今回は花粉症の薬である「抗アレルギー薬」を紹介したいと思います。
そして数あるアレルギー薬の中から、もともと医療用として病院で使用されていた飲み薬を市販でも発売可能にした薬(スイッチ医薬品と言います)を紹介してきます。
もし病院と同じ薬を探している人はぜひ参考にしてみてください。
目次
市販の内服の花粉症薬について
値段はほぼ横並び
花粉症の飲み薬でどれが一番安いのかと気になる人も多いかと思いますが、残念ながら定価はほぼ意味をなしません。と言うのも実際の店頭価格はかなり変動している事があるからです。
これらのアレルギー薬は効果も似ている事から、定価では多少バラつきがあっても実際は大体均等になるような価格で販売されている事が多いです。
もちろん特売品などによりかなりお得な場合もありますので、実際に店頭での価格を見比べる事をおすすめします。一応定価上では「コンタック鼻炎Z」「ストナリニZ」が安くなっていますが、実際の販売価格ではやはりアレグラFXやアレジオン等と同じ成分で作られている薬が抜群に安くなっています。
市販の花粉症薬はネットでも購入可能
市販の花粉症薬は大半がネットでもドラッグストアでも購入可能です。仮に薬剤師がいないお店でも購入可能です。
※現状薬剤師の販売が必要な薬はタリオンAR錠とアレグラFXジュニアのみとなっています。
これはつい数年前まではアレグラFXやアレジオン20やクラリチンEXなどの薬も第1類医薬品という分類に分けられていましたが、2021年現在ではほぼ全てが第2類医薬品になったためです。
第1類医薬品・・薬剤師の販売が義務
第2類医薬品・・薬剤師不在でも購入可能
「同じ花粉症の薬なのにどうして販売形式が異なるのか?」と言えば、実は強さや副作用が異なるからではありません。
単純に市販で発売された順番になります。
まず最初は要指導医薬品に分類され、その後に第1類医薬品⇒第2類医薬品と変更になっていくためです。
つまり現状タリオンAR錠が最も扱いが厳格な要指導医薬品に分類されていますが、効果が一番強いと言う事ではありませんので注意してください。
要指導医薬品:ネットでの購入不可。薬剤師の対面販売が必要
皮膚のかゆみに使える市販の花粉症薬
医療用の抗アレルギー薬には花粉症などのアレルギー疾患以外にも「皮膚のかゆみ」にも効果がある薬がほとんどです。
しかし市販薬の中ではほぼ全てが「花粉症やハウスダストによる鼻症状の改善」にしか適応がありません。つまり使ってはいけないということです。
成分は市販も医療用も同じであるため当然ながら効果があるのですが、市販の花粉症薬は皮膚のかゆみ等には使用することができません。これをもし皮膚のかゆみに使用するいわゆる「適応以外の使用」をしてしまうと、仮に副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度が受けれない可能性があります。
ですから鼻症状以外には使用しないようにしてください。
ただ今回紹介した抗アレルギー薬の中で唯一「皮膚のかゆみ」にも適応がある、つまり使用しても構わない薬があります。
それは「ムヒAZ錠」「ムヒDC速溶錠」になります。
これら2つのムヒは皮膚のかゆみの症状にも使用する事が可能となりますので、もし夏場の虫刺されで飲み薬も飲みたい、だけどあまり眠気がない薬が良いという場合はこちらの薬を利用するようにしましょう。
市販の花粉症薬10種の紹介
アレグラFX
「アレグラ」の市販薬。成分名は「フェキソフェナジン」です。
【服用回数】1日2回(1回1錠)
【価格】1314円(14錠)、1886円(28錠)
【1日あたりの価格】187.7円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【コメント】
効き目と眠気のバランスが取れた花粉症治療薬。車の運転が可能なほど眠気が少ない一方で、花粉症に対して効き目を感じる人も多いです。2020年まで嵐の大野くんのCMも影響し絶大な認知と人気を誇ります。
2016年11月1日からアレグラFXは第2類医薬品となり、薬剤師がいないお店でも購入する事が可能となりました。アレグラFXと同成分で値段の安いタイプも発売されているため、値段が気になる方はそちらを選んでみましょう。
ザジテンAL鼻炎カプセル
「ザジテン」の市販薬。成分名は「ケトチフェン」です。
【服用回数】1日2回(1回1カプセル)
【価格】1200円(10CAP)2000円(20CAP)
【1日あたりの価格】240円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【使用不可】てんかんが起きた事がある人
【コメント】
ザジテンAL鼻炎カプセル以外にも「コンタック600ファースト」も同じ製品になります。実際の眠気は強めです。
エバステルAL
「エバステル」の市販薬。成分名は「エバスチン」です。
【服用回数】1日1回(1回1錠)
【価格】1400円(6錠)2000円(12錠)
【1日あたりの価格】233.3円(最小包装の場合)
【分類】第2類指導医薬品
【コメント】
1日1回で良いのがポイント。それ以外は特に特徴的な面はありません。
アレジオン20
「アレジオン」の市販薬。成分名は「エピナスチン」です。
【服用回数】1日1回(1回1錠)
【価格】1380円(6錠)1980円(12錠)
【1日あたりの価格】230円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【コメント】
知名度も高く人気の花粉症薬です。1日1回で済むのがポイント。またジェネリック医薬品の様な値段の安いポジナールEPなども発売されているため値段を抑える事ができます。
ムヒDC速溶錠
「ゼスラン」や「ニポラジン」の市販薬。成分名は「メキタジン」です。
【服用回数】1日2回(1回1錠)
【価格】1000円(12錠)
【1日あたりの価格】167円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【使用不可】緑内障、前立腺肥大症
【コメント】
動物アレルギー用として販売されていますが花粉症にも使用可能です。
ムヒAZ錠
「アゼプチン」の市販薬。成分名は「アゼラスチン」です。
【服用回数】1日2回(1回1錠)
【価格】1000円(12錠)
【1日あたりの価格】167円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【コメント】
市販の第2世代抗ヒスタミン薬の中で唯一「皮膚のかゆみ」に適応のある薬となっています。
コンタック鼻炎Z・ストナリニZ
「ジルテック」の市販薬。成分名は「セチリジン」です。
【服用回数】1日1回(1回1錠)
【価格】1600円(10錠)1886円(14錠)
【1日あたりの価格】160円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品(2017年2月1日から2類になりました)
【使用不可】重度腎障害
【コメント】
全く同じ薬が2種類発売されていますが、効果も当然変わりません。値段もほぼ変わらない事が多いです。ただしコンタックもストナリニも他に多くの種類がありますので、選び間違わないように注意してください
クラリチンEX
「クラリチン」の市販薬。成分名は「ロラタジン」です。
【服用回数】1日1回(1回1錠)
【価格】1380円(7錠)1980円(14錠)
【1日あたりの価格】197.1円(最小包装の場合)
【分類】第2類医薬品
【使用不可】重度腎障害
【コメント】
2017年1月25日に発売された薬。現在は第2類医薬品となります。花粉症薬の中では比較的妊婦にも安全に使用できることから妊娠していると病院では処方されることが多いです。
タリオンAR錠
「タリオン」の市販薬。成分名は「ベポタスチン」です。
【服用回数】1日2回(1回1錠)
【価格】1280円(10錠)2400円(30錠)
【1日あたりの価格】256円(最小包装の場合)
【分類】要指導医薬品
【使用不可】重度腎障害
【コメント】
現在発売されている第2世代抗ヒスタミンで最も新しい薬です。要指導医薬品に分類されていますので薬剤師のいる店舗でのみ販売となります。
どの花粉症薬を選ぶべきか
飲み薬の花粉症薬はどれを選べばいいのかと言いますと、もし効き目を重視するならばコンタック鼻炎ZかストナリニZを選びましょう。
実際にコンタック鼻炎Z等の成分である「セチリジン」はエバステルALやアレグラFXやクラリチンEX等と比べても花粉症の鼻症状により効果的となっています。
市販薬の中ではトップクラスの効き目です。ただし眠気が出るのがネックです。
逆に眠気を抑えるならばアレグラFXかクラリチンEXを選び、その他の薬は値段が安く販売されていた場合に使用しましょう。
ただ例年花粉症の薬を飲んだことがない人には個人的にはアレグラがいいかと思います。
理由としてはジェネリック医薬品の様な扱いのプライベートブランド商品(アレルビ)などが発売されているため値段もかなり安く抑える事ができ、また眠気も非常に少なく車の運転も可能だからです。
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もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。