今回は「タナベ胃腸薬調律」について紹介したいと思います。
タナベ胃腸薬の最大の特徴は、その名前からもあるように胃腸の働きを「調律」してくれる働きとなります。
「調律」とは楽器の音程を調整する意味がありますが、ここでの「調律」とは胃腸が必要に応じて活発に作用したり、逆に作用を抑えたりしてくれるんです。
通常ならば胃腸の働きを活発にする胃薬や胃腸の働きを抑えてくれる薬は多く発売されていますが、このアクセルとブレーキのバランスを自動的にとってくれる薬はこのタナベ胃腸薬<調律>の主成分である「トリメブチン」くらいのものになります。
では果たして胃腸の働きを調律すると何が良いのか?どのような症状に効果があるのかを踏まえて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
タナベ胃腸薬調律の特徴
最もメインの成分はトリメブチン
トリメブチンがタナベ胃腸薬調律の最大の働きを示します。
トリメブチンとは弱った胃腸の運動を活発にして、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助けます。それだけならばよくある胃薬の「健胃成分」と同じなんですが、トリメブチンにはなんと胃腸が過度に働いている時にはその働きを抑える作用も併せ持っているんです。
そのような両方の作用により胃腸の調子を整え下痢や便秘を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」の治療に用いられたりします。
過敏性腸症候群(IBS)とは、ストレスなどの原因により、腹痛や腹部不快感を伴う下痢や便秘などの便通異常が慢性的に繰り返される疾患です。
配合されている量も、医療用と同じ量である300mgがバッチリ配合されています。
消化を助ける働きも2種類配合
ビオヂアスターゼ2000
リパーゼAP6
「ビオヂアスターゼ2000」は炭水化物とタンパク質を分解する働きがあり「リパーゼAP6」は脂質を分解する働きがあります。
これにより「脂質」「炭水化物」「タンパク質」すべての食べ物の分解を助けてくれます。
胃粘膜を修復してくれる働き
カンゾウ
胃粘膜の炎症を抑え、再生を促す作用があります。
胃酸に関する作用
沈降炭酸カルシウム
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
残りの3つは胃酸を中和する作用です。
胃酸は大変強い「酸性」であるため、胃自身を溶かしてしまう事があります。しかしこれら3つの成分は「アルカリ性」であるため、胃酸と混ざり胃酸を「中和」してくれる働きがあるのです。その為過度な胃酸から胃を守る働きがあると言えます。
タナベ胃腸薬調律がおすすめな人
タナベ胃腸薬調律はストレスが胃だけでなく便秘や下痢などを繰り返す場合に適している胃薬です。もちろん胃腸の働きを活発にしてくれる働きがあるので、単純に「胃もたれがある人」などにも効果を示します。
トリメブチンは上でも紹介しましたが、胃腸の働きを調整してくれる働きがあるので「ストレスで繰り返す下痢や便秘」などに効果があり、またロートエキスも配合しているのでストレスからくる胃の痛みにも効果があります。
実際トリメブチン単独で発売されている薬の「セレキノンS」と言う薬が発売されています。しかしこちらは過敏性腸症候群の診断を受けた人でないと使用する事ができません。ですから一度病院で受診し「過敏性腸症候群」の診断を受ける必要があるんです。
しかしこのタナベ胃腸薬<調律>は病院の受診を経る事無く、同じ成分を配合しているにも関わらず(おまけに消化酵素や制酸薬なども配合されています)、特に診断が必要である事はありません。ですから試しに使用してみるにはピッタリの胃薬となります。
ただメインの症状はあくまでも胃症状になりますので、単に下痢や便秘を繰り返すだけでは使用する事ができません。
セレキノンSが病院の受診が必須である理由は下痢や便秘を繰り返す場合には他の大きな疾患(大腸がん等)が隠れている可能性があるため受診が必要とされています。ですからタナベ胃腸薬<調律>の使用を考えている人でもやはり下痢や便秘を慢性的に繰り返す人は一度病院受診を検討するようにしてみてください。
また、ロートエキスを配合しているので、緑内障や前立腺肥大による排尿障害のある人や急な下痢がある人には適していませんのでこちらも注意が必要です。
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