皮膚の薬

美容にも使われるビタミンCをなるべくお金をかけずに選ぶ方法

 

今回はよく美容目的でも使用されるビタミンCについて簡単に紹介していきます。

 

ビタミンCの製品は医薬品をはじめサプリメントでも多く発売されていますが「どれを選んだらいいか分からない」「安くて効果の高いものが欲しい」と考える人も多いと思いますので、ここではオススメのビタミンCも併せて紹介していきたいと思います。

ぜひ参考にしてみてください。

ビタミンCに関して 厚労省

 

ビタミンCの働きについて

まずビタミンCの働きを紹介していきます。

 

○抗酸化作用

皮膚は紫外線を浴びると「活性酸素」というものを作り、皮膚にダメージを与えてしまいます。その結果皮膚の代謝が落ちて「シミ」や「シワ」ができやすくなります。
そこでビタミンCは「抗酸化作用」によって活性酸素が過剰に作られる事を防ぎ、シミの生成を抑える事が可能になります。

そして活性酸素を抑えることは皮膚だけでなく動脈硬化の予防や老化・免疫低下なども防ぐ事が分かっています。

またビタミンCを摂取する事により「貧血の解消」にもつながります。これはビタミンCと鉄を一緒に摂取すると、鉄の吸収が良くなるためです。これも「抗酸化作用」の効果のひとつです。

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○コラーゲンの生成を助ける働き

皮膚は外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つから成りますが、皮膚の大部分を占める「真皮」の大半を占める繊維成分は「コラーゲン」となります。そしてコラーゲンは皮膚の新陳代謝において重要な役割を果たします。ですからコラーゲンが作られるという事は、皮膚の代謝を良くする事になり皮膚のハリやツヤに大きく関係してきます。

そしてコラーゲンの合成を助けるのがビタミンCになります。よく「コラーゲンはビタミンCと一緒に取りましょう」と言われるのも、ビタミンCによるコラーゲン生成補助効果を期待しての事になります。

新しい皮膚科学

ある研究によるとコラーゲンペプチドとビタミンCやビタミンE等を配合した栄養補助食品が皮膚にどれ程の影響を与えるのかを調べた結果、皮膚の水分補給・弾力性・粗さ等において何もしていない群と比べて優れた結果を残したとの報告もあります。PMID: 31627309

 

※もし肌の事を考えてビタミンCを取るならばコラーゲンペプチドも併せて取る事を推奨します。

 

○壊血病の予防

ビタミンCの不足により壊血病のリスクも高まります。

「壊血病」とはビタミンCの欠乏により生じるもので疲労倦怠、イライラ、貧血、歯茎からの出血、貧血などの症状がおきる病気です。壊血病は1日にビタミンCを6~12㎎摂取していれば発症しないとされている事から日常生活において壊血病になる事はまれですが、偏った食生活や喫煙者(喫煙者はビタミンCの必要性が高い)においてはこれらの壊血病の症状が出る可能性も否定できません。

 

病院でも使われるシナールやハイシーと同じ市販薬

病院で使用されるビタミンCと言えばシナールやハイシーが有名ですが、ここではこれらに類似している市販薬を紹介していきます。

 

○シナールEX

現在医療用シナールと全く同じ市販薬は発売されていません。
しかし医療用シナールをさらにパワーアップさせたシナールEXと言う薬が発売されています。これは医療用シナールと同じ製薬会社である塩野義が発売しているビタミンCになるのですが、医療用シナールと比べてビタミンB2とビタミンEがプラスされた作りになっている薬になります。1包・1錠あたりのビタミンC量も多めです。

 

○ハイシー

ハイシーに関しては市販薬でもそのままハイシーの名前で発売されています。発売元も同じ武田薬品(市販薬は現在アリナミン製薬)からの発売です。ただし医療用ハイシーと市販薬ハイシーは名前は同じですが市販薬の方にはビタミンB2も配合されて1包・1錠あたりのビタミンC量も多いです。

いずれも医療用のビタミンCよりもパワーアップはしているのですが値段が高いのがネックになります。1か月分で約2000円はかかってしまいます。

 

ではここからは「ビタミンCを試してみたい」「でもあまりお金はかけたくない」と言う人にオススメの選び方を紹介していきたいと思います。

 

ビタミンCを試したい人にオススメのサプリメント

具体的にどのビタミンCを選べばいいのかと言う話ですが、厚生労働省はビタミンCを「1日に1g以上の量を摂取する事は推奨できない」としています。

これはビタミンCは過剰に摂取しても吸収が低下し、尿として排出される量が増えるだけになってしまう事。ただし腎機能が低下している場合には腎シュウ酸結石のリスクが高まる事や消化器症状が出る可能性もあること等が理由として挙げられます。

 

一方で市販のビタミンCは1日量が2gと設定されているものが多く値段もそこそこ高かったりします。ですからおすすめの市販のビタミンCの選び方としては1日1gの摂取をメインとしてなるべく値段の安いものから初めてみる方法を推奨します。

上でビタミンCとコラーゲンペプチドを一緒にとる事で皮膚状態を良くすると言いましたが実際にビタミンC500㎎程度だとコラーゲンペプチドと一緒に飲んでも意味がなかったとの報告もあります。ですからビタミンCはできれば1000㎎を摂取したい所です。PMID: 24131075

そしてビタミンCを選ぶ時に迷うのが「医薬品の方がいいのかサプリメントでもいいのか」と言う疑問です。ただこれはどちらでも構いません。

 

例えば鉄剤はサプリメントや医薬品から摂取するのと食べ物から摂取するのとでは吸収される度合いが異なりますが、ビタミンCに関しては食事から摂取してもサプリメントから摂取しても生体利用率に差はないとされている事から、外部から補充するには非常に効率のいい栄養素となっているためです。

 

これらをまとめると

・1日1gのビタミンC
・サプリメントでOK

これを満たすだけとなると大分ハードルが下がると思います。

 

具体的にはDHCのビタミンCがいいと思います。徳用の90日分でも500円程度ですしビタミンCも1日に1g摂取できますから十分でしょう。ある程度まとまった期間服用する必要があるものになりますのでちょうどいいかと思います。

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