皮膚の薬

ステロイド塗り薬の副作用を紹介!安全に使うための対策も!!

 

皮膚のかゆみや炎症がある時に強い薬が欲しいと言う事でステロイド配合の塗り薬を選ぶ人も多いと思いますが「ステロイドって危険じゃないの?」と考える人も多数いると思います。

結論から言ってしまえば正しい使用方法を守っていれば基本的にはステロイドだからと恐れる必要はありません

ただそうは言ってもやはりステロイドは怖いと思ってしまう気持ちも分かりますし、当然ながら副作用はゼロではありません。

 

そこで今回はステロイドが配合された塗り薬はどのような副作用が起こりうるのか、またステロイドの塗り薬の副作用が起きないようにするにはどうしたらいいのかと言うことについて紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

 

外用ステロイドの代表的な副作用

〇ステロイドざ瘡

ざ瘡と言う言葉を聞きなれない人もいるかと思いますが、ニキビの別名が「尋常性ざ瘡」であることを考えるとステロイドによる副作用のステロイドざ瘡も想像がつきやすいと思います。つまりはニキビの様なものが顔・あご・胸部等にできる症状になります。

 

〇ステロイド紅潮

赤ら顔ほてりの症状が起きる症状になります。鼻や頬にできやすいのも特徴です。原因としてはステロイドによって毛細血管が広がり、その分皮膚が赤っぽく見られるためです。

 

〇皮膚の感染症

ステロイドは塗り薬にも飲み薬にも免疫抑制作用があります。つまり細菌などの感染を受けやすい状態を作ってしまうことになります。そして塗り薬のステロイドの場合には水虫の原因となる白癬菌が感染しやすくなったりカンジダなども感染しやすくなります。

 

〇アレルギー性接触皮膚炎

ステロイドによって皮膚がかぶれている状態です。

皮膚が赤く見えたり(紅斑)ぶつぶつができたり(丘疹)水ぶくれ(小水疱)などが起き、炎症やかゆみを生じます。

 

〇多毛

毛が生えます。この副作用を利用して円形脱毛症の治療にステロイドが使用されたりすることがあります。

ステロイドの副作用としては正直何か重篤な病気に繋がると言った副作用はありません。いずれにしても皮膚に対する副作用がメインとなり、飲み薬のステロイドとは違って血糖値や骨に影響を与えたりする可能性はほぼありません。

 

ただしステロイドを適切に使用しない事で皮膚が赤くなったりブツブツができて目立ったりすることは見た目的にもよくありませんので、ここからは副作用のリスクを少しでも減らすための方法を紹介します。

 

外用ステロイドの副作用のリスクを下げるためにできる事

使う薬の種類と部位を確認する

強いステロイドは必ずしも正義ではありません。また市販薬の強いステロイド配合の薬は総じて値段が高いです。

ですから最も大切なことは適切な強さのステロイドを適切な部位に使用し、無駄に長期間使用しないことが挙げられます。値段が高いからいい薬と言うのは大きな間違いです。

 

では適切な強さのステロイドを具体的に紹介しますと

首から上の部位や陰部⇒中程度以下の強さのステロイド

首から下だけど激しい症状ではない⇒中程度以下の強さのステロイド

首から下で激しい症状⇒強いステロイド

と言う使い方を守り症状と部位に応じて使い分けるようにしましょう。

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急にステロイドの使用をやめない

皮膚症状がひどくステロイドの塗り薬を使用してる場合、その皮膚症状が改善してきても急に薬をやめるのではなく徐々に減らしていくようにしましょう。

と言うのもステロイドの塗り薬の使用を急にやめることによって、皮膚が赤くなったりむくむ場合もあり皮膚症状が悪化する可能性もあります。

ですからもし1日2回使用していた人は1日1回に減らしてその後に中止したり、1日おきに使用したりして塗る薬の量を徐々に減らすようにしましょう。

引用:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン

ステロイド以外の選択肢を考える

ステロイドは効果が高い分、皮膚症状があったらすぐにステロイドを使用する人もいます。ただその皮膚症状が本当にステロイドを使うのが正しいのか?と一旦立ち止まって考える必要があります。

例えば蚊に刺された程度で、かゆみもそこまでひどくなければ非ステロイドであるウナコーワクールなどでも十分だと思いますし、乾燥肌にむやみやたらにステロイドを使用してしまうと逆効果になる可能性もあります。ですからステロイドを万能薬と考えるのはやめましょう。

 

ちなみにもし市販薬の中で非ステロイドの塗り薬で強いものはどれかと言われえるとメンソレータムADクリームがおすすめです

 

ステロイドの多量・長期連用について

ステロイドの塗り薬の箱や説明書、またはネット上の情報を見ると「ステロイドは長期連用は避けましょう」と書かれています。

ただしこの場合一体どのくらいの量・どのくらいの期間使用していいのか迷ってしまいますよね。実はこれには目安がありますので紹介します。

<ステロイドを安全に使用できる期間>

首から上や陰部など:2週間以内

首から下の陰部以外:4週間以内

引用:副腎皮質ステロイド剤のランク分類と副作用・使用方法

 

ちなみにこの目安となるステロイドの強さは市販薬の中で最も強いステロイドを使用したとしても同じになりますので上記を目安にしてみてください。また予想安全量としては1日20g以下となっています。

そして当然ながらこの期間以内ならば絶対に安全と言うわけでもなく、逆にこの期間を超えたら絶対に副作用が出るのかと言われればそんなこともありません。ただ1週間程度使用しても全く効果の改善が見られない場合や、使用してすぐに過敏症状がある場合には即座に使用をやめるようにしてください。

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