今回は胃薬を購入する際に心がけていた方が良い「胃薬ランキングのウソ」に焦点を当てていきたいと思います。
ネット上にはランキング化しておすすめの胃薬を紹介していますが、本当は薬をランキング化するのは現実的ではないケースが大半になります。
ではどうして胃薬のランキングを信じてはいけないのか紹介していきたいと思います。
目次
胃薬にランキングをつける事はできない
ネットなどを検索すると胃薬のランキングを目にします。
しかし繰り返しになりますが胃薬においてランキングほど無意味なものはありません。(胃薬にも限りませんが)
と言うのも、胃の症状と言っても多種多様な症状があり、本来ならばそれぞれの症状にあった薬を選ぶのが当然だからです。
例えば「胃の痛み」があったとします。
ではその痛みというのは「一体どのような痛みなのか(チクチクなのかジンジンなのか)」「何が原因で行っているために起きている痛みなのか」を確認し、そのうえで一番適切な薬を選択する必要がでてきます。
胃薬でかなり有名なガスターと言う薬があります。
ガスターは胃の痛みに関してはかなり効果が高い薬です。しかしこれは胃酸が多く分泌されて起こる痛みには効果がありますが、ストレスや緊張などからくる一過性の胃の痛みにはあまり効果が期待できません。その際は他の胃薬を選ぶ必要が出てきます。
ですからどの様な症状、そしてその原因を探り薬を選ぶ必要がある中で、一概に「胃薬と言えばコレ!!」という様なランキングはほとんど意味を成していない事になります。
もちろん高いからその分効果が高いと言うのも間違いですから注意してください。
胃薬ランキング~効能効果のウソ~
胃薬のパッケージを見てみると、本当に多くの効能効果が書かれています。
飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、食べすぎ、胃痛、胃部不快感、消化不良、消化促進、食欲不振、胃弱、胃酸過多、胃部・腹部膨満感、はきけ(胃のむかつき、二日酔い・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐、胸つかえ、げっぷ、胃重
これは某有名胃薬の効能効果の引用ですが、ほぼ全ての症状を網羅していますよね。
しかし「これホントなの?」と思った事ありませんか??
もし胃薬の購入を考えている人の中には「胃の痛み」に効く胃薬を探していて、商品のパッケージを手に取り「痛み・・痛み・・あった!!」と効能効果に胃の痛みを見つけて、薬の購入を決める人もいるかもしれません。それに沢山効く症状が書いてある方が何だか効き目自体が高そうです。
しかし残念な事に正直1つの胃薬で全ての胃の症状をカバーできるかと言えば難しい話しになります。もしそう言った市販の胃薬があるならば世の中の胃薬はその1種類だけでいいですよね。ただそうはならず、繰り返しになりますが本当に効く胃薬は胃の症状に応じた薬を選ぶ事以上のことはありません。
市販の胃薬が色んな症状に効くと書いてある理由
理由①効果は「ゼロ」ではないから
ではたいして効果のないとしても、効能効果が載っている理由としては「効果がゼロとは言えない」事が理由となっています。つまり多少の効果は期待できるからと言う事です。
例えば胃薬の多くには「胃酸を中和する成分」が少しだけ配合されています。これは胃酸を中和する事で胃が胃酸でやられてしまうことを防ぎ、結果「胃痛」に効果があるとされているのです。
ですからこの胃酸を中和する成分が1つでも配合されていれば、とりあえず「胃痛」に効果があると効能効果に載せる事が可能となります。例えその効果が弱くてもです。
また胃薬の効能効果の欄には「胃酸による胃痛」だったり「ストレスによる胃痛」などとは書かれずに単に「胃痛」と書かれています。しかし本人が食べ過ぎが原因だろうが、ストレスが原因だろうが「胃痛に効く」という表記を見れば、なんどなく胃の痛み全般的に効くような錯覚を受けますよね。
しかし本当はどんな痛みなのか、痛みが起こる様な原因に心当たりがあるか等をはっきりする必要があるんです。
もちろん中には胃痛に本当に効く薬もあります。ガスターなどは胃酸の胃痛には十分効果もあります。ただその様なガスターなどに限って効能効果は「胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき」とシンプルになっていたりします。
理由②直接的な効果がなくても効能効果に載ってしまう
胃の機能は連鎖的に働きます。例えば食べ過ぎて胃もたれになったとしましょう。
食べ過ぎ
↓
消化が追い付かない
↓
食べ物が胃に停滞
↓
消化不良
↓
胃もたれ
↓
食欲不振
ざっくり言えばこの様な流れをたどる事になります。そして消化不良を助ける成分がメインの胃薬があったとしましょう。上のチャートで言う赤字の部分です。
この胃薬の効能効果に「消化不良」が載る事に異論はありませんよね?
しかし実際には「食欲不振」にも効果があると書いてあるんです。
これは確かに、この胃もたれが起きる一連の流れの中で効果を発揮していると言えますが、果たして「食欲不振」自体にどれだけ効果があるのかと言われればかなり疑問が残る所です。それならば食欲不振に直接的な効果がある胃薬を選んだ方がよさそうですよね。
またそもそも胃薬は色んな成分が配合されているため1つでも成分が入っていると色んな効果が謳えるためかなり守備範囲が広く記載されています。
胃薬はランキングでなく症状で選ぶべき
胃薬の効能効果は半分信じて半分信じない様にしましょう。
よく「市販の薬は一番最初に書いてある効能効果が一番効果があるよ」と言われますが、それは「その薬の中で言えば」の話しです。他の薬も交えて比較した場合必ずしもお勧めできるかはまた別問題です。
ですから胃薬ランキング等は安易に信用しないようにしましょう。
「でもガスターは一番強い市販の胃薬なんでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、当然ながらガスターが最も優れているというわけではありません。これは胃薬に限りませんが、やはり症状に応じた薬を選ぶ必要があるんです。
ですからもし胃の不調がある場合でも「まずはガスター」とは思わずにぜひこちらも参考にしてみてください。
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