皮膚の薬

【ヘパリン類似物質】市販のヒルドイドと病院のヒルドイドの違い

 

乾燥に効く保湿剤として有名な塗り薬にヒルドイドが挙げられます。

このヒルドイドは2017年末に美容目的で使用される事が問題視され、色んな意味で注目を浴びる薬になりました。

しかしこのヒルドイドは実は病院だけではなく市販でも購入する事が可能な塗り薬になっています。

ただそうなると病院のヒルドイドと市販のヒルドイドは何が違うのか?と気になりますよね

 

そこで今回はそんな医療用と市販のヒルドイドの違いを紹介していきたいと思います。ヒルドイドの使用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

 

市販と病院のヒルドイドの違い

市販と病院のヒルドイドは共に同じ成分で作られています。

それはヘパリン類似物質という成分です。これ以外の成分は配合されていません。

 

このヘパリン類似物質が皮膚の水分を集めて皮膚に潤いを与え、皮膚の乾燥を防ぐ働きがあります。

つまりメインの保湿効果に関しては市販のヒルドイドも医療用のヒルドイドも全く同じ成分が同じ量だけ配合されているため特に違いはありません。

 

ただ違う点を挙げるとすればそれは添加物になります。

病院で使用されるヒルドイドには11種類の添加物が配合されていますが、市販のヒルドイドには添加物の数も種類もまちまちです。

市販のヒルドイドは色んなメーカーから発売されていますが、病院のヒルドイドと全く同じ添加物のものはありません。

 

では添加物が違う事はどの様な影響があるのかと言いますと、これはいわゆるジェネリック医薬品の様なものであり、特に効果に大きな違いが出る事はありません。

また市販のヒルドイドにはあえて添加物を改良して、顔にもより使いやすくした薬なども発売されているため、より自分の肌症状・使う部位に合った薬が発売されているんです。

 

こんなにあるヒルドイドの市販薬

では実際にヒルドイドと同じ市販薬を紹介していきます。

こちらは余計な成分は一切配合しておらず純粋に「ヒルドイドの市販版」と考えてもらって結構です。

ヒルマイルドクリーム・ローション

ピアソンHPクリーム・ローション

HPクリーム・ローション

テレスHiクリームH ※クリームSは全く違う薬になるので注意してください 

マーカムHPクリーム・ローション

ノンアフターHPクリーム

アットノンtコンシーラー

 

これらは市販で購入できるヒルドイドと同じ塗り薬になっています。

もし自分の近くのドラッグストアにヒルドイドと同じ薬がないか探す場合は上の薬を探すか、もしくは「ヘパリン類似物質・・0.3g」という成分を探してみてください。

 

一番おすすめの市販のヒルドイド

市販のヒルドイドの選び方としてはコンシーラータイプが発売されているアットノンtコンシーラーが肌色のクリームになりますので、もし顔や皮膚の露出している部分に使用する目的で、少しでも塗り痕を目立たなくさせたい時にはこちらがおすすめです。

 

それ以外は大きな特徴もなく効果も使い方もどれも同じになりますので、ドラッグストアやネット上で値段が安いもの・自分が必要な量のものを選ぶようにしましょう。

 

「1本で何回使えるのか?」と疑問な人は以下の1本(g)あたりの使用回数を参考にしてください。

15g⇒30回分

20g⇒40回分

25g⇒50回分

30g⇒60回分

 

ヒルドイドより効果の高い市販薬

市販には上で紹介した純粋なヘパリン類似物質のみを配合している塗り薬にプラスして様々な成分を配合したクリームやローションが発売されています。

ただこちらも種類が多くそこまで効果が高くないものもありますので、ここではおすすめな塗り薬のみ紹介したいと思います。

 

顔に使用するならsaiki(さいき)

saiki(さいき)はローションタイプ乳液タイプが発売されているヒルドイド配合の市販の塗り薬になっています。

こちらがなぜおすすめなのかと言うとsaiki(さいき)は顔に使用するのに特化した塗り薬となっているためです。

 

そもそもヒルドイト自体が顔にも使用できる安全な塗り薬になっているのですが、saiki(さいき)はさらに無香料、無着色、弱酸性、パラベンフリー、アルコール(エタノール)フリーと、まさに医薬品と言うよりも化粧品の様な作りになっています。

 

またsaiki(さいき)には炎症を抑える成分のグリチルリチン酸、そして皮膚の修復を助けるアラントインも配合されています。

そして乳液タイプのヘパリン類似物質を配合している薬はsaiki(さいき)のみになりますので、もし顔への使用がメインの場合にはこちらを選んでみてください。

 

<saiki(さいき)の値段>

950円(25g・30g)

2400円(80g・100g)

※左側がローション、右側が乳液の量になります。乳液の方が量が少なめですね。

 

ただsaiki(さいき)は値段が高いのがネックです。

そんな時にはヘパソフト顔用ローションがsaiki(さいき)と同成分で、値段はそのままで量が多く割安になりますのでおすすめとなります。こちらもアルコールフリー、無香料、無着色になっています。ただしこちらは乳液タイプは発売されていません。

 

<ヘパソフト顔用ローション>

910円(50g)

1399円(100g)

 

※実はsaiki(さいき)にはクリームタイプも発売されていますが、こちらはローションタイプや乳液タイプとは違う成分になり、顔に使用するには適していませんのでおすすめしません。同様にヘパソフトにもクリームタイプが発売されていますが、こちらも成分が異なり特におすすめしません。

 

皮脂枯れ肌による乾燥にヒシモア

皮膚の乾燥の原因に皮脂(皮膚の油分)不足が挙げられます。

皮脂は加齢と共に減り、さらに皮膚が受けるダメージによって肌が乾燥してしまいます。

そんな時におすすめなのがヒシモアです。

 

こちらは乾燥を防ぐためにヘパリン類似物質を配合しているのはもちろんですが、皮脂の分泌を促すガンマ‐オリザノールも配合されているため、よりいっそう皮膚の乾燥に効果を発揮します。

 

<ヒシモアの値段>

1400円(30g)

2600円(70g)

 

かゆみ・乾燥にヘパソフトプラスクリーム

先程ヘパソフトのローションは顔に使用する場合にはsaiki(さいき)と同成分で値段も安くおすすめと紹介し、クリームはおすすめしないと言いましたが、実はクリームはかゆみや乾燥にバッチリ効果を発揮するクリームなんです。

 

こちらはヘパリン類似物質に加え、かゆみに効く成分を2種類も配合(ジフェンヒドラミン・クロタミトン)しています。

ですから乾燥+かゆみがある肌の人にとってはおすすめなクリームとなっています。

 

<ヘパソフトプラスの値段>

1100円(50g)

1600円(85g)

 

市販のヒルドイドはローションとクリームはどちらがおすすめ?

市販のヒルドイドは主にローションタイプとクリームタイプが発売されていますが、どちらの方がおすすめかと言いますと、どちらが良いという事はありません。

 

例えば足全体にヒルドイドを塗りたい場合はローションタイプが伸びが良く使用感も良いです。

一方クリームタイプは皮膚のピンポイントに塗る事が可能で、手や指先に塗る時などにおすすめになります。

ですから市販のヒルドイドを選ぶ際には薬を使用する部位や広さに応じて選ぶようにしましょう。

もしそれでも自分がどちらの方が適しているのか分からないという場合には無難なクリームタイプを選んでください。

 

ヒルドイドのスプレータイプは市販では発売なし

医療用のヒルドイドにはスプレータイプが発売されています。(正確にはヒルドイトではなくヘパリン類似物質外用泡状スプレーとして発売されています)

しかし市販のヒルドイドにはスプレータイプはまだ発売されていません。

 

クリーム、ローション、乳液、ゲルタイプのヒルドイトは市販化されていますが、スプレータイプだけがまだ市販では発売されていません。

 

そもそも医療用のタイプは発売されたのが比較的最近(2016年末)になりますので、市販化されるのは少し先になるでしょう。

ただしスプレータイプのメリットは正直ほぼありませんので、わざわざ選ぶ必要もないでしょう。クリームやローションを選べば問題ありません。

 

市販のヒルドイドの正しい使い方

市販のヒルドイトを使用する時には比較的多めの量を使用するようにしましょう。

テッシュに触れても落ちない程度の量が目安です。

さらに具体的な量を挙げると「人差し指の指先から第一関節までの量」が手のひら2枚分の面積になる様に塗ってください。マルホHPより

 

そして塗る回数は特に制限はありませんが、入浴後には必ず1回塗ってその後は乾燥を感じた時に2~3回塗る様にしましょう。症状が落ち着いて来たら回数を減らしてください。

 

市販のヒルドイドは顔にもOK!ステロイドは非配合

上でも紹介しましたがsaiki(さいき)やヘパソフト顔用ローション以外の市販のヒルドイドも顔に使用する事が可能です。

また今回紹介した市販のヒルドイトの塗り薬にはステロイドは一切含まれていません。

ですから顔を含めた全身に比較的安全に使用出来る塗り薬で、子供も使用できる塗り薬となっています。

ただし傷になっている部分や粘膜の部分には塗らないようにしましょう。

また赤ちゃんでも使用可能ですが、その場合は純粋なヘパリン類似物質のみが配合されているタイプを選ぶようにしてください。そして症状が改善しない場合は長期で使用するのはやめて病院を受診するようにしましょう。

 

ヒルドイドとワセリンの違い

保湿剤と言えばヒルドイドが有名ですが、同様にワセリンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

この2つは保湿剤としてかなり使用頻度の高い薬になりますが、ワセリンの方がかなり値段が安いです。

ではこの2種類の比較ですが、ヒルドイドの方が保湿効果が高く、おまけにべたつきがありません。ワセリンはその成分の多くが油分になってしまいますので、顔などに塗るとテカりが気になったり、場所によってはべたつきが気になる人もいるでしょう。

ですから比較的長期間保湿剤が必要な人や、顔や広い範囲に塗る事が多い人にはヒルドイドの方を選ぶようにしてください。

 

ただヒルドイドは刺激の少ない塗り薬ですが、中には刺激を感じてしまう人もいるため、その様な場合にはさらに刺激の少ないワセリンを使用しましょう。

 

ヒルドイドはしもやけにも効く

ヒルドイドは乾燥肌だけでなく、しもやけにも効果を発揮します。

これはヒルドイドによる炎症を抑える作用、血行を良くする作用のおかげです。

 

また他にもヒルドイドは打撲や捻挫の痛み、筋肉痛や関節痛にも効果を発揮する塗り薬となっていますので、決して効果は強くありませんがこれらの症状がある時には使用してみるのもアリです。

ただし純粋なヘパリン類似物質以外の成分を配合している塗り薬の場合は、皮膚症状以外には使用できないようになっていますので注意しましょう。

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