ステロイドの軟膏は非常に多くの場面で使用されます。
単純な虫刺されから免疫系の皮膚疾患まで使われ、おそらくここを見ていらっしゃる方は1回は使用した事があるのではないでしょうか。
しかしそんなステロイドですが中には「ステロイドの間違っている認識」を持っていると思います。それによりステロイドを使う事を躊躇したり、十分な効果を発揮できなかったりする場合がありますので、これを機にぜひステロイドとの向き合い方を変えてみてください。
ステロイドを塗ると皮膚が黒くなる?
よく「ステロイドの副作用で皮膚が黒くなるから塗りたくない」という人を見かけます。
しかしそれは間違いです。
そんな事は決してありません。
そもそもステロイドを使用しなければならない状態というのは皮膚が炎症を起こしている状態がほとんど。それをステロイドの力を借りて炎症を抑えたり、ぶり返したりしながら症状の改善をはかっていくのですが、その過程で「メラニン」と言う黒色の色素を産生してしまうんです。
結果そのメラニンが皮膚に残ってしまい皮膚の色が黒ずんで、あたかも「ステロイドを使ったために皮膚が黒くなった」かのような印象を受けてしまうんですね。
また「ステロイドを塗った後に日光に当たるとこれまた皮膚が黒くなる」という事も言われますがこれも間違いです。
これはステロイドに配合してある「油」の部分が影響しているためです。
イメージとしては日焼けをする時にオイルを塗りますよね。あれと一緒で、ステロイドに混ざってある油の部分がオイルの役割をはたしてしまい、皮膚が黒くなってしまうんです。
ただ直接的な問題はないとは言え、長時間日光に当たる場合にはやはり避けていた方が無難です。
ステロイドは1日でも早くやめた方がいい?
「ステロイドは強い薬なのであまり塗らない方がいいから症状がひどい時だけ塗る」
「初めから使ってはいけない」
「良くなってくたらスパッとやめた方が良い」
これらのステロイドの認識はすべて間違いです。
もちろんすべての皮膚症状が当てはまるわけではありませんが、ステロイドだからと言って使うのをやめるのを最小限に留めるのはではなく、ある程度使用しながら症状が落ち着いたら徐々にステロイドの回数を減らしたり、強さの弱いステロイドへ変更していくのがベストです。
これを始めから少しずつ使用していたり症状があるときだけ使用していると、結果長期間使用しなければならない事に繋がりますし症状の改善が遅れてしまいます。
ですからステロイドを使用する時はある程度しっかり使用し(始めは1日2回程度が目安となります)、そして症状が改善してきたら1日1回に減らすようなイメージです。
ただ長期間の使用には適していませんので1~2週間使用しても改善が見られない場合には使用するのを中止して受診を検討してください。
ステロイドの何が怖い?
「ステロイドは怖いのであまり使いたくない」
という人がいますが、実はステロイドの副作用をしっかり答えれる人はほとんどいないんですよね。またステロイドを飲み薬のステロイドと混同してしまい、世の中で言われているステロイドの副作用を塗り薬でも起きると考えてしまう人も少なくありません。
ただ個人的には「ロキソニン」などをホイホイ飲む方がよっぽど怖く、なぜステロイドの塗り薬がこれまで恐怖心を植え付けられているのか理解できません。
しかし実際にステロイドも当然ながら副作用もあります。
具体的に挙げられるのは「皮膚が赤くなる」「皮膚の感染症にかかりやすい」などになります。
特に皮膚の感染症のリスクにおいてはステロイドは免疫抑制作用もありますので、陰部等の感染症のリスクが考えられる部位には基本的に使用できないようになっています。
ステロイド外用における副作用は詳しくこちらでも紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
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