現在薬局は全国に5万8千件あると言われており、実際病院の近くには薬局が立ち並ぶことも多いですよね。
そこで今回はそんな薬局を最大限に利用するための方法について紹介したいと思います。
安く済ませる事や薬局を賢く利用する方法などを紹介していきますので、病院には行かない人も良く行く人もぜひ参考にしてみてください。
目次
薬局で値段が安くなる方法
お薬手帳をもっていく
同じ薬局に6か月以内にお薬手帳を持っていくと、120円安くなります。
自己負担額にすれば3割負担であれば40円安くなる計算です。
しかしこれには条件があり、どの薬局でも安くなるという訳ではありません。
例えば
処方箋枚数が月4,000回超 かつ 集中率70%超
処方箋枚数が月2,000回超 かつ 集中率90%超
特定の保険医療機関に係る処方せんが月4,000回超
規模が大きいチェーンの薬局
と言った条件の薬局ではお薬手帳を持って行っても安くなりません。
これらの薬局はどの様な薬局かざっくり言うと、そこそこ大きな病院の近くの薬局で、混んでいる事が多い薬局と言うのが簡単な目安になるでしょう。
ただし薬局の店外や店内にこれらの表記はされていませんので、一度明細書を貰った事がある人ならば「調剤基本料」という項目に「調剤基本料1」と書いてあれば、お薬手帳を持って行けば安くなります。もしこれが1以外だと安くなりません(まれに4と書いてある所もありますがここも安くなります)。
では安くならない薬局にはお薬手帳を持って行っても意味がないのかと言えば、全くそんな事はありません。
薬局では薬剤師が色んな病院の薬をまとめてチェックし、飲み合わせの問題がないか、同じような薬の重複がないかなどを確認するために、お薬手帳はかなり重要なツールになっているんです。
そして中には薬局ごとにお薬手帳を使い分けている方もいらっしゃると思いますが、必ず1つのお薬手帳に統一してください。
仮に他の薬局の店名が書かれてあっても全く問題はありません。
薬局に行く時間帯を考える
もし急に体調が悪くなって病院を受診し、処方箋を貰ったならば時間帯に関係なく空いている薬局へ行きましょう。薬を一刻も早く飲むのが優先です。
しかし、いつもの薬で手持ちがある様な人は避けるべき時間帯があります。それは
平日の19時以降~
土曜日の13時以降~
となります。この時間帯に行ってしまうと「夜間・休日等加算」と言って3割負担の人で120円多く自己負担額が取られる事になります。
ですからもし薬に余裕がある人はこの時間帯を避けて薬局に行くようにしましょう。ちなみに朝も8時以前でもダメです。
ただし処方箋の有効期限は処方箋が発行された日を含めて4日以内となりますので、注意するようにしてください。もし時間がない場合は処方箋だけを預けておけばOk。取りに行くのは後日でも構いません。
ジェネリック医薬品を使う
ジェネリックという名前をすでにご存じの方も多いかと思いますが簡単に説明します。
薬は大きく分けて主成分(効果を発揮する成分)と添加物によって作られています。
そして薬には「特許」があり、それには期限もあるんです。
ジェネリック医薬品とはその薬の特許が切れた薬に似せた薬となっています。そして主成分はもともとの薬と同じ成分で添加物が異なります。
薬というのは本来数千億、数年~数十年かけて研究・開発して作られるものですが、この費用がジェネリックにはほとんどかからないので、その分価格を安く済ませる事が可能となるのです。
ですから実際の薬価(薬の価格)も、もともとの薬の6割くらいになっていたりします。
しかし現在すべての薬にジェネリックが発売されているかと言われればそんな事はなく、薬によってはジェネリックがないものもたくさんありますので、もしジェネリックを希望する場合は受付の人にジェネリックでお願いしますと訊ねてみてください。
何も言われなければジェネリックを一切使用しない薬局もまれにありますので注意が必要です。
ジェネリックは不安という人へ
「ジェネリックは安から効果が不安だ」という人も多いと思いますが、そんな人に朗報です。
なんとジェネリックには全く同じ成分・添加物・作り方のジェネリックがあるんです。
それをオーソライズドジェネリック(AG)と言います。
これは効果も全く同じで値段と名前が異なるだけになりますので、ジェネリックに抵抗がある人はまずはこれから試してみてはいかがでしょうか。
しかし薬局によってはこのオーソライズドジェネリックを採用していない薬局もありますので、こちらも事前に「オーソライズドジェネリックがある薬だけジェネリックに変更してください」という事を伝えておきましょう。
薬局で無料でしてもらえること
薬に関する疑問全部
例えば「薬を間違って飲んでしまった」「薬を飲んだら気持ち悪くなった」という疑問を病院に電話するのが気が引ける場合、そんな時はまず薬局に電話してみましょう。
出来る範囲の病院受診の目安や副作用の確認などを行ってくれます。
そして先ほど「平日の19時以降はお金を多く支払う必要がある」と書きましたが、電話での質問はいつ質問してもタダです。
もちろん実際に薬局に足を運んで質問してもタダです。お金を取られる事は100%ありません。
ですから些細な薬に関する疑問などはどんどん質問しましょう。
2つの病院の処方箋を1つの薬局に持って行く
例えば内科と皮膚科を受診した場合にそれぞれ処方箋が出たとします。
この時にそれぞれの病院の前の薬局に行く事よりも、1つの薬局に行く事をおすすめします。
そうすると待ち時間も短縮する事ができ、仮に2つの病院で似た薬が出た場合でもその場で対応してもらう事が可能だからです。
この様に薬局を1つに決める事を「かかりつけ薬局」と言って、薬の重複投与を防いだり、重複投与を解消し医療費を抑えようとするために国も推進している制度なんですね。
もちろんかかりつけ薬局にする事で特別にお金がかかったりする事はありませんので安心してください。
ただし「かかりつけ薬剤師」というものも存在しますので注意してください。名前も「かかりつけ薬局」と大変似ていますが、お金が発生します。
かかりつけ薬剤師とは?
2016年の4月から「かかりつけ薬剤師」という制度が始まりました。
これは患者さんに対してかかりつけの薬剤師が対応する事で、より密な薬の指導や管理を行おうというものになります。そして24時間薬の相談を受ける事ができます。
簡単なイメージだと美容室の指名制の様なものです。
負担額は3割負担の人で60~100円増になります。
もし、どこの病院の薬もしっかり責任をもって1人の薬剤師に管理して欲しいという信頼のおける薬剤師がいるのであれば、かかりつけ薬剤師を指名しましょう。
※ただし薬剤師全員がかかりつけ薬剤師になれない場合があります
しかし薬の相談などはかかりつけ薬剤師でなくても当然薬局のサービスとして誰でも無料で利用できますので「誰が薬の説明をしても構わない」「そもそもあの薬局は薬剤師が1人しかいない」という場合にはかかりつけ薬剤師を選ぶとお金が無駄になりますので、おすすめしません。
どの薬局に行っても大丈夫
どの病院の処方箋でも薬局は受付可能です。
薬局=病院の前
というイメージがあると思いますが、そんな事は決してありません。
どこの薬局に行っても大丈夫です。
もし正当な理由なしに断られた場合には厚生局に連絡する様にしましょう。その薬局は薬剤師法違反となります。
ただ、病院の前以外の薬局に行くとおそらく薬が揃っている事の方がまれで、30分程度待たされる事もあると思います。
待ち時間が嫌な場合は、病院に自分が行きたい薬局へ処方箋をFAXしてもらうか、事前に自分が行きたい薬局に電話して薬を準備してもらっておけば、待ち時間を短縮する事ができるでしょう。
そして薬局の中にはどうも横柄な態度の薬局があったり、説明も十分にされない、プライバシーを守らない様な薬局もあるでしょう。
そんな薬局にははっきり言って行かない事をおすすめします。
病院の前にある薬局は黙っていても患者さんが来てくれるため、競争が低下しそれが質の低下につながっている所もたびたびあります。
ですからその様な薬局に遭遇してしまった場合は、せっかくお金を払うのであれば自分が納得のいく薬局を探しましょう。
実は薬局が知らないこと
例えば血糖値を下げる薬が処方されている場合、これは血糖値が高い事が分かります。
また薬の種類によってはその「程度」も分かるでしょう。
しかし痛み止めが処方されている場合、これがどこの痛みで何の痛みに処方されているのか薬局側は分かりません。そうなんです。
薬局は患者さんの詳しい疾患は分からないんです。
ですから薬局に行くとあれこれと質問されるんですね。
また、薬局に行くと病院でも書いたような問診票を再度書かされる事もあるかと思いますが、薬局と病院は完全に独立した立場であるためにその様な事が起きてしまいます。
確かに住所や電話番号を記載するのは面倒かもしれませんが、それにより何か緊急な事が起きた時に電話で対処する事もできますし、もし薬がすぐに手に入らないという場合は郵送で送る事も可能となります。また問診票によりアレルギーや副作用歴と照らし合わせて、処方されている薬に問題がないかなどを確認してもらえます。
最後に
薬局はただ薬の説明を聞いて、薬を貰って帰るだけならばはっきり言って割高です。
だからこそ同じお金を払うのであれば薬局はバンバン有効活用するべきと考えます。
特に上でも書きましたが薬に関する疑問などは無料でいつでも相談に乗ってもらえます。
また、今の時代医療費の増加によりドラッグストアや薬局で買える市販の薬を広める運動も活発になっています。
ですから病院に行く前に市販の薬を考えている場合にも、一度薬局でどのような薬がベストかコンサルしてもらうのもいいでしょう。こちらももちろん無料です。
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