今回はCMでもおなじみの「葛根湯」と「総合かぜ薬成分」をひとつにしたかぜ薬のコフト顆粒を紹介していきたいと思います。
「葛根湯」は耳にした事がある人も多いと思いますが、さらに「総合風邪薬」成分が配合されていると聞くと、何だか凄い者同士がくっついて非常に風邪に効果がありそうですよね。
しかし1+1は2にならずに、値段だけが高くなってしまうのがコフト顆粒の欠点になってしまいます。
つまり簡単に言えばコフト顆粒は最終的におすすめできませんので、その理由を紹介していきます。
目次
コフト顆粒の成分について
コフト顆粒は葛根湯と総合かぜ薬成分の大きく2種類で構成されています。
ではこの2種類を紹介していきます。
コフト顆粒の葛根湯成分は少ない
まず葛根湯は漢方の中でも特に有名な薬になり風邪の初期症状に用いられる事が多いです。
薬の効き方としては身体を温める効果で発汗を促し、そして熱を下げるという働きになります。また葛根湯には鼻風邪であったり筋肉をほぐす働きもありますので肩こりなどにも使用されています。
そのためコフト顆粒は風邪症状の中でも鼻風邪や筋肉の痛みや関節の痛みなどにも効果があるとされています。
しかしコフト顆粒に配合されている葛根湯は病院で使用されている純粋な葛根湯よりも少ない量しか配合されていません。ですから病院と全く同じ効果とはいかない場合もあります。
コフト顆粒は咳・鼻・たんに効く
コフト顆粒の西洋成分には以下の成分が配合されています。
アセトアミノフェン:解熱鎮痛剤
クロルフェニラミン:鼻水・くしゃみ
ジヒドロコデイン:咳止め
グアイフェネシン:たん
カフェイン:頭痛の鎮痛補助
ビタミン2種類
一般的な風邪薬に配合されている成分が使用されています。
実際に配合されている薬の量も普通の風邪薬と変わりませんので(解熱成分が一般的なかぜ薬より少な目ですが)、正直これだけでも風邪薬として成り立ちます。
コフト顆粒は苦味あり
コフト顆粒は漢方を配合しているため、独特の香りと苦味があります。
しかしコフト顆粒を飲んだ人の口コミを見ると、これが逆に薬を飲んで効いてくると感じる人も多い様で、むしろ苦味がメリットになっている場合もあるかもしれません。
※ただし子供が飲む場合は注意が必要です。
コフト顆粒との飲み合わせが悪い薬や持病
緑内障や前立腺肥大症、その他病院での薬の服用が必要なレベルの持病がある人はコフト顆粒を避けるかお店の人に相談してください。
またコフト顆粒と他の風邪薬や解熱鎮痛剤、鼻炎や咳の薬などは効果が重複してしまう事があるので避けましょう。
コフト顆粒は妊婦は使わない
コフト顆粒は葛根湯を配合しています。すると「漢方=安全=妊婦も使える」と間違った解釈をする人も出てきますが、正直葛根湯は妊婦に適さない場合が多いです。
またコフト顆粒に配合されている西洋成分を見ても、わざわざ妊婦がリスクをおかしてまでコフト顆粒を飲むメリットはなにひとつありませんので、妊娠している人はコフト顆粒を使用しないでください。
コフト顆粒がおすすめできない理由
コフト顆粒は葛根湯と風邪薬の2種類の成分を配合しているため、どんな風邪にもおすすめできるかと言えば決してそうではありません。
ここではコフト顆粒がおすすめできない理由を紹介していきます。
体力がない人には向かない
コフト顆粒に配合されている葛根湯は風邪の初期に使用される漢方になりますが、実は誰にも向いている漢方ではありません。
というのも葛根湯は普段から比較的体力のある人に向いている漢方になっており、逆に痩せ過ぎの人や体力が衰えている人、胃腸がかなり弱っている人などは葛根湯が向いていません。
ですから「風邪の初期だから葛根湯」と考えてコフト顆粒を選ぶのではなく、日頃の自分の体格や体調を見て判断する必要があります。
コフト顆粒の成分の矛盾
コフト顆粒に配合の葛根湯は身体を温めることで発汗作用を促し熱を下げるメカニズムの漢方になります。一方で、西洋成分のアセトアミノフェンは純粋に身体の熱を下げる働きがあります。
するとせっかく身体を温める葛根湯の作用と逆行してアセトアミノフェンが身体を冷ます働きを持ってしまいますので、薬理的には効果が矛盾する可能性がでてきます。
コフト顆粒は喉の痛みに効かない
コフト顆粒は風邪の全般に効果を発揮する風邪薬ですが唯一効果の弱い成分があります。
それは喉の痛みになります。
通常喉の痛みには「トラネキサム酸」や「イブプロフェン」などの成分が効果を発揮しますが、コフト顆粒にはそれらの成分が一切配合されていません。
ですから喉の痛みがメインの風邪症状の時はコフト顆粒はおすすめしません。
コフト顆粒は眠気の副作用あり
コフト顆粒の成分の中に「クロルフェニラミン」という鼻に効く成分が配合されていますが、このクロルフェニラミンは眠気の副作用を引き起こす事があります。
また咳に効く成分の「ジヒドロコデイン」も眠気を引き起こすことがあります。
つまりこれはせっかく葛根湯という「眠くならない風邪薬」を配合しているのに、眠くなる西洋成分を配合しているため、葛根湯のメリットを消してしまっているのがコフト顆粒になってしまいます。
コフト顆粒は値段が高い
コフト顆粒は値段が1300円(12包)となっています。
成人は1回1包ですので、1回当たり108円です。
これは市販薬の風邪薬の中でも高い価格の部類です。
その原因としてはやはり「葛根湯」を配合しているのが大きな理由になります。
そもそも葛根湯自体高めの値段になっており(ツムラの葛根湯は1回あたり120円)、その葛根湯が配合されている事に加えて、さらに総合かぜ薬成分も配合しているため値段が高くなってしまうんです。
コフト顆粒の効き目が感じられない時に選ぶべき風邪薬
コフト顆粒は上記の理由でおすすめしません。
その一番の理由はやはり葛根湯のメリットを生かしきれていない点になります。
葛根湯は風邪の症状に使用する代表的な漢方となりますが、その利点として眠気などの副作用が少ない点が挙げられます。しかしコフト顆粒は総合かぜ薬成分も配合しているため眠気が起きてしまいますし、また値段が通常の総合かぜ薬よりも高くなってしまう点も大きなデメリットと言えます。
また上でも紹介した通り、葛根湯とアセトアミノフェンの効果の矛盾により、十分な効果を発揮しない場合もあるでしょう。
ではここではコフト顆粒が効かない時におすすめの市販薬を紹介していきます。
純粋な葛根湯を選ぶ
葛根湯は上でも紹介した通り風邪の初期に使用されるコフト顆粒にも配合されている成分です。その葛根湯を単独で選ぶことで純粋に眠気がなかったり効果を感じる事ができます。
葛根湯は色んなメーカーから発売されており、錠剤タイプやドリンクタイプもありますので、自分の飲みやすいタイプを選ぶようにしましょう。
特にこだわりがなければオーソドックスな散剤タイプが値段の面で安いことが多いのでおすすめです。
喉の痛みもカバーする新ルルAゴールドDXα
総合かぜ薬を選ぶのであれば新ルルAゴールドDXαがおすすめです。
効果としてはコフト顆粒の西洋成分と似た効果を発揮しますので、熱や咳や鼻症状にバッチリ効果があります。
そしてさらに新ルルAゴールドDXαには「トラネキサム酸」「デキストロメトルファン」を配合しているため、喉の痛みと咳への効果を発揮する風邪薬となっています。
※ただしコフト顆粒同様に眠気が出る副作用がありますので注意してください。
もし喉の痛みが強い場合には「ルルアタックEX」がおすすめです。また風邪薬はコフト顆粒も含め眠気が出ますので、もし眠気が出ては困る場合にはこちらも参考にしてみてください。
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