花粉症対策として飲み薬を服用する人も多いですよね。例えばアレグラやアレジオンなど有名な薬も多数発売されています。
しかし実は花粉症に対して効き目を考えるとピカイチなのが点鼻薬なんです。それもステロイドが配合されたタイプになります。
そこで今回は花粉症に効く市販の点鼻薬をテーマに紹介していきたいと思います。
「花粉症が毎年つらい」「効く薬をできるだけ使いたい」「あまりお金をかけたくない」と言う花粉症で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
花粉症にステロイド点鼻薬を使うメリット
飲み薬よりも鼻症状に効果的
ステロイドの点鼻薬や実はアレグラやアレジオンなどの飲み薬タイプの花粉症治療薬よりも花粉症における鼻症状に効果を発揮します。
ある研究によるとステロイド点鼻薬と飲み薬の花粉症薬の効果を比較した結果、鼻づまり・鼻水・かゆみなどの鼻全般の症状において飲み薬よりも点鼻薬の方が効果が高いと言う報告がされているんです。参考:PMID: 9848901
そしてここで注目すべきは「鼻づまり」です。じつはアレグラやアレジオンなどの飲み薬タイプの花粉症薬は鼻づまりに対してはあまり効果が高くありません。ですから病院では時折アレグラと同じタイプの花粉症薬に加えて、もう1種類別の効き方をする鼻づまりに効き目のあるアレルギーを抑える薬も一緒に処方する事があります。
しかしステロイド点鼻薬は1つでこの2種類の飲み薬よりも鼻症状全般に効果があったともされているんです。参考:PMID: 19905912
つまりステロイド点鼻薬は既存の花粉症薬の中で鼻づまりをはじめとした鼻症状全般に最も推奨できる薬と言っても過言ではありません。
ステロイド点鼻薬は眠気がでない
花粉症の薬は基本的に眠気がでるものがほとんどになります。
また眠気の副作用から車の運転が禁止されていたり、機械の操作は行わないように注意されているものがほとんどになります。
車の運転が可能な飲み薬は漢方を除けばアレグラかクラリチンの2つしかありません。
しかし花粉症に使われるステロイド点鼻薬は眠気が出る副作用がありません。
つまり車の運転は可能ですし、大事な試験や仕事がある時でもパフォーマンスを下げる事なく生活する事が可能です。
実は経済的で財布に優しい
例えばステロイド点鼻薬であるナザールαAR0.1%という薬がありますが、こちらは1本1980円(定価)になります。少し高いですよね。
では1本でどのくらいの期間使用できるのかと言いますと公式HPには以下のように記載されています。
最大用法の1日4回左右の鼻腔内にそれぞれ1回ずつ噴霧した場合、約3週間使用することができます。引用:ナザールαAR0.1%HP
1日最大量の4回使用して3週間分なので、症状が落ち着いた際に1日2回に調整していく事も考慮すると大体1本で1カ月分と考えてもいいのではないでしょうか。
では一方のアレグラFXですがこちらはAmazonで1箱(14日分)が約1500円です。もちろん定価ではありません。すると1カ月で約3000円になります。
ナザールαAR0.1%・・1980円
アレグラFX・・約3000円
これを見比べてみてもわかる通り実はステロイド点鼻薬は飲み薬よりも安く、おまけに効き目も高い薬になっているんですね。
花粉症に効くステロイド点鼻薬のデメリット
メリットばかりを紹介してきましたが当然デメリットもありますので、ここからはデメリットも紹介していきます。
人前で使用するのに抵抗がある
ステロイド点鼻薬はその名の通り点鼻薬なので鼻にシュッとスプレーする必要があります。すると鼻に突っ込むところを見られたくない人もいますよね。
もちろん自宅で出勤前にスプレーして、家に帰ってからもう1回スプレーするのもアリですが、場合によっては1日4回行う事もあるため(症状がひどい時は1日4回の点鼻が可能なタイプがほとんどです)、点鼻薬に抵抗がある人や何度もスプレーする事が難しい人にとっては向いていないかもしれません。
また鼻粘膜が極端に弱く鼻血が出やすい人などは鼻血が出やすくなる可能性もあるため避けた方がいいかもしれません。参考:PMID: 30779679
即効性は高くない
ステロイド点鼻薬は効果が実感できるまでの時間はそこまで早いとは言えません。
ステロイドでないタイプの点鼻薬が比較的即効性があるのに対してステロイド点鼻薬は効果発言まで1~2日かかるとされています。参考:鼻アレルギー診療ガイドライン2013年版
もちろん使い続けていくうちに十分な効果を発揮していきますが、すでに絶望的に花粉症の症状がひどく一刻も早くどうにかしたい時にはステロイド点鼻薬だけでなく、非ステロイドの点鼻薬との併用などで乗り切る必要がでてきます。
使用制限が多い
効き目も高くコスパも良いステロイド点鼻薬ですが実は花粉症のステロイド点鼻薬の大半は18歳未満は使用できません。これは病院では子供も使用できるものもあるのですが、市販薬としては安全面から18歳未満は使用できない事になっています。
フルナーゼ点鼻薬のみ15歳以上から使用できる点鼻薬になっています。
また使用できる期間にも制限が設けられており、1年間の中で1~3カ月以上は使用できない決まりとなっています。ただこちらも長期の使用は他の疾患の可能性が潜んでいるため、安全面を考慮しての事になりますので致し方ない部分も大きいと思います。
高血圧や糖尿病の人は使用できない
市販の花粉症のステロイド点鼻薬は高血圧や糖尿病や緑内障の持病がある人は使用する事ができません。
医療用の場合だと特に禁忌には設定されていないのですが慎重投与と重大な副作用に指定されているため、市販薬は高血圧や糖尿病の人には使用できない事になっています。もしステロイド点鼻薬が欲しい人は病院を受診するか他の飲み薬の花粉症薬を選ぶようにしましょう。
ただしフルナーゼ点鼻薬は高血圧・糖尿病の人でも使用可能となっています。理由としてはフルナーゼは高血圧と糖尿病が医療用でも慎重投与に指定されておらず比較的これらのリスクが低いためです。
ロートアルガードクリアノーズは高血圧の場合に使用できません。
花粉症におすすめのステロイド点鼻薬と正しい使い方
パブロン鼻炎アタックJLがおすすめの理由
ではもしステロイド点鼻薬を使うとするならばどれがおすすめかと言いますと、現時点ではパブロン鼻炎アタックJLが花粉症におすすめのステロイド点鼻薬です。
理由としては実はパブロン鼻炎アタックと同じ成分を配合している(配合量も同じ)薬にナザールαAR0.1%とエージーアレルカットEXcがあるのですが、この2つと比べて1本の量が若干少ないため値段が安い点と、液だれしにくいタイプである点がメリットとして挙げられるからです。
これまでステロイド点鼻薬を使った事がない人はいくら効果が良いと言われても抵抗がある人も多いと思います。そして値段が高いとさらにそのハードルもあがることでしょう。そのハードルを少しでも下げるために値段を抑えてあるパブロン鼻炎アタックJLは最初に試してみるには最も手頃の点鼻薬と言えます。
また点鼻薬はスプレーした後に液が垂れてくるのが地味に厄介なのですが、パブロン鼻炎アタックJLはスプレーした後に薬剤がジェル化する事によって液だれを抑えるような作りになっているため使用感としてもおすすめになります。
最も新しい点鼻薬である「フルナーゼ点鼻薬」は目の症状にも効果を実感できたり、医療用と同じであるためこれまで医療用に慣れていた人はおすすめの目薬となりますが、販売して間もないため薬剤師がいるお店でのみの購入となりネットでも購入できないのがデメリットになります。
ステロイド点鼻薬は継続して使用するべき
上でも触れましたがステロイド点鼻薬は即効性は決して高くありません。
また症状がひどい時だけ使用するよりも定期的に使用する方が花粉症の症状をしっかり抑えられて日常生活への悪影響も少ないとされています。
ですからステロイド点鼻薬を使用する際には花粉症のシーズンになり、少し怪しくなってきたら即使用し始めて、その中で症状がひどい時は1日4回使用したり逆に落ち着いている時は1日2回に抑えたりと3カ月を超えない範囲で継続して使用してみることをおすすめします。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。