現在市販されている胃薬の中には、もともと病院で使用されていた薬も多く存在します。
例えば「ガスター10」などは凄く有名ですよね。
そして、できれば「病院に行かなくても市販で買えるならばそれで済ませたい」と思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はドラックストアやネットなどの市販で購入可能な病院と同じ胃薬を紹介したいと思います。
また、全く同じものがない場合は効果が類似している市販薬も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
今回紹介していく病院の胃薬は以下の薬になります。()内は成分名です
ガスター(ファモチジン)
SM配合散・KM散・つくしAM配合散
マーズレンS(アズレンスルホン酸・Lグルタミン酸)
アルサルミン(スクラルファート)
ムコスタ(レバミピド)
セルベックス(テプレノン)
セレキノン(トリメブチン)
タケプロン・ネキシウム・タケキャブ(PPI)
目次
病院と同じ市販の胃薬
ガスター(ファモチジン)と同じ市販薬
病院で使用されるガスター(ファモチジン)と同じ成分を配合してある市販の胃薬は、名前も同じガスター10になります。
ガスターとはそもそも「H2ブロッカー」と呼ばれるタイプの胃薬で、胃酸が分泌されることを強力に抑える事ができる胃薬となっています。
実際に市販で販売されているものと医療用として病院で使用されているガスターは全く同じになりますので、安心して使用してください。
また市販のガスターには値段の安いタイプも発売されていますので、もしガスター10の値段が高いと思う人はこちらも参考にしてみてください。
<ガスター10の値段>
980円(6回分)
1580円(12回分)
ただしガスター10は薬剤師がいるお店やネットでしか購入する事ができません。
そうなると夜急にガスター10が欲しくなっても、ドラッグストアで購入できない場合もあると思います。
SM配合散やKM散、つくしAM配合散と同じ市販薬
第一三共胃腸薬は全く同じものではないのですが医療用として使用されている「S・M配合散」や「KM散」「つくしA・M配合散」と大変似た成分を配合した薬となっています。
S・M配合散やKM散等は食欲不振や胃もたれなどに使用されるいわゆる「健胃薬」と呼ばれるものになります。
これらの胃薬は胃腸の働きを活発にし、食欲不振・胃もたれ・吐き気などに効果のある成分が配合されています
そしてこれらの胃薬には食べ物の消化を助ける「消化薬」や「生薬」が配合され、胃酸を中和してくれる成分も配合されている薬になります。
<S・M配合散の成分>
タカヂアスターゼ・・100mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・・400mg
炭酸水素ナトリウム・・300mg
沈降炭酸カルシウム・・200mg
チョウジ(丁子)末・・10mg
ウイキョウ(茴香)末・・20mg
ケイヒ(桂皮)末・・7 4.5mg
ショウキョウ(生姜)末・・2 4.5mg
サンショウ(山椒)末・・1mg
オウレン(黄連)・・50mg
カンゾウ(甘草)末・・118mg
そして第一三共胃腸薬は完全に同じものではありませんが、S・M配合散やKM散などと非常に似た作りの薬となり、食欲不振や胃もたれ・吐き気に効果があるんです。
<第一三共胃腸薬の成分>
タカヂアスターゼN1・・・150mg
リパーゼAP12・・・60mg
アカメガシワエキス・・・63mg(アカメガシワとして504mg)
カンゾウ末・・・150mg
ケイ酸アルミン酸マグネシウム・・・720mg
合成ヒドロタルサイト・・・300mg
水酸化マグネシウム・・・600mg
ロートエキス・・・30mg
オウバク末・・・105mg
ケイヒ末・・・225mg
ウイキョウ末・・・60mg
チョウジ末・・・30mg
ショウキョウ末・・・75mg
L-メントール・・・9mg
ですから食欲不振や胃もたれなどがある場合にはこちらの第一三共胃腸薬を選ぶようにしましょう。
11歳から使用できる総合胃薬になります。
<第一三共胃腸薬の値段>
700円(50錠・12包)
1450円(190錠・32包)
2350円(320錠・60包)
15歳以上は1回3錠の服用です。
第一三共胃腸薬には錠剤タイプと散剤タイプがあり、散剤の方が若干割高になってしまいますので、錠剤が飲める場合には錠剤タイプを購入する事をおすすめします。
ただし散剤タイプは小分けされていますので、持ち運ぶことが多い場合には散剤タイプの方がいいでしょう。
また、第一三共胃腸薬プラスという薬もありますが、プラスが付いていないただの第一三共胃腸薬の方がより医療用に近い形になっています。
マーズレンS(アズレンスルホン酸・Lグルタミン酸)やアルサルミン(スクラルファート)と同じ市販薬
マーズレンSに似た市販の胃薬はスクラート胃腸薬になります。
ただし全く同じではありません。
マーズレンSは「アズレンスルホン酸」「グルタミン酸」という2つの成分を配合した胃薬になります。この2種類は胃の組織を修復してくれる働きや、炎症を抑えてくれる働きなどの、傷ついた胃に効果的な胃薬となっています。
医療用では「グリマック顆粒」や「ルフレン」などの名前でも発売されています。
そしてそんなマーズレンSの代わりとなる市販薬はスクラート胃腸薬になり、「アズレンスルホン酸」も「グルタミン酸」も配合しています。
またスクラート胃腸薬には「スクラルファート」と呼ばれるアルサルミンと言う胃薬と同じ成分も配合している胃薬になっています。
<マーズレンSの成分>
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物・・6mg
L-グルタミン・・1980mg
<アルサルミンの成分>
スクラルファート・・3g
<スクラート胃腸薬の成分>
アズレンスルホン酸ナトリウム・・・6mg
L-グルタミン・・・400mg
スクラルファート水和物・・・1500mg
ケイ酸アルミン酸マグネシウム・・・1125mg
ロートエキス・・・30mg
合成ヒドロタルサイト・・・270mg
<スクラート胃腸薬の値段>
950円(36錠・12包)
1980円(102錠・34包)
15歳以上からの使用となっています。成人は1回3錠(1包)です。
そして錠剤タイプの方が散剤タイプよりも値段も成分量も優遇されていますので、できれば錠剤タイプを選びましょう。
ちなみにスクラートには「スクラート胃腸薬」とSの付いた「スクラート胃腸薬S」があります。
そしてこの2つは成分がかなり異なる胃薬になりますので、もしマーズレンSに似た胃薬を市販で選ぶ時にはSが付いていないスクラート胃腸薬を選ぶようにしてください。
※スクラート胃腸薬とスクラート胃腸薬Sの違いはこちらで詳しく紹介しています
ムコスタ(レバミピド)と同じ市販薬はない
病院でよく使用されるムコスタ(レバミピド)と同じ薬は、現在市販では販売されていません。
ただしムコスタの効果としては上で紹介した「新セルベール」や「スクラート胃腸薬」と同じく、胃を保護する働きの胃薬となりますので、これらの薬をムコスタの代わりとして使用するようにしましょう。
セルベックス(テプレノン)と同じ市販薬
医療用のセルベックスと同じ市販薬は新セルベール整胃プレミアムになります。
こちらは「テプレノン」という成分を配合しています。
効果としては胃粘膜を胃酸から保護し、胃の血流を良くする事で胃を健康に保つ効果があります。
こちらも上で紹介したスクラート胃腸薬と同様に、痛み止めを服用して胃が悪くなる場合に一緒に服用をおすすめする薬です。
ソウジュツ・コウボクという胃の働きを活発にする成分も配合されています。
セルベールと新セルベールの違いはこちらでも紹介しています。
http://allegra.tokyo/otc/cellveil
<新セルベールの値段>
952円(21錠・12包)
1980円(48錠)
3220円(90錠)
15歳以上からの使用となります。1回1錠の服用です。
セルベールに関しては錠剤の方がかなりお得になりますので、錠剤を選ぶようにしましょう。
セレキノン(トリメブチン)と同じ市販薬
医療用では「セレキノン」という名前で使用されている薬と同じ胃薬はタナベ胃腸薬<調律>になります。成分は「トリメブチン」という成分を配合しています。
タナベ胃腸薬<調律>に配合されている「トリメブチン」は胃腸の働きを調整してくれる効果があります。
具体的には胃腸が活発に働き過ぎて下痢や腹痛を繰り返す場合には胃腸の働きを抑えたり、逆に胃腸の働きが鈍ってしまって胃の不快感などが起きる場合は胃腸の働きを活性化してくれます。
実はセレキノンと同じ市販薬にはセレキノンSと言うそのままの名前の市販薬があるのですが、こちらは過敏性腸症候群の診断を受けた人しか使用することができません。
一方のタナベ胃腸薬調律はメイン成分のトリメブチンを配合しており、さらに胃酸を中和したり消化を助けたりする効果もあります。
<タナベ胃腸薬<調律>の成分>
ビオヂアスターゼ2000
リパーゼAP6
カンゾウ末
ロートエキス
炭酸水素ナトリウム
沈降炭酸カルシウム
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
<タナベ胃腸薬<調律>の値段>
980円(30錠)
1680円(60錠)
15歳以上から使用できます。1回2錠の服用です。
タケプロン・ネキシウム・タケキャブ(PPI)と同じ市販薬はない
医療用の胃薬にはタケプロン(ランソプラゾール)やネキシウム(エソメプラゾール)タケキャブ(ボノプラザン)などの強力に胃酸を抑え、逆流性食道炎や胃潰瘍などに用いる薬は市販薬としては発売されていません。
もしこれらの代わりとなる市販の胃薬としてはガスター10になります。もしくはスクラート胃腸薬が選択肢として挙げられます。
ただしオメプラールやランソプラゾールなどの胃薬はガスター10やスクラート胃腸薬よりも働きが強いため、もしガスター10やスクラート胃腸薬を使っても効果が感じられない場合は市販薬では対処できない可能性が高いので一度病院を受診するようにしましょう。
医療用と同じ市販の胃薬を選ぶメリット
医療用と同じ市販薬を選ぶメリットはもちろん効果が強いというのもありますが、その他に「薬が効かなかった時に他の薬を選ぶ事が容易である」という事が挙げられます。
そもそも市販の胃薬は色んな成分が配合されているものが多いです。
すると、一体どの成分が効果を示したのか、はたまた効果が薄かったのか分かりづらくなってしまいます。
その点、医療用でも使用されている薬というのは、メインとなる効果の成分がはっきりしていますので、次に何の薬を使えばいいのかと言う事が組み立てやすくなります。
例えばガスター10は強い胃薬になりますが、全ての胃の症状に万能ではありません。
もしストレスで胃が痛くなり、下痢や便秘がある場合はタナベ胃腸薬<調律>の方がおすすめだったりします。
ですからピンポイントで胃の症状に効く胃薬を選びたい場合は、病院と同じ成分で作られた薬を選ぶことをおすすめします。
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