおすすめ
という事で結論を言えば個人的にはルルアタックTRがおすすめです。
「ジヒドロコデイン」を配合していませんし、「イブプロフェン」を配合しているため喉の痛みにも効果的です。また1日2回で済むため日中、職場や学校で薬が飲めない人にもおすすめです。
「他のルルアタックと何が違うの?」等に関してはこちらでさらに詳しく紹介しています。
子供に効く市販の風邪薬は2種類
では今度は子供が風邪を引いた場合や家族で風邪薬を共有する場合にも使える風邪薬を紹介します。
先に答えを言うと「ベンザエースA」と「新コンタックかぜ総合」になりますのでその理由を紹介していきます。
ベンザエースAをすすめる理由
先ほど「喉の痛みにはイブプロフェンを使うべき」と言いましたが、残念ながら子供はイブプロフェンは使用できないんです。
では喉の痛みがある時はどうすればいいのか?と言いますと「トラネキサム酸」と言う喉の痛みに効果のある成分が配合されている風邪薬をおすすめします。
このトラネキサム酸は実際に医療機関でも「トランサミン」という名前で昔から喉の痛みに広く使用されてきた成分になります。また当然ながら「ジヒドロコデイン」は配合されておらず6歳から使用できるのも利点になります。
新コンタックかぜ総合をすすめる理由
新コンタックかぜ総合の利点としては1日2回で済んで、風邪に効く成分を一通り配合している点になります。
子供はできるだけ薬を飲みたくない人も多いため、基本1日3回飲まないといけない薬よりも1日2回で済むならばそれに越したことはありません。
ただ新コンタックかぜ総合はカプセルタイプになってしまうため、もしカプセルが苦手な人は避けた方がいいでしょう。錠剤や散剤タイプが良い人は1日3回の服用になりますがパブロンSaがオススメです。効果は新コンタックかぜ総合と似ています。
「子供でも使えるから効き目が悪い」は間違い
「子供でも使っていいならきっと弱い薬なんでしょう」と思うかもしれませんが、上記で紹介した薬は大人が使用しても十分な効果を発揮します。
そしてインフルエンザ流行期はイブプロフェン等のNSAIDS配合風邪薬の使用は脳症のリスクを上げてしまうため適切ではありません。しかし子供が使用できる風邪薬はNSAIDSではなく「アセトアミノフェン」が配合されているため安心して使用する事ができます。
ですから家庭用の常備薬として小学生がいるご家庭にはぜひオススメしたい風邪薬となっています。
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