今回はストレスによる緊張・イライラ・不安に効くとされている「アロパノール」について紹介したいと思います。
しかし正直アロパノールはおすすめしませんし、医療用のデパスの代わりにはなりませんので、その理由も含めて紹介していきます。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
アロパノールが緊張・イライラに効く理由
アロパノールは「緊張・イライラ・不安」に効く市販薬とされていますが、その効果の理由を紹介していきたいと思います。
アロパノールの成分
アロパノールは成分が「抑肝散」という漢方になります。
この抑肝散とは激しい苛立ちや動機を感じる人に対して、神経の高ぶりを抑える事を目的とした薬となります。
不眠症や神経症、子供の夜泣きなどにも使用される事があります。
抑肝散はシンプルに言えば穏やかな安定剤の様なものです(ただし薬の効くメカニズムなどは医療用の安定剤とは全然違いますが)。
アロパノールの効果と飲み方について
【効能効果】
神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症
:神経症、不眠症歯ぎしり、更年期障害、血の道症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)
血の道症
→月経、妊娠、出産、産後、更年期などの女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状のことです。
小児疳症
→神経の興奮によっておこる「イライラ・怒りっぽいなどの感情のたかぶり、ひきつけ、興奮して眠れない、筋肉のひきつけやけいれんなど」の小児の症状です
※小児への服用は錠剤・細粒のみです。内用液は15歳以上の服用になります。
【用法用量】
<錠剤>
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
15才以上 | 7錠 | 3回 |
7才以上 15才未満 | 5錠 | |
5才以上 7才未満 | 4錠 | |
5才未満 | 服用しないこと |
<細粒>
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
15才以上 | 1包 | 3回 |
7才以上 15才未満 | 2/3包 | |
4才以上 7才未満 | 1/2包 | |
2才以上4才未満 | 1/3包 | |
2才未満 | 1/4包 |
食前または食間(食後2時間後)に服用してください。
もし食後に服用してしまったとしても効果がゼロになるわけではありませんので、追加で服用する必要はありません。
アロパノールの副作用
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢などがある場合は症状を悪化させる可能性がありますのでなるべく避けるようにしましょう。
また胃腸が極端に弱い人には適していない薬になりますので、その様な人も避けてください。
そして後でも紹介しますが、医療用の安定剤程ではありませんが「眠気」が出る事もありますので注意が必要です。
アロパノールと他の薬の飲み合わせ
アロパノールは同じ成分を配合してある漢方以外は特に飲み合わせは問題ありません。
例えば「芍薬甘草湯」や「苓桂朮甘湯」や「葛根湯」などはアロパノール(抑肝散)と同様にカンゾウという成分を配合してありますので、一緒に飲むことは避けた方が良いです。
一方で、もし頭痛や生理痛があったりする場合にはアロパノールとイブ・ロキソニンなどを一緒に飲んでも特に問題はありませんので安心して一緒に服用してください。
アロパノールをすすめない理由
そんなアロパノールですが正直おすすめしません。
その理由は大きく4つありますので紹介していきます。
アロパノール内用液は値段が高い
アロパノールは内服液と錠剤と細粒の3タイプが発売されています。
そしてアロパノール内服液の方は市販薬ですが成分の配合量がかなり多く、医療用とも大きな違いはない程度の量が配合されています。
では「アロパノール内用液は効果も十分にあっておすすめでは?」と思われるかもしれませんが、アロパノール内用液は値段が高いです。
定価だと3本(1日分)で1500円もするんです。
では錠剤・細粒タイプはどうかと言いますと値段は若干安くなりますが、錠剤・細粒タイプは成分が内用液の半量しか入っていません。
おまけに成人の1回服用錠数はなんと7錠となっており、飲むのも一苦労です。
さらにアロパノールと同じ抑肝散は他のメーカーからも発売されていますが、それと比べても値段は決して安くありません。
【アロパノールの価格】
1900円(63錠)
3900円(147錠)
アロパノールはデパスの代わりにならない
「アロパノールはイライラや不安や緊張に効く」となると病院で使用されるデパス(エチゾラム)やリーゼ(クロチアゼパム)を使用した事がある人はそれらの代わりになるのでは?と思うかもしれませんが、はっきり言ってアロパノールはそれらの医療用の安定剤と効くメカニズムが全く異なりますので、代わりになるとは言えません。
もちろんアロパノールによって緊張やイライラが改善する事もあるかと思いますが、もしデパスの様に即効性がある訳でもないため注意してください。
アロパノールは飲み続ける必要がある
アロパノールの成分は漢方薬で、おまけにストレスはその1日だけで解決するものではありません。
実際に抑肝散は2週間以上飲み続けて、不安症状・敵意・精神運動興奮に効いたというデータもあります。
つまり仮にアロパノールによって効果が実感できたとしても、ある程度の期間持続して服用する必要性が出てきます。
そうなるとアロパノール内用液を使い続けるにはお金がかかりますし(2週間で2万1000円になります)、アロパノール錠では成分の量が少なく満足のいく効果が得られない可能性もあります。
緊張する時に使うデメリット
アロパノールは緊張にも効果があるとされ、大事な試験や面接の時にアロパノールの使用を考えている人もいるかと思いますが、おすすめしません。
その理由はアロパノールの副作用である「眠気」や「倦怠感」が出てしまうおそれがあるからです。もともと不眠にも使用されるアロパノールの効果を考えれば納得の副作用ですよね。
すると緊張時にアロパノールを使用してしまうと、本番で十分なパフォーマンスを発揮できないためにおすすめできません。
もし使用するならば緊張する事がある前日になかなか寝付けない時などに使用するようにしましょう。
アロパノールよりもおすすめの市販薬
アロパノールの欠点に値段が挙げられますが、ここではアロパノールよりも安くて成分も十分に配合されている薬がありますので紹介します。
それはレスフィーナ細粒です。
レスフィーナ細粒は成分が完全に抑肝散ではありませんが、抑肝散をベースに作られており、効果はほぼ同じとなります。
また成分もアロパノール以上に配合されており、おまけに価格も安いです。
【用法用量】
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
成人(15才以上) | 1包(1.5g) | 3回 |
4才以上15才未満 | 1/2包(0.75g) | |
1才以上4才未満 | 1/4包(0.375g) | |
1才未満 | 服用させないこと |
【価格】
971円(6包)
2648円(18包)
病院と同じ安定剤は市販で買えない
例えばデパスなどの安定剤やマイスリーなどの睡眠導入剤は市販で購入する事ができません。
では市販の薬の中で代わりになるとまでは言えませんが、選ぶならばコレだという市販薬を紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
ただし長期で使用するのは避けるようにしましょう。
イライラや不安には奥田脳神経薬
しかし漢方(抑肝散)では効果が実感できない、だけどイライラや不安を解消したいという人は奥田脳神経薬を試してみましょう。
こちらは鎮静剤であるブロモバレリル尿素を筆頭に7種類の生薬を配合している、イライラや不安、肩こりなどに効果のある薬となっています。
ただしアロパノールなどの漢方とは違い、眠気の出る副作用がありますので十分に注意してください。
【価格】
1980円(50錠)
3000円(90錠)
9000円(340錠)
※1回5錠1日2回の服用です
眠れないならウット
また、寝つきを良くしたい薬が欲しいのであれば市販の中では強力なウットを使用しましょう。
鎮静剤を2種類配合し、ドリエルなどの寝付きを良くする薬と同じ成分の抗ヒスタミンを配合してある薬になります。
日中のイライラに使用しても問題ありませんが、こちらも眠気が不安になりますので避けた方が無難でしょう。
【価格】
1800円(12錠)
※1回1錠1日1~3回の服用です。
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