風邪で病院を受診した時にPL配合顆粒という薬を処方されたことがある人も多いのではないでしょうか。
このPL配合顆粒は風邪に効く様々な成分を配合している薬になります。
ただしこのPL配合顆粒は病院で医師の処方箋がないと手に入らない薬で、市販のドラッグストア等では購入する事ができませんでした。
しかし2017年にこのPL配合顆粒に大変良く似たパイロンPL顆粒という風邪薬が発売になりましたので、今回はそのパイロンPL顆粒を紹介していきたいと思います。
※2019年8月には錠剤タイプのパイロンPL錠も発売されました。こちらも併せて紹介していきます。
■これまでPL配合顆粒を使ってその効果が実感できた人
■PL配合顆粒を貰いにわざわざ病院を受診していた人
■PL顆粒とパイロンPL顆粒はどう違うのか気になる人
■そもそもPL顆粒はどの風邪にも効くのか疑問な人
これらの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
パイロンPL顆粒の口コミ
実際にパイロンPL顆粒の口コミは以下の様なものがありました。
・鼻にすごく良く効いた
・風邪薬はパイロンPLしか信じられない
・パイロンPLのCMの三森さんが可愛い
・効くけど眠くなる
パイロンPL顆粒の口コミを見る限りは効果を実感している人がかなり多く、一方副作用としての眠気を気にする人も多い様子でした。
※実際にツイッター上にあった口コミになります。
成分から見るパイロンPL顆粒の効果について
パイロンPL顆粒の効果の特徴としては以下の4つに効果を示します。
熱・のどの痛み・頭痛・鼻
1つの薬で4つの症状に効果を発揮するタイプの薬になります。
これらに効果を示すのは以下の成分がパイロンPL顆粒に配合されているためとなります。
<パイロンPL顆粒の成分とその効果>
サリチルアミド:熱、のどの痛み、頭痛
アセトアミノフェン:熱、頭痛
無水カフェイン:頭痛
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩:鼻
中でも「サリチルアミド」と「アセトアミノフェン」の2種類の解熱鎮痛成分を配合してある点が特徴です。
おまけにカフェインも配合されているため頭痛や発熱に特に効果的になります。
ただしパイロンPL顆粒には総合風邪薬には珍しい「咳に効く成分」が配合されていません。しかし実は風邪の咳に対して効果のあるとされているものは実はありません。ですから咳に効く成分が配合されていなくても、風邪薬として劣っているわけではありません。
パイロンPL顆粒の価格は若干高め
パイロンPL顆粒の値段は12包入りで1350円です。
1日3回の服用なので4日分ですね。つまり1日あたり337.5円になります。
「この値段は安いのか高いのか?」と疑問に思うかもしれませんが、風邪薬の中では比較的高い分類となります。
パイロンPL顆粒の値段が高くなる理由としては「サリチルアミド」という鎮痛・解熱・のどの痛みに効く成分が配合されているからです。この成分は一般的な風邪薬と比較して特に頭痛や喉の痛みに効果的な薬となりますので、それが配合されている分値段が高くなってしまいます。
多くの風邪薬は「サリチルアミド」ではなく「イブプロフェン」が配合されています。サリチルアミドは少し古い成分になりますので、現在はイブプロフェンがよく使用されています。
また値段が高くなる本当の理由は成分よりも病院と同じ薬だったというある意味ブランド的な側面があるのも否めません。
※ちなみにこのサリチルアミドが配合されているため15歳未満は使用する事ができません。
市販の風邪薬として買うと若干高いと感じるかもしれませんが、病院を受診してPL顆粒を処方してもらうと大体同じくらいの負担額になりますので、もし同じ薬が処方されるとするならば、お金の面で言えば病院でも市販でもいずれにしても大きなメリットはないと言えるでしょう。
もちろんこれは「定価」になりますので、実際の販売価格をしっかり確認するようにしてください。
PL顆粒の病院と市販の違い
パイロンPL顆粒と病院でもらうPL配合顆粒の成分は全く一緒です。
同じ成分が配合されています。
ただし配合されている成分は同じなんですが、その配合している量がパイロンPL顆粒は医療用のPL顆粒と比較して少なくなっており、8割程度の成分量になります。
パイロンPL顆粒 | PL配合顆粒 | |
サリチルアミド | 216mg | 270mg |
アセトアミノフェン | 120mg | 150mg |
無水カフェイン | 48mg | 60mg |
プロメタジン | 10.8mg | 13.5mg |
ただ配合量も劇的に異なるわけではありませんので、パイロンPL顆粒がPL配合顆粒と比較して極端に効果が弱いという事はありません。
新しいパイロン「パイロンPL錠ゴールド」
そして2019年には錠剤タイプの「パイロンPL錠」が発売されました。
パイロンPL顆粒もパイロンPL錠も配合されている成分と量はどちらも同じですが、錠剤タイプは1回に2錠飲まないといけません。(顆粒タイプは1回1包です)販売されている値段も同じくらいなので自分の好みに応じて選んでみてください。
そして2020年にはパイロンPL錠ゴールドが発売されました。
こちらは基本的には普通のパイロンPLと同じですが咳に効く「デキストロメトルファン」と痰に効く「ブロムヘキシン」が配合されています。咳に効く効果がなかった従来のパイロンを補う形となっています。
市販のパイロンPL顆粒がおすすめな人
パイロンPL顆粒がおすすめな人は
「これまで病院で貰っていたPL配合顆粒が風邪によく効いていた」
と言う人にはかなりおすすめです。
上記でも説明した通り配合成分は同じなりますのでわざわざ病院に行ってPL配合顆粒をもらう手間が省けます。
これをわざわざPL配合顆粒をもらうためだけに病院に行くとお金も高くかかりますし、時間もかかります。また風邪の時期に病院に行って他の病気を貰って帰る可能性もあります。
ですから普段風邪の時にPL配合顆粒を重宝している人にはぜひおすすめできる風邪薬になります。
またこれまでPL配合顆粒を使ったことがない人でも、症状が「熱・のど・頭痛・鼻」の4つの症状しかない場合にはパイロンPL顆粒はこれらに効果的な成分を配合し、余分な成分を配合していないためおすすめになります。
もし咳症状もあるならばパイロンPL錠ゴールドも選択肢になるでしょう。
※注意点として風邪にしては症状がきつい場合や、症状が続く時は必ず病院を受診するようにしてください。
パイロンPL顆粒の注意点
そんなパイロンPL顆粒ですが、全ての風邪の症状におすすめかと言えばそんな事はありません。
向いていない風邪症状もあれば、使ってはいけない持病、飲み合わせが悪い薬もありますので、これらを含めて紹介していきます。
パイロンPL顆粒を使ってはいけない人
パイロンPL顆粒は緑内障や前立腺肥大症がある人、15歳未満の小児は使用できません。
医療用には子供も使える幼児用PL顆粒がありますが市販薬には小児用はありませんので注意してください。
そして胃を悪くする副作用もありますので、胃腸が悪い方も避ける様にしましょう。
またインフルエンザの時はパイロンPL顆粒を使用する事で「脳症」を引き起こす可能性がありますので、インフルエンザが疑われる場合は使用を避けてください。
パイロンPL顆粒は妊婦は避けるべき
パイロンPL顆粒と同じ成分である病院のPL顆粒は妊娠している人に対しては以下の様な扱いになっています。
妊婦(12 週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性の ある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される 場合にのみ投与すること。PL配合顆粒添付文書より
つまり妊娠12週以内、妊娠後期でなければ問題なく使用できる、そしてまた仮にどの期間でも絶対に使えない訳ではないと言う事が示されています。
しかしPL顆粒は上でも紹介した通り、風邪全般に効く薬となり妊娠している人がパイロンPL顆粒を飲んで生じるリスクを考えるのであれば絶対に初めから病院を受診することをおすすめします。
あくまでも「妊婦だけどパイロンPL顆粒を飲んでしまった」と言う人が不安にならなくても済むレベルの話しですので、わざわざパイロンPL顆粒は選ばないようにしてください。
パイロンPL顆粒は授乳中も使える
パイロンPL顆粒は授乳中でも使用可能です。
しかし長期で使用することは好ましくありませんので、使用するとしても短期間の使用に留めるようにしましょう。
パイロンPL顆粒は眠気の副作用あり
そして風邪薬と言えば「眠気」が問題視されますが、このパイロンPL顆粒も眠くなる副作用が起きます。
ですから車の運転などを行う人や、これから大切な試験や面接などがある際にはこのパイロンPL顆粒は服用しないようにしてください。
パイロンPL顆粒とロキソニンの飲み合わせ
パイロンPL顆粒自体にも痛みを抑える成分が配合されています。
しかし中にはパイロンPL顆粒を飲んでも頭痛や生理痛がひどい場合にイブやロキソニンを追加で飲みたい人もいるでしょうが、これらの薬を一緒に飲むことはできません。
その理由としてパイロンPL顆粒の鎮痛成分がイブやロキソニンと同じ様な働きをしてしまうために、効果が重複してしまい消化器障害などの副作用が起きるリスクが上がってしまうからです。
ですからパイロンPL顆粒を飲んでしまった時はイブやロキソニンを飲まないようにしましょう。
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