ガストールは良くガスター10と比較される事が多いです。
その理由としては名前が若干似ている事と、共に胃酸を抑える効果が期待できるためになります。
そこで今回はガストールとガスターの違いや効果などを中心に、どの胃の症状により効果的に効いてくるのかなどを逆流性食道炎への効果なども踏まえて紹介していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
ガストールとガスターについて
ガストールとガスターの強さの比較
胃酸を抑える効果についてはガストールもガスターも高い効果を発揮します。
これはガストールもガスターも胃酸を抑える効果があるんですが、ガスターは「H2ブロッカー」と言いガストールは「M1ブロッカー」という名前でそれぞれ異なる部分に作用して、胃酸の分泌を抑えるためです。
ではガストールとガスターの効き目の違いですが実際にこの2つを比較した試験はありません。ただ参考までにガスターと同じH2ブロッカーと呼ばれる「シメチジン」と言う薬を比較した試験があるので紹介します。
胃潰瘍を有する患者55人にピレンゼピン(ガストールの成分)とシメチジンを投与した結果、4週間後にはピレンゼピンは48%シメチジンは57%の治癒を示しました。参考:PMID: 3535007
この結果を見る限りガストールもガスターと同系統の薬であるシメチジンに劣らない効果を発揮しそうです。
またピレンゼピンとしての胃への効果は確かに立証されており、胃潰瘍に対して行われた研究では内視鏡での治癒率が4・8・12週間後で23%・71%・76%となっています。
またこのM1ブロッカーは消化性潰瘍診療ガイドラインにおいてもH2ブロッカーに次いで推奨されています。
ただこの研究では「ピレンゼピンの量が100㎎、シメチジンの量が800㎎」となっており、ガストールのピレンゼピンの市販薬の量は47.1㎎となっているため、正直効き目の比較は難しいです。
またガストールには胃酸を抑える作用以外にも「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」や「炭酸水素ナトリウム」などと言った胃酸を中和する成分も配合されているためさらによく分かりません。
しかしながらピレンゼピンは1日あたり50㎎にすると胃潰瘍においてフラセボに対して有意差がなかったとの報告もありますので、市販薬でのピレンゼピンの効果がどれほど実感できるかは正直よくわかりません。
もしガスターが購入できるのであればガスターの方がいいと考えます。
価格と購入方法の違い
ガスターは第一類医薬品に分類されているために薬剤師がいるお店でしか購入する事ができません。
一方でガストールは第2類医薬品に分類されますので、薬剤師がいないお店でも購入する事が可能です。
【価格】
ガスター10
1580円 (12錠・6日分) 1日2錠
ガストール
1944円 (60錠・6日分+α) 1日9錠
値段としてはガスター10の方が安いですね。
ガストールがおすすめな人
ガストールがおすすめな人は
「飲み過ぎやストレス等で胃の不調を訴える人」になります。
ここで言う胃の不調とは「胃痛」「胃酸過多」などの胃酸が関連する症状です。
ガストールは胃酸から胃を保護する効果が期待できますので、アルコールやストレスで胃酸が胃を傷つけてしまう場合に胃酸を抑える事で症状の改善が期待できます。
そしてガストールは消化不良にも効果を発揮しますので、食べ過ぎなどの胃の症状にもおすすめです。
ガストールは逆流性食道炎に効果があるのか
ガストールはほとんど逆流性食道炎に使えません。
逆流性食道炎とは胃酸が胃から食道に逆流する事で起きる病気です。
そうなると胃酸を抑える効果というのが大変重要になってきます。
それを考えると確かにガストールには胃酸を抑える効果はありますが、胃酸を抑える作用としてはガストールは強さが足りません。効かない事もないかもしれませんが本格的な症状がある人は避けた方が無難です。
これはガスターの方もかなり胃酸を抑える効果が強い薬ではありますが、病院で処方される薬はガスターなどの胃薬よりもさらにワンランク上の強さの薬を使う事が多いです。
ですから逆流性食道炎の症状である「胸やけ」「胸痛」「つかえ」などの症状が長期間もしくは強くある場合に試してみて、それでもやはり効果が十分でない場合は市販の薬では対処できませんので病院を受診するようにしましょう。
それでももし市販薬で対応するならばガスター10やスクラート胃腸薬などの薬の方を優先的に使用する事をオススメします。
M1ブロッカー配合の市販薬胃薬3種類
ガストール同様にM1ブロッカーと呼ばれる成分を配合している市販薬は他にもこれらの薬が発売されています。
・ガストール
・パンシロンキュアSP
この2種類はM1ブロッカーを配合している胃薬になります。
そしてガ2種類ともM1ブロッカーだけでなく、他の胃薬の成分も配合しているので、ここでおすすめの選び方を紹介します。
「ガストール」は「ビオヂアスターゼ」という炭水化物を分解する酵素を配合していますので、食べ過ぎの方におすすめです。
「パンシロンキュアSP」は「チンピ」という胃の働きを良くする生薬と「アルジオキサ」という胃の粘膜を保護する働きがありますので、胃もたれや胃痛がある場合におすすめです。
ただし、両方ともメインがM1ブロッカーなので、他の成分は少量しか配合されていません。ですから個人的に一番おすすめな選び方は値段が一番安いのを選ぶのがおすすめします。
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