今回はちくのう症(蓄膿症)を改善する薬として有名なチクナインについて紹介していきたいと思います。
そもそも蓄膿症とは慢性副鼻腔炎のことです。
副鼻腔炎の症状としては鼻水や鼻づまりなどの症状がメインとなります。そして蓄膿症が「慢性副鼻腔炎」と名前が付いているくらいなので「慢性」があれば当然「急性副鼻腔炎」もあります。この違いはその名の通り慢性的か急性的かの違いです。
一般的に3カ月程度鼻症状が続く場合は慢性的、つまり蓄膿症の可能性が高いと言えるでしょう。
ではこの蓄膿症を治す薬なんですが、実は市販の薬の中には蓄膿症に効く薬として発売されているものはほとんどありません。
ではそんな中で、どうしてチクナインが蓄膿症に効果があるのか?成分は何なのか?値段は安いのか?などの疑問にも答えていきたいと思います。
蓄膿症や鼻炎で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
チクナインについて
チクナインが蓄膿症に効く理由
チクナインが蓄膿症や鼻づまり・副鼻腔炎などの症状に効くとされている理由はその成分である「辛夷清肺湯」という漢方になります。
この「辛夷清肺湯」という漢方は鼻水や鼻づまりを解消する生薬を配合しています。
また単に鼻水や鼻づまりを解消するのではなく蓄膿症にピッタリな働きを持ち合わせています。それは鼻に溜まった膿を出す働きになります。
チクナイン(辛夷清肺湯)は鼻に潤いを与えることで溜まった膿を排出させ、そしてさらに炎症を抑える働きもあるため膿が作られるのを抑える働きもあるとされています。
そしてある研究では
成人慢性副鼻腔炎患者に辛夷清肺湯を4週間経口投与した今回の検討では, 自・他覚症状による総合効果判定は著効,有効,やや有効を含めた有効率が69.0%であった
症例数が30と少なくはありますが辛夷清肺湯による蓄膿症への効果があるとされています。
チクナインが頭痛に効果があると言われる理由
チクナインはたまに「頭痛に効果がある」と言われますが注意が必要です。これはあくまで蓄膿症などの鼻づまりの症状で起きる頭痛に関して効果があるためです。
蓄膿症などの症状がある時は膿が溜まっている状態になりますが、これが神経を圧迫することでたびたび頭痛を引き起こします。しかしチクナインによって蓄膿症が改善すると、頭痛の根本的な症状が解決されますので、いかにも「頭痛がチクナインによって良くなってきた」と感じてしまいます。
ただチクナイン自体には直接頭痛を改善する効果はありませんので、あくまで蓄膿症がありつつ頭痛がある場合にのみ効果を発揮すると考えましょう。
チクナインは眠くならない
市販の鼻炎の薬などはほぼ9割以上が眠くなる副作用を引き起こします。しかしチクナインは眠くなる副作用を起こす事はありません。ですからもし眠気が心配な人も安心して使用可能です。
「チクナインは眠くなる」と言う口コミをたまに見かけるのですが、これはチクナインの服用により蓄膿症が改善されこれまで中々眠れなかったことが改善し、眠りにつきやすくなった事が間接的に影響しているのではないかと考えます。
チクナインの値段
チクナインは錠剤タイプと顆粒タイプが発売されています。
値段は錠剤でも顆粒タイプでも変わりませんので、飲みやすい方を選んでください。ただし28日分が発売されているのは錠剤タイプのみです。
<錠剤>
2000円(56錠・7日分)
3800円(112錠・14日分)
6400円(224錠・28日分)
<顆粒>
2000円(14包・7日分)
3800円(28包・14日分)
年齢により服用する量が異なりますが、成人だと1回に4錠(1包)を1日2回の服用になります。またチクナインは5歳から使用できる薬になります。
花粉症にも使えるか
チクナインは花粉症の鼻づまりに対しても効果を発揮します。
しかし花粉症の治療において鼻水やくしゃみ等の効果が期待できるかと言われるとNOと言えます。それに花粉症の基本となる飲み薬ではありません。ですから強いて言えば鼻づまりがある時に短期間だけ花粉症の薬(アレグラやアレジオン)と併用して使用するといった使い方になるでしょう。
チクナインは蓄膿症の治療に用いるべきか
蓄膿症治療の基本は市販薬ではない
蓄膿症の治療は基本的に市販薬では難しい場合があります。
そもそも蓄膿症の治療としては病院でネブライザー(霧状になった薬を吸う装置)を使ったり、抗生剤を投与したりして治療する事が本来の形になります。
ですからいくらチクナインが蓄膿症に効果があると言ってもそれだけで治療が済んだとは考えない方がいいでしょう。またそれなりの期間は続けて服用する必要があります。
もちろんチクナインを飲むことで蓄膿症の症状が改善するのであればそれはそれで全く問題ありませんが、もしチクナインをいくら飲んでも症状の改善が見られない場合や、蓄膿症の症状がひどい場合などは病院受診を優先するようにしましょう。
例えばうつむくと顔面痛があったり頭部の痛みを感じる、発熱がある場合には副鼻腔炎の特徴となりますので、症状が続く場合や我慢できない痛みの場合には1週間程度様子を見て改善がない場合は受診をおすすめします。
ですからチクナインをすすめる人は症状が比較的軽めの場合(ただ鼻症状が続く場合など)や、症状がひどくても病院に行く時間がない人などが一時的に使用する事を推奨します。
※メーカーのHPにも「蓄膿症かな?と思う症状が出たら、耳鼻科で診察を受けましょう。」と記載されています。
チクナインは7日分で2000円の薬です。ネット上ではさらに安くはなっていますが決して安い薬ではありません。ですからまずは7日分を試してみて、自分に合う・合わないを見極めてから長期タイプを購入してみましょう。
チクナインの値段が高いと思った時
蓄膿症に効く市販薬はあまり発売されていませんが、中にはチクナインと同成分の辛夷清肺湯を配合しており、なおかつチクナインよりも成分が多く入っていて値段も安い薬があるので紹介します。
辛夷清肺湯エキス錠(チオセルエース)
こちらは2000円(90錠)、4800円(240錠)となっておりチクナインよりも安いです。特に長期で飲む場合にはかなりお得になっています。
ただ1回に4錠・1日3回の服用になりますので、飲む手間としてはチクナインの方が楽です。またチクナイン程有名ではないため、ドラッグストアなどには売っていない可能性もあります。
もしチクナインの効果が実感できた人はネットで辛夷清肺湯エキス錠(チオセルエース)を購入しましょう。240錠入りは20日分になりますので長期服用にも適しています。
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