更年期障害の薬として有名な「命の母」ですが、同じ小林製薬から「命の母ホワイト」という薬も発売されています。
ではそんな命の母ホワイトも更年期障害に対して効果が高いのかと言えば実は命の母ホワイトの効能効果には更年期障害への記載がないんです。
つまり命の母ホワイトは更年期障害への効果が認められていない薬ということになります。
しかしそれに気付かずに命の母ホワイトを使用してみた、あるいは使用を考えている人も多くいると思いますので、今回はそんな命の母ホワイトの更年期障害への効果があるのか否かについて紹介していきたいと思います。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
命の母ホワイトの効果と更年期障害について
明記されている効能効果に更年期障害はなし
命の母ホワイトの効能効果は以下の様になっています。
月経痛、月経不順、ヒステリー、腰痛、頭痛、貧血、冷え症、血の道症(注1)、肩こり、めまい、動悸、こしけ(注2)
(注1)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである
(注2)「こしけ」とは、おりもののことである小林製薬HPより
確かに命の母ホワイトには「更年期障害」とは記載されていません。
更年期障害について
そもそも更年期障害とは加齢による女性ホルモンの分泌の低下が起こり、自律神経症状・精神症状をきたすことをさします。具体的な症状としては
・のぼせやほてり ・発汗 ・冷え ・動機 ・不安やイライラ ・頭痛やめまい
など様々な症状が起こります。
では命の母ホワイトには更年期障害の効能効果の記載は確かにありませんが、その他の効果を見るとどうでしょう。
ヒステリー、腰痛、頭痛、貧血、冷え症、血の道症、肩こり、めまい、動悸、こしけ
これを見ると直接的に更年期障害とは書かれていませんが、更年期障害で起こる症状には確かに効果がありそうですね。
特に血の道症とは「女性のホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状」となりますので、まさに更年期障害そのものと言っても過言ではありません。
命の母ホワイトの成分は漢方2種類と同じ
そもそも命の母ホワイトは更年期障害の時に非常によく使用される漢方
「当帰芍薬散」「桂枝茯苓丸」
の2つの漢方と同じ成分を配合しています。
命の母ホワイト1つでこの2つの漢方と同じ成分になるんです。何だか非常に効果が高そうです。
しかし命の母ホワイトに含まれる漢方成分の量は非常に少ないため、決して当帰芍薬散・桂枝茯苓丸の代わりにはならないんですね。
そのため当帰芍薬散・桂枝茯苓丸それぞれは更年期障害に効果があるとされている一方で、その両方を含んでいる命の母ホワイトには更年期障害の効能効果がありません。
詳しくはこちらも参考にしてみてください
命の母ホワイトは更年期障害にも効くのか
では結局命の母ホワイトは更年期障害に対して効果があるのかと言えば、ここではっきり「更年期障害に効果がある」とは言えませんが、更年期障害で起きる症状に対しては効果があるかもしれないと言えます。
配合されている量は少ないですが、一般的に更年期障害に使用される漢方と同じ成分を配合していますし、そもそもの効能効果で更年期障害で起きる「めまい」や「動悸」や「冷え」そしてその他の諸々の更年期障害でも起きる症状に対して効果を発揮するためです。
ですから効能効果に更年期障害がないとしても、一概に更年期障害に効かないという訳ではないとは思いますが、科学的な根拠は一切ありません。
命の母ホワイトは命の母より高い
<命の母ホワイトの定価>
1100円(84錠・7日分)
2400円(180錠・15日分)
4320円(360錠・30日分)
1日あたり12錠の服用になります。
命の母ホワイトの値段はただの命の母よりも高くなっています。
しかし決して「命の母ホワイトの方が命の母よりも更年期障害への効果が高い」というわけではありませんので注意しましょう。
更年期障害に命の母ホワイトは結局どうなの?
では更年期障害の治療のメインとして命の母ホワイトを使用するのはどうかと言いますとおすすめしません。
もし間違って購入してしまった場合に1箱使ってみる程度ならば構いませんが、初めから選ぶべき薬ではありません。
上では更年期障害の症状にも命の母ホワイトは効果があると説明してきましたが、わざわざ命の母ホワイトを選ぶメリットは正直ほぼありません。値段も命の母ホワイトの方が高いです。
もし明らかに更年期障害であるのであれば命の母ホワイトよりも婦人科系の漢方を使用した方がいいでしょう。上で紹介した当帰芍薬散や桂枝茯苓丸などの漢方になれば、その成分の配合量も格段に異なりますのでそちらを選ぶ事をおすすめします。
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