花粉症や鼻炎の薬

ストナリニZ、コンタック鼻炎Zが第2類薬になるってどういう事?

 

2016年の夏からストナリニZ、コンタック鼻炎ZそしてアレグラFXは

「薬剤師がいなくても購入できる」と言われています。

それは第1類医薬品から第2類医薬品へと変更になるためなんですが

 

第1類や2類とは何なのか?

そもそもなぜ1・2類に分かれているのか?

そしてストナリニZ、コンタック鼻炎Zとは何なのか?

 

など、今回は市販薬の販売制度について詳しく解説していきます。

 

第1類医薬品、第2類医薬品とは?

私たちが購入できる薬には大きく分けて2種類あります。

 

・医療用医薬品(病院用)

・一般用医薬品(OTC医薬品)

 

医療用医薬品は医師が処方する事で購入する事のできる薬です。

購入時には医師の処方箋が必要となりますから、処方箋がなければ購入する事はできません。

 

一方、一般用医薬品は薬局やドラッグストアなど自分で選んで購入する事ができる薬となっています。

そして一般用医薬品には第1類~3類まで分類されています。
特に第1類医薬品とそれ以外の医薬品には大きな違いがあります。それが以下の2点です。

 

・第1類医薬品は薬剤師がいないと購入できない

・書面により情報提供が義務づけられている

 

OTCの区分

 

つまり誰でも処方箋なしで購入できる一般用医薬品ですが、第1類医薬品に関しては薬剤師がいないと購入する事ができないんですね。


これは市販薬として販売されている薬の中でも「安全性や危険性を考慮すると薬剤師が販売するべき」という薬が第1類医薬品に分類されます。

それと後述しますが「要指導用医薬品」を経て第1類医薬品に変更になる薬も多いです。

 

それ以外は薬剤師が販売する必要はないですがリスクに応じて2~3に分類されています。
ちなみに第1類医薬品の代表的な例としてロキソニンSやリアップ、アレグラFXなどが分類されています。

※追記 アレグラFXも第2類医薬品になる事が決定しました。

ずっと今の区分のままではない

しかし第1類医薬品に分類されてもずっと第1類医薬品のままではありません。

例えばアレグラFXと同様に人気のある花粉症治療薬のアレジオンや、生理痛の痛み止めとして発売されているエルペインコーワなども、もとも第1類医薬品でしたが近年第2類医薬品に変更になりました。
なぜこのように区分が変わっていくのかと言うと、そもそも一般用医薬品というのは病院で処方箋をもらう必要がある「医療用医薬品」が、誰でも処方箋なしに購入ができるように「一般用医薬品」になったものがほとんど。

これを「スイッチOTC薬」といいます。

 

そして初めてスイッチOTC薬になる成分は無条件に第1類医薬品よりも扱いの厳しい「要指導医薬品」に分類されます。もともと医療用で医師の処方箋が必要だった薬なので当然十分に安全性を考慮する必要があるために「要指導用医薬品」となるのです
要指導用医薬品になると薬剤師のみの販売はもちろん、ネットでも購入する事はできません。

 

スイッチOTC薬→要指導用医薬品→第1類医薬品

 

ただし要指導用医薬品も原則3年で第1類医薬品に移行しますし、第1類医薬品も安全性や危険性などを考慮し、問題がないかしっかり調査して第2類医薬品へと変更になっていくのです。

 

そしてその区分を変更する際に、もし似たような効果の薬が他にもあった場合にはそれも考慮され、一緒に区分変更されることになっています。
例えばストナリニZ・コンタック鼻炎Zは2015年の2月に発売されたばかりですが、すでに似た薬であるアレジオンが第2類になっている事や、同様に似た薬のアレグラFXが第2類になることから、安全性などは十分担保されているので足並みを揃える形で第2類になります。(もちろん個別に決められた安全性の調査をクリアする必要はあります)

 

ストナリニZ・コンタック鼻炎Zとはどんな薬?

今回第1類医薬品から第2類医薬品に変更になった薬の中に

・アレグラFX

・ストナリニZ

・コンタック鼻炎Z

があります。

 

アレグラFXはとても有名ですよね。花粉症などのアレルギー症状を改善してくれるお薬です。そしてストナリニZ・コンタック鼻炎Zも実はアレグラFXと全く同じ効果を示す薬となっています。
これらの薬は第2世代抗ヒスタミン薬と言われています。

 

第2世代抗ヒスタミン薬とはアレルギー症状をしっかり抑え、眠気や口渇などの副作用が少ない薬となり非常に使いやすい薬となっています。

※ちなみにストナリニZとコンタック鼻炎Zは全く同じです。販売するメーカーが異なるだけです。

 

アレグラFXとの違い

 

効果の強さ

アレグラFX 、アレジオン20 < ストナリニZ・コンタック鼻炎Z

副作用(眠気など)の強さ

アレグラFX 、アレジオン20 < ストナリニZ・コンタック鼻炎Z

 

ただし効果と副作用は個人差が大きい事が多いので、今回はあくまでも一般的に言われているデータを元に挙げています。

 

価格の違い

アレグラFX:1420円(14日分)

アレジオン20:2138円(12日分)

ストナリニZ:1748円(10日分)

コンタック鼻炎Z:1600円(10日分)

 

飲み方の違い

1日1回

・・アレジオン20、ストナリニZ、コンタック鼻炎Z

1日2回 

・・アレグラFX

 

これで一通りの第2世代抗ヒスタミン薬が薬剤師不在でも購入できるようになります。それによりより選択肢の幅が広がるのではないでしょうか。

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