めまいに効く市販の薬はあまりおすすめできません。
その理由の1つとして病院で使われるめまいの薬(メリスロンやセファドール等)は市販では発売されていないことが挙げられます。
しかし「それでも取りあえずは市販の薬で何とかしたい」と言う人に向けて、今回は一時的に使用を試してみたい人に向けておすすめの市販のめまいの薬やサプリメントを紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
※ただしめまいが長期化する時は必ず病院を受診してください
めまいに効く市販の薬
苓桂朮甘湯(漢方)
「病院で貰えるめまいの薬は市販では発売されていない」と言いましたが、漢方だけは別になります。
実際に医療現場で使用される漢方も市販で購入する事が可能なため、もし市販の薬でめまいに効く薬を試したい人は漢方を選びましょう。
苓桂朮甘湯は回転性のめまい(グルグル目が回るようなめまい)に効果があります。
苓桂朮甘湯は身体に水分が溜まっている人やストレスを溜めやすい人、体力がない人~中程度の人におすすめの薬になっています。
苓桂朮甘湯はいろんなメーカーから発売されていますが、やはり大手で少量でも発売されている「ツムラの苓桂朮甘湯」がおすすめでしょう。
※ただしどのメーカーも成分量は医療用の半分になります
<ツムラの苓桂朮甘湯の値段>
2500円(24包)
<ツムラの苓桂朮甘湯の用法用量>
年 齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
成人(15歳以上) | 1包(1.875g) | 2回 |
15歳未満7歳以上 | 2/3包 | |
7歳未満4歳以上 | 1/2包 | |
4歳未満 | 服用しない |
医療用成分配合のトラベルミンR
乗り物酔いで有名なトラベルミンRには医療用と同成分の「ジフェニドール」という成分を配合しています。
このジフェニドールは人数は少ないですが39人をプラセボ群とジフェニドール群で比較した場合にジフェニドールを服用した19人のうち15人がめまいに大して優れた効果を発揮したという論文もあります。参考:PMID: 4869300
ただしトラベルミンRに配合されているジフェニドールは病院で使用される量の半分以下で、上の論文も25㎎を1日4回の服用となっています。またそもそもトラベルミンRは「乗りもの酔いによるめまい」に使われる薬となります。
ですからトラベルミンRは一般的なめまいの治療薬としては適していません。
ただ乗り物酔いでめまいが起きる人にはかなりおすすめできる薬となっています。
またトラベルミンには「ただのトラベルミン」や「トラベルミンファミリー」などがありますが、これらには医療用成分のジフェニドールは配合されていませんので注意してください。
<トラベルミンRの値段>
1000円(6錠)
<トラベルミンR用法用量>
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
成人(15歳以上) | 1錠 | 4時間以上の間隔をおき2回まで |
11歳以上15歳未満 | ||
11歳未満 | 服用しないこと |
めまいの原因を取り除く薬を使う
めまいの種類は大きく「回転性めまい」「浮動性めまい」の2つに分かれます。
これらはその名の通りグルグル目がまわっている様なめまいであったり、フワフワ・ゆらゆらして浮いている様な感じがするめまいになります。
そしてこれらの原因として挙げられる疾患の中には神経症(うつや不安症など)、緊張型頭痛・肩こり、脳血管障害などがあります。脳血管障害の場合は病院受診が必須になりますが、もしもともと神経症や緊張型頭痛や肩こりがある場合にはこれらの原因を取り除くこともめまいの解消に役立つでしょう。
これらの原因に対応する市販薬としては神経症に有効な市販薬はほぼなく、あえて選ぶとするならば漢方の抑肝散がいいでしょう。ただしこちらは劇的な効果を期待しない方が吉です。
そして緊張型頭痛や肩こりに関しては痛み止めや湿布などを利用しましょう。具体的には飲み薬ならばイブクイック頭痛薬やロキソニンSが効き目が高いです。
また肩こりなどの湿布ならばボルタレンEXテープなどがおすすめです。
コリをほぐすタイプの飲み薬も発売されています。
めまいに有効な生活習慣とサプリメント
めまいに有効なサプリメントとしてビタミンDが挙げられます。
これは「良性発作性頭位めまい症」と言われる、末梢神経が原因で起きるめまいの中で最も多い症状である人を対象とした研究において、このめまいの再発を起こした群と再発を起こさなかった群を比較した結果、めまいの再発を起こした群にはビタミンDが明らかに欠如していたというデータがあるんです。
ただビタミンを飲む事はあくまでも補助的な役割になります。そして生活習慣としてはストレスであったり睡眠不足や過労も影響することがありますので、精神的にもリラックスするように心がけましょう。
冒頭でも書きましたがめまいの薬は病院で貰う薬は市販では購入することができません。
今回紹介しためまいの薬はあくまでも一時的なものと考えて、もし症状が長期で起こる場合はめまいが脳の疾患の兆候の可能性もありますので、必ず病院を受診してください
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