風邪薬

糖尿病でも安心して使える市販の風邪薬の紹介

 

市販の風邪薬を飲む際に注意すべき事に「眠気」を挙げる人が多いと思いますが、実は風邪薬で起こる副作用には血糖値が上がる事があるんです。

 

もちろん全ての風邪薬で血糖値が上がる訳ではありませんし、劇的に上がってしまう訳ではありませんが、決して無視できない副作用になります。

※薬の箱や説明書には糖尿病の人は事前にしっかり相談する事の旨が記載されています

 

そこで今回は糖尿病の人でも安心して使用できるおすすめの市販の風邪薬を紹介したいと思います。

中には逆に血糖値を下げてしまう成分を配合している風邪薬もありますので、これらを含めて、もし風邪をひいてしまって病院に行く時間がない人、安全な市販薬を飲みたい人はぜひ参考にしてみてください。

 

市販の風邪薬で血糖値が上がる理由

なぜ風邪薬で血糖値が上がってしまうのかと言いますと、風邪薬に配合されている咳に効く成分が原因となります。具体的な成分を挙げますと

・メチルエフェドリン

・プソイドエフェドリン

・葛根湯など一部の漢方

などが挙げられます。そして

・サリチルアミド

・アセチルサリチル酸

これらは逆に一部の血糖値を下げる薬と併用する事で血糖値を下げる可能性があります。

※ただしこちらを配合している風邪薬はかなり少ないです

 

「メチルエフェドリン」は気管支という空気の通り道を広げる事で、呼吸を楽にして咳を鎮める効果があり「プソイドエフェドリン」は鼻粘膜の血管を収縮させて鼻づまりを解消してくれる効果があります。そして葛根湯など一部の漢方に含まれるマオウにはエフェドリンを含みます。

 

これらの薬は同時に「交感神経」という身体を活動的にさせる神経を刺激する効果があり、その結果血圧を上げたり血糖値をあげてしまうのです。

 

そして「サリチルアミド」「アセチルサリチル酸」は解熱鎮痛剤になりますが、こちらは血糖値を下げるホルモンであるインスリンと併用してしまうと、インスリンの作用を強めてしまうため、低血糖の副作用を起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。

ですからこれらの成分が配合されている市販の風邪薬は糖尿病の人は使用できませんので注意してください。

・市販の風邪薬は血糖値を上げる「メチルエフェドリン」「プソイドエフェドリン」が配合されている

・かたや「アセチルサリチル酸」「アスピリン」などを配合している風邪薬はインスリン等の併用によって血糖値を下げて低血糖を引き起こしてしまう可能性がある

 

糖尿病でも使える市販の風邪薬

では実際に糖尿病の方でも安心して使用できる風邪薬を紹介していきたいと思います。

総合風邪薬ではパブロンSゴールドW

こちらは顆粒タイプと錠剤タイプが発売されています。

「熱」「咳」「鼻」「たん」などの風邪症状全般に効果がありますが、特にたんに効く成分が2種類配合されており、痰絡みの咳がある人におすすめとなります。

8歳から使用可能となりますので、家族で共有して使用する事も可能です。

<パブロンSゴールドWの成分(1回量あたり)>
アンブロキソール塩酸塩・・・15mg
L-カルボシステイン・・・250mg
ジヒドロコデインリン酸塩・・・8mg
アセトアミノフェン・・・300mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・2.5mg
リボフラビン(ビタミンB2)・・・4mg

 

眠気がない風邪薬ならパブロン50

糖尿病の人にとって市販の風邪薬の欠点としては言わずもがな「血糖値が上がってしまう」という欠点がありますが、それに加えて「眠気が出てしまう」という欠点を誰もが感じているのではないでしょうか。

 

しかしそんな血糖値に影響を与えず眠気が出ない市販の風邪薬があるんです。

それはパブロン50になります。

こちらも錠剤タイプと顆粒タイプがあります。

 

パブロン50は咳に効く漢方の麦門冬湯を配合しており、また痰を出しやすい成分や解熱鎮痛剤も配合しているため「熱・頭痛・咳・たん」に効果のある市販の風邪薬となるんです。

<パブロン50の成分(1日当たり)>
アセトアミノフェン・・・150mg
グアヤコールスルホン酸カリウム・・・80mg
麦門冬湯乾燥エキス・・・600mg

 

ちなみに麦門冬湯という漢方は血糖に影響を及ぼす事はありませんので、安心して使用できます。

ただしパブロン50は鼻に効く成分が配合されていませんので、鼻水やくしゃみには効果は期待できません。

 

喉の痛みと発熱ならイブプロフェン単体

もし風邪の症状が喉の痛み頭痛ならば風邪薬は不要です。

そんな時はイブプロフェンを飲みましょう。

 

このイブプロフェンは解熱鎮痛効果が高く風邪の場合の頭痛や関節痛や喉の痛み、そして解熱作用もあるため、そこらへんの風邪薬よりも痛みや熱に対する効果は強めになるんです。そしてその時には催眠鎮静剤やカフェインが配合されていない単剤の薬を選んでください。リングルアイビー等が推奨できます。ロキソニンの単剤でもOKです。

ただしイブ錠は15歳未満は使用できませんので注意してください。

 

知らずに風邪薬を飲んでしまった場合

もし血糖値に影響がある事を知らずに、上記で紹介した以外の風邪薬を飲んでしまった場合でも慌てる必要はありません。

 

まず風邪薬の成分で血糖値が上がるため注意が必要なのは事実ですが、血糖値を爆発的に上げる事はほぼありません。もし血糖測定器がある人はいったん測定しましょう。

そして異常に高すぎる、高い状態が続く場合は病院へ行くようにしてください。

おそらく時間が経てば落ち着いてくるはずですので、それでも高血糖状態が続く場合は病院を受診するようにしましょう。

 

この時に絶対にやってはいけない事は自己判断で血糖の薬を追加で飲むこと

この場合過度に血糖値を下げてしまう可能性もあり、デメリットの方が遥かに大きいため絶対に自己判断で糖尿病の薬を飲まないようにしてください。

 

こんな時は病院へ

今回は病院を受診できない場合や軽めの風邪の場合、市販の風邪薬で対応するためにおすすめの市販薬を紹介してきましたが、糖尿病がある人は重症化のリスクもあるため基本的には受診を推奨します。ただ時間的に受診ができない場合もありますので以下の時は絶対受診の目安としてみてみてください。

 

  • 嘔吐・下痢がとまらない、38度以上の高熱が続くとき
  • 食事が24時間にわたって、全くとれない、または極端に少ないとき
  • 血糖値が350mg/dL以上が続くとき
  • 意識の状態に変化があるとき

国立国際医療研究センターHPより

 

これらの場合はなるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

そして風邪の時に注意しなければならない事が「風邪の時は食事が取れないから血糖値が上がらない」と言った思い込みに注意するということ。

風邪の時に食事が取れなくても、体内では血糖値を上げるホルモンが分泌され、血糖値は上がってしまう事があるんです。

 

ですから風邪の時でもなるべく消化の良い食べ物を食べ、そして薬を飲んでいる人は薬をしっかり飲むようにしましょう。

ただし食事の量や体調によっては服用中の薬でも調整が必要な場合がありますので、もし自分の飲んでいる薬はどのくらい飲めば良いのか分からない場合は、薬を渡してくれた調剤薬局の薬剤師に電話で聞いてみたり、病院に聞いてから判断してみてください。

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