皮膚の薬

ブツブツや黒ずみにピュアルピエが効かない時の塗り薬

 

二の腕や背中や肘などにブツブツや黒ずみができてしまった時に対処法をネット検索していると

「ピュアルピエや尿素やニノキュア・クロキュアなどの塗り薬がおすすめ」

といった口コミを目にした人も多いと思います。

ただ実際にピュアルピエやニノキュアを使用してみても二の腕のブツブツや黒ずみが解消する事なく、いくら使っても変化のない人も実際は少なくないのではないでしょうか。

 

そこで今回はそんな二の腕のブツブツや黒ずみにピュアルピエが効かない理由とさらに黒ずみやザラザラに効果的なおすすめな市販薬を紹介していきたいと思います。

少しでも早く二の腕のブツブツや黒ずみを改善したい人はぜひ参考にしてみてください。

ピュアルピエはおすすめしない理由

二の腕のブツブツや黒ずみの原因について

そもそも二の腕のブツブツや黒ずみが起きてしまう原因は、古い皮膚が新しい皮膚に生まれ変わるいわゆる「ターンオーバー」が上手くいかない結果起きたものになります。

ではどうして古い皮膚が生まれ変わらないのか?という疑問ですがこれは主に遺伝が影響している場合や皮膚に過度な刺激が与えられてしまうために皮膚のターンオーバーがうまく行えない等の理由が挙げられます。

ピュアルピエが効かない理由

ピュアルピエはどの様な成分が入っているのか簡単に言いますと皮膚の生まれ変わりを助けてくれる成分は配合されていません。

ではピュアルピエは何がメインかと言うと保湿成分になります。プラセンタやヒアルロン酸、セイヨウナシ発酵液などを配合する事によって保湿を行う事で二の腕のブツブツや黒ずみを解消してくれる働きとなっています。

しかし残念ながらこの成分では皮膚のザラザラや黒ずみを抑える事に対しての効果は根拠がありません。

確かに保湿作用は黒ずみやザラザラ肌に非常に効果的になるのですがピュアルピエは効果は乏しく、黒ずみやザラザラが起きている皮膚の状態においては「尿素」などの保湿剤を使用して、新しい皮膚に生まれ変わらせる方法がベストなんです。

 

また少なくともピュアルピエよりも保湿効果のある塗り薬は多く発売されていますし、そもそも皮膚科を受診した際などに「尿素」「ヘパリン類似物質」などの塗り薬が使われることが多いのですが、こちららはしっかり根拠に基づいた結果使用されます。

かたやピュアルピエに配合されている成分を使う医師は99%いませんし、科学的な根拠に乏しく保険も適用外です。つまり値段も高くなります。

「ピュアルピエは医薬部外品だから化粧品より効く」という口コミもありますが、それならばさらに効果の高い医薬品を使用すれば済む話です。わざわざ1万円近くのお金をかけて医薬部外品を買う必要性はありません。

 

ですから正直効果も不明で、おまけに値段がかなり高く何の根拠もないピュアルピエを使用するのは絶対におすすめしません。

ではピュアルピエではなくブツブツや黒ずみに効き目がある塗り薬を具体的に紹介しています。

 

ピュアルピエ以外のおすすめの市販薬の塗り薬

尿素20%配合のメディターム20E

メディターム20Eは尿素を20%も配合している塗り薬になります。

そしてなんとこのメディターム20Eはあのクロキュアと全く同じ成分となります。つまり尿素を20%配合し炎症を抑える「グリチルリチン酸」や血流改善作用のある「トコフェロール酢酸」が同じ量配合されています。

 

ではどうしてわざわざクロキュアではなくてメディターム20Eを紹介するのかと言いますと、メディターム20Eはクロキュアよりも値段が圧倒的に安いからです。

 

クロキュアは15gで1000円弱の値段ですが一方のメディターム20Eは70g入りで販売価格は1000円を超える事はありません。つまり4倍以上の量なのに値段が安いんです。これらの薬は皮膚のターンオーバーを目的とするためある程度長い期間薬を塗り続ける必要があります。するとクロキュアと同成分で大量で販売されているメディターム20Eはかなりおすすめの塗り薬となるんです。

 

もちろん尿素しか配合されていないタイプの「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」や「フェルゼアHA20クリーム」でも構いませんが、実際の販売価格はメディターム20Eの方が安いことの方が多いです。

その他の尿素配合の安い薬はこちらも参考にしてみてください。

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尿素が肌に合わない場合はHPクリーム

もし尿素を使って刺激が強い場合や乾燥が強い場合はHPクリームなどのヘパリン類似物質を配合している保湿剤もおすすめです。

 

二の腕のブツブツや黒ずみには保湿効果が重要になります。上で紹介した尿素も保湿効果が期待できます。では他にはどの様な保湿クリームがあるのかと言いますとヘパリン類似物質を配合したものが代表的な保湿剤になります。医療用ではヒルドイドと呼ばれるものです。

 

尿素も保湿効果がありますが刺激を感じてしまう人もいます。一方のHPクリームはほとんどその様な事はおきません。そしてこのヒルドイドと同じクリームは市販ではHPクリームピアソンHPクリーム等として発売されています。値段は1本千数百円です。

 

黒ずみに効くクリームを使用する

世の中には多くの黒ずみに効く塗り薬が発売されていますが、科学的根拠に乏しいものが多いです。おまけに値段も高いです。

ただ一方で黒ずみに効果がある事がある程度証明されている成分にレチノイン酸とハイドロキノンと言う成分があります。ハイドロキノンはメラニンの生成を抑え、レチノイン酸はビタミンAの代謝物でターンオーバーを促進する働きがあります。

これらの成分は色素沈着強度、面積および重症度指数のスコアを4週目以降から有意に改善し、12週目までの間に自分の肌を意識する人の割合が80%から20%に減少したと言う論文もあります。PMID: 23461059

 

では市販の中でどれがおすすめかと言いますと、実はレチノイン酸は日本では発売されておらず、購入する場合は個人輸入になってしまいます。そしてレチノイン酸とハイドロキノンが配合されている塗り薬で値段も手ごろなものにユークロマプラスと言うものがあります。

こちらはハイドロキノンを4%配合しレチノイン酸も配合されてある1つでOKな塗り薬です。ただのユークロマではなく「プラス」が付いた方ですね。

ただし人によっては強い刺激を感じる事もあるため、合わないと思ったらすぐに使用を中止しましょう。また妊婦・妊娠する予定のある人は使用できません

 

薬は何日使えばいいのか

ではこれらのクリームを使う際に「一体何日を目安に使用すればいいのか?」という事ですが、こちらは皮膚の生まれ変わりのサイクルを考えて1か月は使用するようにしましょう

 

1か月と聞くとかなり長い様に思えますが、二の腕のブツブツを即座に治す薬は現在ありません。ですから根気強く正しい治療法を行っていくのが最短ルートになります。

 

今回紹介した尿素クリームやヒルドイドのクリームは大変基本的な治療になります。ただ中々症状の改善が見られないと他のクリームに目移りしてしまう気持ちも大変理解できます。そして「値段が高ければすぐ効く」と言った思い込みで手を出しがちになるのも自然な事かもしれません。

しかし黒ずみやザラザラに効く塗り薬で高額な塗り薬は科学的根拠の乏しいものが多く、お金もそして時間も勿体ないです。

ですから二の腕のブツブツや黒ずみの治療は根気強く基本に忠実に行ってください。

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