ガスター10を欲しいと思っていざドラッグストアに行くと
「ガスターは薬剤師がいないので売れません」
と言われたり、そもそもガスター10を置いていないドラッグストアがあって困った事はありませんか?
ガスター10は病院で使われていた薬を市販でも購入できるようにしたために、ドラッグストアでは薬剤師が販売しないといけない事になっている「第一類医薬品」という分類に分けられているんです。ちなみにロキソニンSなどもこの第一類医薬品に分類されています。
しかしいざガスター10が欲しい時にそんな事情があったとしてもとても困りますよね。
そんな時にガスター10の代わりとなる胃薬としてパンシロンキュアSPが挙げられる事があります。もちろん薬剤師がいなくても買えます。
ではどうしてパンシロンキュアSPが挙げられるのか気になる人も多いと思いますので、今回はパンシロンキュアSPについて紹介していきたいと思います。
どうしてガスター10は人気が高いのか
そもそもなぜガスター10がこれほど効く胃薬という事で有名なのか説明します。
ガスター10は「胃酸が出るのを抑える」これに大変特化した薬なんです。
特化と言うかはっきり言って効果はこれだけです。意外ですよね。
これが総合胃薬ならば消化を助ける成分や胃を活発にする成分、痛みを抑える成分などが配合されています。しかしガスター10は胃酸が出るのを抑える成分しか配合されていません。
ただガスターはこの胃酸を抑える強さがかなり強い市販薬になるんです。
そして胃の中というのは、食べ物を溶かすための「胃酸」と、胃酸から「胃を守るための物質」がバランスよく働く事で、特に問題なく食べ物を溶かしてくれる事ができるんです。
しかし何らかの原因で胃酸が出過ぎてしまい、胃酸から胃を守る物質でも守り切れなくなってしまった場合に胃酸は胃に悪影響を及ぼします。具体的な症状で言えば胃の痛みや胸やけなどが起こります。
そこでガスター10は、そんな胃酸自体が出るのを抑えます。
しかもその胃酸を抑える作用がガスターは市販薬の中ではトップ。
病院で使われる薬には更に強いものがありますが、市販で買えるものの中では一番強く胃酸が出るのを抑える事ができるんです。
だからガスター10は市販の胃薬の中で一番人気があるんですね。
ちなみに胃酸が出過ぎてしまう原因というのは、ストレスや食事など様々な要素が考えられます。
ガスター10の代わりパンシロンキュアSPが挙げられる理由
ではガスター10の代わりになる胃薬を探すとすれば、胃酸を抑える作用があればいい事になりますが、基本的に多くの胃薬の中には「胃酸が出るのを抑える薬」ではなく「出た胃酸を弱くする薬」が大半です。
この違いがいまひとつピンとこない人も多いかと思いますが、イメージとしては火事になる前に火を消すのではなく、火か付いてしまってから火を一生懸命消すイメージです。しかし消すのは大変力のいる作業になり、できれば火が付かない様にするに越した事はありませんよね。
ですからガスター10の代わりになる胃薬というのはガスター10同様に「火が付かないようにする働き」つまり胃酸が出ない様にする胃薬を探す必要があるんです。
そして胃酸の力を弱める胃薬が多い中でパンシロンキュアSPはガスター10と全く同じではありませんが、胃酸が出るのを抑えてくれる効果があります。
これはパンシロンキュアSPは「M1ブロッカー」と言って、胃酸が出るのを抑える働きの成分を配合しているためになります。ちなみにガスター10は「H2ブロッカー」という成分を配合しています。
パンシロンキュアに配合されているM1ブロッカーはガスターほど強力ではありませんが、同じ胃酸の分泌を抑える事ができる成分となっています。
さらにパンシロンキュアSPには出た胃酸の作用を弱める成分も配合されていますので胃酸を出るのを抑えて、さらに出てからも胃酸の力を弱める事ができるんです。おまけにパンシロンキュアSPには傷ついた胃を修復してくれる働きや胃を守ってくれる働きもあります。
つまり胃酸を抑える強さはガスターには敵わないにしろ、その他諸々の成分で胃酸を弱めたり胃を守ったりする効果が可能となるんです。
実際に胃潰瘍に使用できる胃薬として優先順位は高くありませんが推奨されています。ただ市販薬の量は推奨されている量よりも少ないため同じ効果が得られない可能性もありますが、パンシロンキュアSPは色んな成分が配合されているため一概に弱いというわけではありません。消化性潰瘍診療ガイドライン
<パンシロンキュアSPの成分>
●水酸化マグネシウム 450㎎・・胃酸を中和する作用
●合成ヒドロタルサイト 780㎎ ・・胃酸を中和する作用
●沈降炭酸カルシウム 900㎎ ・・胃酸を中和する作用
●アルジオキサ 150㎎・・粘膜の治癒、胃酸の中和
●ピレンゼピン塩酸塩水和物 46.9㎎・・胃酸分泌抑制
●炭酸水素ナトリウム 240㎎・・胃酸を中和する作用
●チンピ末 300㎎・・健胃作用
そしてなんと言ってもパンシロンキュアSPの特徴としては薬剤師がいないドラッグストアで購入する事が可能なんです。パンシロンキュアSPには錠剤も散剤ありますので、どちらを選んでも結構です。
<パンシロンキュアSPとガスター10の値段>
パンシロンキュアSPは4日分で950円になります。
一方のガスター10は3日分で980円です。
するとパンシロンキュアSPの方が安いですね。そして実際の販売価格もパンシロンキュアSPの方が値下げされていることが多いです。
しかし値段でガスター10かパンシロンキュアSPかを選ぶのは正しくありません。もしガスター10を購入できる環境ならば、効果を考えてなるべくガスター10を購入するようにしてください。その方がトータルでお金がかからない可能性もあります。
全ての胃の症状にガスターがベストではない
ガスター10は胃薬で一番効く薬として有名ですが、必ずしも胃薬としてベストかと言えばそんな事はありません。
なぜならばガスター10は上でも書いた通り、胃酸が出るのを抑える力は大変強力ですが、消化を助けたり、弱った胃の働きを活発にしてくれたりする効果はほとんどないからです。
ですから胃薬を選ぶ時は「ガスター10が1番効くみたい!だからガスター10を買う」という選び方はしない様にしましょう。
詳しくはこちらも参考にしてみてください。
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