現在ロキソニンは第一類医薬品に分類されているため薬剤師がいないと購入する事ができません。
しかしロキソニンの人気は非常に高く、ロキソニンを希望する人から「どうしてロキソニンが買えないの?」と言われる事もあると思います。
そこで今回はそんなロキソニンを求めた人相手に別の痛み止めを提案するならどの薬がベストなのかという事について紹介していきたいと思います。
目次
ロキソニンの代わりとなる市販の痛み止め
ロキソニンの代わりとなる市販の痛み止めは以下が挙げられます。
・リングルアイビーα200
・エキセドリンA
・バファリンルナi
・ナロンエースプレミアム
・漢方とその他
ではこれらを順に説明していきます。
イブプロフェン最高量配合のリングルアイビーα200
リングルアイビーα200はイブプロフェンを市販の最大量である1回200㎎配合している鎮痛薬になります。
そしてリングルアイビーα200の利点としては1日3回服用できる点と余計な成分を配合していないため副作用等のリスクも最小限である点です。
まず市販薬の中にはイブプロフェンを200㎎配合しているものも複数ありますが1日2回までのものがほとんど。おまけに単成分で1日3回飲めるのはリングルアイビーα200くらいです。また眠くなる成分やカフェインなども配合されていないため、余計な副作用を考えずに済みます。
<リングルアイビーα200の成分>
イブプロフェン200㎎
かたや気分を落ち着けるための鎮静剤が欲しい人は1日2回までしか服用が認められていませんが値段が安くブランドとしても人気のイブA錠EXがいいかもしれません。
<イブA錠EXの成分>
イブプロフェン200㎎
アリルイソプロピルアセチル尿素60㎎
無水カフェイン80㎎
頭痛に効果的なエキセドリンAとバファリンルナi
エキセドリンAを推奨する理由は頭痛に特に有効だからです。
ある研究によると片頭痛の人に対してアセトアミノフェン500㎎+アスピリン500㎎+カフェイン130㎎を配合した鎮痛剤とイブプロフェン400㎎を比較した際に前者の方がより鎮痛効果が高ったという報告がされているんです。引用:PMID: 16618262
おまけにエキセドリンAはイブプロフェンを配合していないため「私はイブは効かないのよね」と言う人に向けても推奨しやすい鎮痛薬になると思います。
エキセドリンAの成分は上の研究で使われた成分量と完全に同じ構成ではありませんが同様に対象のイブプロフェンも400㎎と通常の2倍になりますので、おおよそ似た様な結果になるのではないでしょうか。
<エキセドリンAの成分>
アセトアミノフェン300㎎
アセチルサリチル酸500㎎
無水カフェイン120㎎
こちらももし鎮静剤が配合されている方が良い場合にはエキセドリンSプラスという薬が発売されていますのでこちらを選ぶのもいいでしょう。
<エキセドリンSプラスの成分>
アセトアミノフェン300㎎
アセチルサリチル酸500㎎
無水カフェイン120㎎
アリルイソプロピルアセチル尿素30㎎
乾燥水酸化アルミニウムゲル70㎎
ちなみに上でのエキセドリンAはいわゆるAAC処方と言われるものです。
「アスピリン」「アセトアミノフェン」「カフェイン」の頭文字をとってAAC処方と呼ばれます。
そして市販薬にはこのAAC処方ではありませんが「エテンザミド」を「イブプロフェン」に代えてある鎮痛薬も多く存在します。中でも有名なものがバファリンルナiです。
<バファリンルナiの成分>
イブプロフェン130㎎
アセトアミノフェン130㎎
無水カフェイン80㎎
乾燥水酸化アルミニウムゲル70㎎
実際に「エテンザミド」を「イブプロフェン」に代えたらどのくらいの鎮痛効果があるのかに関しては、鎮痛効果を比較したエビデンス的なものはありませんので何とも言えません。ただ成分を見る以上ではそこそこ効果を期待できると思います。
おまけにメジャーな薬で値段も比較的抑える事ができるために、人によっては鎮痛薬のファーストチョイスとしてもいいかもしれません。
こちらの鎮静成分入りが良い場合にはバファリンプレミアムがいいでしょう。
<バファリンプレミアムの成分>
イブプロフェン130㎎
アセトアミノフェン130㎎
無水カフェイン80㎎
アリルイソプロピルアセチル尿素60㎎
乾燥水酸化アルミニウムゲル70㎎
エテンザミド最高量配合のナロンエースプレミアム頭痛薬
<ナロンエースロイヤル頭痛薬の成分>
イブプロフェン150㎎
エテンザミド500㎎
乾燥水酸化アルミニウムゲル66.7㎎
ナロンエースロイヤル頭痛薬の最大の特徴はイブプロフェンを150㎎も配合していながらエテンザミドも市販では市販薬の最大量である500㎎を配合している薬になります。
この場合「イブは効かない事もないんだけどもっと効けばいい」と思っている人に対しては推奨しやすい鎮痛薬ではないでしょうか。
名前に頭痛薬とついていますが生理痛でも歯痛でも効果を発揮します。
漢方やその他の鎮痛補助薬
上で紹介してきた鎮痛薬はいずれも胃を悪くする副作用があります。
では胃が悪い人には胃への影響が少ないアセトアミノフェン(タイレノールなど)がいいのかもしれませんが、鎮痛効果を考えた際に市販の配合量だと効果としてかなり劣る可能性があります。
特にロキソニンを求めてやってきた人からすると「やっぱりロキソニンしか効かない」と印象を与えてしまう事に繋がりかねません。
ではそんな時に提案できるのが漢方です。
例えば頭痛の場合にはいくつかエビデンスのある呉茱萸湯であったり、生理痛ならば芍薬甘草湯、もし生理痛自体が毎回ひどいのであれば当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などの婦人科系の漢方を4~12週間継続して服用する事で症状の緩和が期待できますので、こちらを提案するのもいいかもしれません。
その他としては生理痛の時に下腹部痛や下痢がひどい時にはブチルスコポラミンの併用を勧めたり、イブプロフェンとブチルスコポラミンが配合されたエルペインコーワを勧めるのもいいでしょう。
また打撲や捻挫などの外傷系の痛みの場合には内服よりも湿布系の方がメリットが高いため、もし皮膚が極端に弱い人でない場合にはジクロフェナクが配合されている湿布(ボルタレンEXテープ等)を推奨してみても良いと思います。
そして鎮痛補助としては鎮痛薬にカフェインをプラスする事で鎮痛作用がより高まる報告もされているため、補助的な役割としてカフェインの摂取もアリかもしれません。
ただしこの場合推奨されているカフェインの量は100~130㎎。もともと鎮痛薬にはカフェインが配合されている薬もあるため過剰摂取には十分注意してください。また日頃からコーヒーやレッドブルなどのカフェインががっつり入っている飲料等を取っている方もカフェイン中毒、そして依存症へは十分は配慮するようにしてください。
ロキソニン以外の痛み止めを推奨する際に
痛み止めにはロキソニンが一番と思っている方の場合、心理的な要素も働いてロキソニンの効果が高い事も多いです。またロキソニンは薬剤師しか販売できない事も効果の面でより心理的な影響を与えていると思います。
しかし実際にはロキソニン以外の鎮痛薬も推奨できるものが多いです。
ですから利用者とコミュニケーションを取りながら「なぜロキソニンが必要なのか」「本当にロキソニンでないといけない痛みなのか」を判断して接客してみてください。
そしてその際に今回上で紹介した痛み止めは選択肢の1つになり得ると思いますのでぜひ活用してみてください。
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もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。