不眠の薬

市販のドリエル以外の睡眠薬とサプリメントを紹介

 

今回は市販の睡眠薬とサプリメントについて紹介していきたいと思います。

 

しかし正確に言えば市販で購入できるものは「睡眠薬」ではなくドリエルなどの「睡眠改善薬」であったり「鎮静剤」の分類になります。

この違いは睡眠改善薬は寝つきを良くするものであり、睡眠薬は半強制的に眠らせると言ったイメージが近いと思います。犯人が飲み物に睡眠薬を入れて眠らせるシーンを見たことがある人もいると思いますが、犯人が飲み物に入れている薬はおそらくドリエルではありません。

 

ただ現状市販薬として病院と同じ睡眠薬を購入することはできません。そしておそらく病院でもらう睡眠薬を将来的にも市販で購入できる時はやってこないでしょう。

 

しかし中には「病院に行って睡眠薬を貰うまではないがたまに眠れない時がある」「寝つきを良くしたい」と言う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は市販のおすすめの睡眠薬とサプリメントを紹介していきたいと思います。眠れる薬を探している人はぜひ参考にしてみてください。

 

市販の睡眠薬とサプリメントの紹介 

最も知名度の高いドリエル

ドリエルは市販の睡眠薬の中で最も知名度の高い薬と言えます。

と言うよりも正確にはドリエル以外の選択肢がないと言った方がいいでしょう。

 

ドリエルの成分は「ジフェンヒドラミン」となりますが、これはもともとかゆみ止めの薬の副作用として「眠気」が起きたものを利用した薬になります。

実際に病院で使用されている「ジフェンヒドラミン」を成分としたレスタミンコーワ錠と言う医療用医薬品を1493人のうち519人(34.76%)に眠気の副作用を感じています。

引用:レスタミンコーワ錠IF

 

またドリエル(ジフェンヒドラミン)を対象にした研究でも不眠に効果があるとされるものもあるため、普段から睡眠薬を使用しない人や単発で使用する人にとっては有効になるでしょう。

ドリエルに関してはさらに詳しく、より値段が安い薬もこちらで紹介しています。

市販の睡眠薬ドリエルを詳しく紹介します
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鎮静剤配合のウット

そんなドリエル一強に対して他の市販薬の選択肢としてはウットがあります。

ウットはドリエルと同じ成分の「ジフェンヒドラミン」を配合し、さらに鎮静作用のある「ブロモバレリル尿素」と「アリルイソプロピルアセチル尿素」を配合しています。ちなみに医療用ブロモバレリル尿素に関しては不眠症での適応があります。

<ウットの成分>
ブロモバレリル尿素・・・250mg
アリルイソプロピルアセチル尿素・・・150mg
ジフェンヒドラミン塩酸塩・・・25mg

そしてこのウットは比較的即効性が高いです。

と言うのも鎮静剤であるブロモバレリル尿素は効果発現時間は投与後 20~30分で 3~4 時間持続するとされおり、またアリルイソプロピルアセチル尿素は最も体内での薬の濃度が高くなる時間(最高血中濃度時間)が約1時間なのでジフェンヒドラミンの2~3時間と比べてもかなり早い事が分かります。

ブロモバレリル尿素IF SG配合顆粒IF

 

では「ドリエルの成分も配合して、さらに効き目の早い鎮静剤も配合しているならドリエルは不要なのでは?」と思うかもしれませんが、そうもいかない理由があります。

それはウットに配合されている成分の量のためです。ウットは1回あたりのジフェンヒドラミン(ドリエル成分)がドリエルの6分の1。そしてブロモバレリル尿素の量も医療用の6分の1です。

 

これはウットはドリエルと違って1日1~3回飲む薬になるため、1回あたりの成分量が少なくなってしまっているんです。ですからウットはドリエルの上位互換とはならないため、あくまでも選択肢の1つとして考える方がいいでしょう。

そしてなによりウットは長期で使用すると依存性の恐れがありますので使うとしても最終手段、もしくは使う機会が多そうな人は初めから利用しない事を推奨します。

 

睡眠に良い影響を与えるサプリメント

睡眠に関係するサプリメントや健康食品はネットや通販で非常に多く発売されています。しかしどれも値段がそこそこ高く、本当に信頼できるのか極めて微妙なものばかりです。

そこでどのサプリメントが最も有効なのか考えてみます。

 

まず最初に睡眠薬としてこれまでの薬は違う効き方をする薬である「ロゼレム」という薬が2010年に発売されました。このロゼレムはこれまでの睡眠薬と何が違うのかと言えば、睡眠に関わる催眠作用や睡眠リズムを調節する機能である「メラトニン」と言う物質を放出させるタイプのものになります。

そしてこのメラトニンはドリエル(ジフェンヒドラミン)等と効果を比較した研究もおこなわれており、睡眠の開始や睡眠の質に対してメラトニンの方が有益な効果が認められた。とされています。PMID: 27057416

 

しかしこのメラトニンを含むサプリメントはアメリカではサプリメントとして発売されていますが、残念ながら日本ではメラトニンのサプリメントは販売されていません。

ただメラトニンと言う物質は正式名称が「Nアセチル-5-メトキシトリプタミン」と言う名前からも想像がつくと思いますが、メラトニンはトリプトファンと言うアミノ酸から作られるものになります。ですから市販の睡眠をサポートするサプリメントにはトリプトファンが多く配合されているんですね。

 

またサプリメントとして有効なものに「GABA(ギャバ)」と「テアニン」が挙げられます。この2つの成分は動物実験で睡眠の質と時間を回復してくれる研究があります。GABAはなんとなくリラックスする成分として耳にしたことがある人も多いかと思いますが、GABAと一緒にテアニンを取る事で更にに効果が増したそうなんです。PMID: 30707852

 

また睡眠サプリメントでおなじみの「グリシン」もメカニズムは分かっていないものの、臨床的に効果を実感できる人もいるアミノ酸になります。PMID: 25533534

 

以上の事をまとめると

・メラトニンはドリエルよりも推奨されるがメラトニンは市販化されていない

・ただしメラトニンの成分となるトリプトファンは発売されている

・GABAは睡眠時間や質に効果的。テアニンも同時だと更にいい可能性がある

・グリシンも睡眠の質の改善に有効の可能性がある

という事になります。

 

そしてこれを満たすサプリメントは複数発売されていますが値段が安くて1カ月分入りのある休息サプリがお試しとしてもおすすめでしょう。

市販の睡眠薬はあくまでも睡眠サポートとして

市販の睡眠薬は種類も少なく、また長期で使用するには安全性が確立していません。

また確かに眠くなる効果はあるとしても、睡眠自体の質に影響を与える事もあるので長期の使用には適していませんPMID: 24673474

 

ですからあくまでも市販の睡眠薬は眠れない時の短期サポートとして使用するようにしてください。ちなみに不眠症の定義は医学的な診断基準だと

・寝付くのに時間がかかる(入眠困難)

・寝付いても夜中に目が覚めてしまう(睡眠維持困難・中途覚醒)

・朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)

これらの訴えが週3回以上起こることが1カ月以上続き日中の生活に支障をきたしてしまう事が目安となります。

 

今回紹介した休息サプリなどのサプリメントはドリエルなどと比べても比較的安全であるため継続して使用しても基本的に問題ありませんが、これらの薬やサプリメントを使用しても眠れない、眠れない日が続く場合で日常生活に支障をきたす場合には一度病院を受診する事をおすすめします。

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