今回は小林製薬の医薬品「ギャクリア」を紹介したいと思います。
「食事のたびに胃酸が逆流する」「寝ていると胃酸が逆流する」と言う胃酸の逆流におすすめの薬とされていますが、実際はどの様な効果があるのか気になる人も多いですよね。
もしこれらの症状がある人やギャクリアが気になる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
ギャクリアの成分や特徴
ギャクリアの成分は漢方
ギャクリアの成分は漢方の六君子湯と同じになります。(読み方は「りっくんしとう」と読みます)ただし成分の配合量は医療用で用いられる量の半分になります。
六君子湯とは疲れやすく虚弱な人の胃の疾患に使用される漢方です。
胃の働きを改善する事で身体全体の調子を整える作用があり、夏バテなどで食欲がなく元気が出ない時などにも良く使用される漢方になります。
ギャクリアの効能効果や飲み方
【効能効果】
体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐
【用法用量】
次の量を食前または食間に水またはお湯で服用してください。
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
大人(15才以上) | 1包 | 2回 |
15才未満 | ×服用しないこと |
【価格】
1600円(10包)
ギャクリアは胃食道逆流症に効くのか
単独では十分な効果がない可能性がある
ギャクリアは胃酸の逆流に特化した薬の様な紹介を受けていますが、実際の所胃酸の逆流をメインに抑える働きはありません。
どちらかと言えば弱った胃の働きを活発にする働きや胃の働きを調整するものになります。もちろんそれが結果的に胃酸の逆流の改善に繋がる事もあるでしょうが、ギャクリアが胃酸の逆流に最も適した薬かと言われれば正直NOと言えるでしょう。それはギャクリアの効能効果を見てもらっても理解して頂けるのではないでしょうか。
そもそも胃酸の逆流を改善するには出過ぎた胃酸を止めるのが一番です。
そしてギャクリアには胃酸の分泌を止める作用は決して強くありません。ですから胃酸の分泌が原因で起こる胃食道逆流症などにギャクリアの効果を過度に期待しない方がいいです。
では六君子湯は胃食道逆流症に対して全く効果がないかと言えばそんな事もありません。
実際にある論文では胃食道逆流症の治療に用いられるPPIと言う薬に抵抗性のある非びらん性の胃食道逆流症に対してPPIと六君子湯を4、8週間併用した場合に、「胃逆流症の頻度スケールと胃酸に関係した胃の運動状態の改善において六君子湯を服用した方がより改善が見られた」という報告があります。参考:PMID: 24535455 参考:PMID: 24990161
ですから六君子湯が胃食道逆流症に対して全く効果がないとは言えません。
しかし単独で逆流性食道炎などの胃食道逆流症に対して効果があるかと言えばまた違った話になるでしょう。
もしそれでもギャクリアを試してみたいと言う人はそこまで胃酸が逆流する症状がひどくない場合や市販の胃酸を抑える薬と併用して使用するなどして試してみて、下手に市販薬で粘らない事をおすすめします。
ギャクリアの値段が高いと思ったら
もしお試してギャクリアが効いた場合は10包入りなので5日分しかありませんので足りないと言う人も出てくるでしょう。そんな時は引き続きギャクリアを購入するのはあまりおすすめしません。
と言うのもやはり小包装を多く買う事は大包装を買うよりも割高になってしまうからです。「でもギャクリアは10包入りしかないよ」と思われるかもしれませんが、その時は他の六君子湯配合の漢方を選ぶようにしてください。
実際に六君子湯は色んなメーカーから発売されていますので、ギャクリアに拘る必要はありません。
胃酸の逆流におすすめな市販の薬
では胃酸の逆流に関してはギャクリアはあまりおすすめ出来ないと言いましたが、ここでは胃酸の逆流におすすめな薬を紹介します。
市販の胃薬の中では胃酸を強力に抑える事が出来る「ガスター10」「ファモチジン錠 クニヒロ」「ベッセンH2」などがバッチリ効果があるでしょう。
ただいずれも第1類医薬品なので、薬剤師のいるお店かネットでしか購入する事はできませんので注意してください。
もし近くに薬剤師がいるお店がない場合には「パンシロンキュアSP」「ガストール」なども胃酸を抑える効果が比較的高めの胃薬になりますのでおすすめです。こちらは薬剤師が不在でも購入可能となっています。
ただしこれらの市販薬でも基本的に胃食道逆流症である場合には効果が不十分なことも少なくありません。ですからガスター10などを使用しても症状の改善が見られない場合や、吐血や便の色が黒い場合には胃の出血などが考えられますので、薬の服用を止めてすぐに病院を受診する様にしてください。病院では市販の薬以上の高い効果の薬を使用する事が可能です。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。