更年期障害に効く市販薬として最も有名な薬が命の母ですよね。
実際に「命の母を更年期障害の時に使用して良くなった」という声を聞くことも多いです。ただ中には命の母がいまひとつ効かないと言う人もいます。
そこで今回は命の母が更年期障害に効く理由と効かない理由を紹介し、他のおすすめの市販薬を紹介したいと思います。
もし更年期障害に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
命の母についての解説
命の母の生薬成分の特徴
命の母Aは大変多くの生薬を配合し、さらにビタミン類も配合している薬になっています。
そして命の母Aが更年期障害に効果が高いと言われる理由としては、この多くの配合されている生薬によるものです。
命の母には元々医療用として更年期障害に大変良く用いられる漢方である
「加味逍遥散」「当帰芍薬散」「桂枝茯苓丸」
と言った3つの漢方と同じ生薬を配合した薬になります。
更年期障害で有名なこの3つの漢方は3大婦人薬とも呼ばれたりします
ただし命の母Aはこの3つの漢方を1つでカバーできるのかと言えばそんなうまい話しはありません。
と言うのも命の母に配合されている生薬の種類は確かに多いのですが、実際に配合されている生薬の量がかなり少なく配合されているんです。命の母HP
具体例をあげれば更年期障害でよく使用される「桂枝茯苓丸」という漢方がありますが、病院で使用する桂枝茯苓丸の1日量は命の母の10倍以上の量が配合されています。
桂枝茯苓丸 | 命の母 | |
ケイヒ | 3000mg | 170mg |
ブクリョウ | 3000mg | 175mg |
シャクヤク | 3000mg | 300mg |
かなり成分の量が少ないことが分かりますよね。そしてボタンピとトウニンに関しては命の母には一切配合されていません。
もちろん生薬の産地や製法により一概に比較はできませんが、さすがに配合量が10分の1以下ならば、もともとの漢方に準ずる効果を発揮するのは極めて難しいでしょう。
つまり命の母は多くの生薬を配合していますが、その配合量が少ないため人によっては効果を発揮しない場合も十分にありえるのです。
命の母のビタミンの特徴
また命の母は生薬だけでなくビタミンも配合しています。
更年期障害や貧血の時でなくてもビタミンを補給することは悪いことではありませんし、命の母は多数のビタミンを配合しています。
ただ実は命の母は生薬同様、ビタミンも種類は多いですが配合量が少ないものとなっています。
例えば命の母に配合されているビタミンB1、B2、B6、B12に関して言えばアリナミンAの10分の1も配合されていません。
ですからもし命の母のメリットがビタミンを多く配合している事と考えるのであれば、はっきり言ってその分別のビタミン剤を買って摂取した方が効果も高いと言えるでしょう。
命の母が効かない可能性もある
命の母は生薬成分もビタミンも非常に多くの種類を配合していますが、その配合量は非常に少ないものとなっています。広く浅く作られているイメージです。
そして命の母を利用する人の多くの目的は更年期障害の改善だと思いますが、人によっては全く効き目がなかったという印象を受ける場合もあるでしょう。
ではその様な方は命の母以外にどのような薬を選べばいいのかと言う話しになりますが、それはよりピンポイントで更年期障害の症状に対してベストな薬を選ぶ必要があるんです。
命の母に関してはさらに詳しく解説していますのでこちらの動画もご覧ください。
更年期障害の市販薬の選び方
そもそも更年期障害には大きく3つの治療法があります。
・ホルモン補充療法
・抗不安薬や向精神薬などの薬
・漢方
そしてこれらの補助的な役割としてサプリメントなどがあげられます。
ただし上の2つであるホルモン補充療法や抗不安薬などは市販では販売されていませんので、選択肢としては漢方一択になってきます。
そして一口に漢方と言ってもその人の体格や状態に応じて選ぶ必要がありますので、ここからは更年期障害への市販薬の選び方を紹介していきます。
発汗ほてりがある人は桂枝茯苓丸
もし発汗やのぼせ、ほてりの更年期障害の症状の人は桂枝茯苓丸を試しましょう。
特に暑いという訳でもないのに急に汗をかき、身体にほてりを感じる事が多いのも更年期障害の症状の1つになります。この症状はいわゆるホットフラッシュというものです。そしてそんな症状におすすめなのは桂枝茯苓丸になります。
桂枝茯苓丸は身体の血のめぐりを良くすることによって身体の中に溜まった熱を冷ますと同時に、赤ら顔やのぼせを取り除く作用がある働きを持っています。また更年期障害だけでなく月経困難症や肩こりにも効果を発揮し、その血の巡りの改善効果により打撲などにも使われたりします。
桂枝茯苓丸の成分は命の母にも配合されていますが、入っている量は桁違いになりますので、純粋に発汗・ほてりがメインの更年期障害の症状の人は桂枝茯苓丸を選びましょう。ただし身体が弱く体力が衰えている人には向きません。
桂枝茯苓丸は色んなメーカーが発売していますが、配合量や値段を考えるとツムラの桂枝茯苓丸がおすすめです。
冷えが強い人は当帰芍薬散
更年期障害の症状の中で冷えがメインの人は当帰芍薬散がおすすめです。血の巡りが悪く冷えを感じている人におすすめの漢方となります。
当帰芍薬散は比較的体力がなく疲れやすい人や貧血気味の人などにおすすめの漢方で、単に冷えを解消するだけでなく更年期障害のめまいや肩こりにも効果を発揮します。
こちらもツムラの漢方が安くておすすめです。
もし日常的に胃腸が弱いと自覚がある人は胃腸への効果が期待できる生薬の人参を当帰芍薬散にプラスしているルビーナめぐりもおすすめです。
不安やイライラがある人は加味逍遥散
更年期障害の症状で不安やイライラなどの精神症状もメインの人には加味逍遥散がおすすめです。
加味逍遥散は血の巡りを良くする働きに加えて、不安や落ち込みが強い人やイライラして細かい事が気になる人にも効果を発揮する漢方になります。また冷えにも効果があり、疲れやすい人や虚弱体質な人に特におすすめです。
ツムラの回し者みたいで恐縮ですが、こちらも値段を考えてツムラの漢方がお得です。
更年期障害におすすめのサプリメント
基本的にネット上に多く掲載されている、値段だけ高く効果の良く分からない更年期障害に効くサプリメントや健康食品はおすすめしません。理由は藁にもすがりたい思いの人に付け込んで、根拠のないものを高い値段で売りつけることに対して反対だからです。
ではそんな中で本当におすすめできるサプリメントはあるのかと言えばずばりプラセンタになります。プラセンタはよく聞くけど本当に効くの?と疑問に思う人も多いかと思いますが、こういった研究結果があります。
更年期症状を有する76人の女性にそれぞれ
① 当帰芍薬散を24週間使用
② プラセンタを12~24週間使用そしてうつや不安などの改善結果を評価したところ、当帰芍薬散よりも効果的でさらにのぼせ、不眠症、過敏症、うつ病、疲労感及び関節痛などに有効だったそうです。
またホルモン補充療法を行っている肩こりがある人にプラセンタを投与した場合に更年期女性で76.4%、閉経後女性で64.8%に効果があったとされています。
つまりプラセンタは実際に効果を実感できる人も少なくありません。
ではどのプラセンタを使用すればいいのかと言う話しですが、市販のプラセンタは値段がピンキリでどれがベストなのか分かりませんよね。
そこでおすすめのプラセンタを言いますとピュアプラセンタというプラセンタをおすすめします。ではその理由を紹介していきます。
ピュアプラセンタがおすすめな理由
まずプラセンタの値段がピンキリな大きな理由は「プラセンタ以外の成分」になります。プラセンタに良く分からないが何だか凄そうな美容成分であったりビタミンが配合されている結果、値段が跳ね上がってしまっているんです。ただそれらの成分は不要で正直プラセンタだけ摂取できればいいんです。
そしてプラセンタは病院で使用されるものは人の胎盤を使用した注射タイプになりますが、市販のサプリメントは馬や豚などの胎盤を使用したものになります。そして上でも紹介した研究結果にはプラセンタはブタの胎盤を使用したものですから、同じブタの胎盤を使用したプラセンタを選ぶ必要があります。
これらの条件を満たしているのがピュアプラセンタになるんです。値段が安くプラセンタ以外の余計な成分を配合していないおすすめのプラセンタになります。
高濃度プラセンタ10000mg配合!プラセンタが美貌をサポート「ピュアプラセンタ」
ピュアプラセンタは初回限定では1990円(送料無料)になり60粒(1か月分)入っています。おまけに2粒でプラセンタエキス10000㎎配合です。ただこの値段はプラセンタではかなり安い分類ですが、一番安いというわけではありません。
ではなぜこのピュアプラセンタをおすすめするのかと言えば、上でも紹介しましたがやはりプラセンタは長期間の服用が必要になります。上の研究でも12週間は使う必要があるんです。そんな時にまずこのピュアプラセンタを1粒だけ約2カ月使用してみて、それでも効果がなかったらプラセンタの使用をやめるという方法をとりましょう。
1日量が2粒なのに1粒でいいの?と思われるかもしれませんが、そもそもピュアプラセンタは1粒で5000㎎のプラセンタエキスを配合しているので1粒でも構いません。するとたったの1袋1990円で効果判定が可能です。これはかなり安く済みます。
更年期障害におすすめの食品
更年期障害におすすめの食品と言えば大豆イソフラボンをあげる人も多いのではないでしょうか。そして実際に医学的にも根拠のあるものになります。
ただこちらもプラセンタ同様に非常に高額なサプリメントが発売されており、なんだか高いもの程効果も良いのではと考えてしまいますよね。確かにイソフラボンを摂取することは更年期障害に効果があるとしても、ただやみくもに多量のイソフラボンを摂取すればいいというものではなく、むしろ取り過ぎによる子宮内膜症などのリスクも増加してしまいます。
ではどのくらいの量が適当なのかと言いますと
ある研究によればイソフラボンアグリコン(25 mg /日)を8週間投与することで、日本の中年女性における鬱病および不眠症の症状を有意に軽減したとあります。
つまり1日に25㎎のイソフラボンアグリコンを取ればいいんです。ただし日本人のイソフラボンアグリコンの摂取量は厚生労働省によると16~22㎎と、ただでさえ少ない量になってしまっています。
ちなみにイソフラボンアグリコンとは何かといいますと、大豆発酵食品に含まれる非配糖体の形のイソフラボン。一言で言えば人の腸内で実際に吸収される形のイソフラボンのことになります。
ですからこの場合は豆腐や豆乳を100g取ればOK。豆腐や豆乳を毎日100g取るだけならば高額なサプリメントを取るのに比べたらはるかにリーズナブルですよね。これならば約8週間程度は続けられると思います。
それに30 mg/日の範囲に収まるように適切にコントロールを行うことができるのであれば、安全性上の問題はないものと考えられますので、大豆イソフラボンアグリコンの摂取量としても適切です。
命の母を使用する事について
今回は命の母が更年期障害に効く理由と効かない理由を紹介しました。
繰り返しになりますが命の母は広く浅く生薬を配合していますので、効果の程ははっきり言って個人差が大きく一概に効くか効かないかの判断をすることは難しいです。
ですからある程度続けてみても効果が実感できない場合には、代わりの漢方を試してみてはいかがでしょうか。もしくは初めから症状に応じた漢方を選ぶのもおすすめです。
漢方には上で紹介した以外にも
・当帰芍薬散は睡眠障害の頻度を減らし除脂肪体重を増やしそして拡張期血圧を下げた
・加味逍遥散は主観的睡眠障害を軽減。睡眠の開始、睡眠の中断、および非回復的睡眠における困難さの改善。そして頭痛やめまいを和らげた。
・桂枝茯苓丸は主観的睡眠障害を改善し、発汗を軽減し、そして収縮期/拡張期圧および心拍数を減少させた。
という研究結果もあります。
そして併せてサプリメントや食品も使用しても構いませんので、もし少しでも更年期障害の症状を改善したい場合はこれらも一緒に使用してみましょう。特にイソフラボンに関してはお金も大してかからず手軽にできるのでおすすめです。
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