今回はシオノギヘルスケアから発売されている市販薬のベリチーム酵素を紹介していきます。
ベリチーム酵素は胃もたれ・消化不良・食べ過ぎなどに効く薬とされていますが、その効果や副作用・他の胃薬との比較や飲み合わせも気になりますよね。
またベリチーム酵素は市販薬になる前にはもともと医療用として病院で使用されていた薬になりますが、医療用ベリチームと市販のベリチームの違いもあわせて紹介していきます。
もし食べ過ぎや胃もたれなどの胃の症状が気になる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
市販のベリチーム酵素が胃に効く理由
ベリチーム酵素はその名の通り「酵素」を配合している薬になります。
そしてこの酵素はどの様な働きがあるのかと言いますと食べ物の消化を助けてくれる働きを持っています。
例えば脂っこいものを食べ過ぎた時、胃がムカムカしてくることがありますよね。その様な時は脂っぽい食べ物が消化されずに胃に留まってしまい、その結果胸やけやムカつきを感じてしまうんです。
そしてそれは脂っこいものを食べた時だけでなく、米やパンなどの炭水化物や肉や魚などのタンパク質を沢山食べてしまった時も起こります。
また「食べ過ぎたわけじゃないのに胃もたれする」と言った場合もありますよね。その様な時は消化を行う力が加齢やストレスによって弱っている可能性もあります。
そして酵素はこれらの場合に食べ物の消化を補ってくれる非常に大変重要な役割を果たしてくれます。
そしてその酵素を薬で補えるのがこのベリチーム酵素になります。
ベリチーム酵素は脂肪・タンパク質・炭水化物を分解する酵素を4種類配合し、食べ物による胃もたれやムカつきを防ぐ効果を発揮します。
実際胃薬の中には消化酵素を配合しているタイプもありますが、このベリチーム酵素は消化酵素だけを配合することで、消化に特化している珍しい市販薬になっています。
例えばベリチーム酵素の成分の1つである脂肪を分解する酵素の「リパーゼAP6」などは、キャベジンや太田胃散などの胃薬にも配合されている成分になりますが、なんとその配合量はキャベジンなどの約3倍も配合されており、その消化酵素の配合量の多さが分かります。
またベリチームには「パンクレアチン」と言った胃だけではなく腸でも脂肪・でんぷん・タンパク質を分解してくれる酵素も配合されており、このパンクレアチンを配合している胃薬はかなり珍しいタイプとなります。
市販のベリチーム酵素についての紹介
配合されている成分
ベリチーム酵素は以下の成分が配合されそれぞれ消化するものが異なります。
ビオヂアスターゼ1000 225㎎
⇒でんぷん、タンパク質
リパーゼAP6 187.5
⇒脂肪
セルラーゼAP3 112.5㎎
⇒繊維素(食物繊維のことです)
パンクレアチン 937.5㎎
⇒でんぷん、タンパク質、脂肪
ベリチーム酵素の特徴
<効能効果>
もたれ(胃もたれ)、食べ過ぎ(過食)、消化不良、消化不良による胃部・腹部膨満感、胸つかえ、消化促進、食欲不振(食欲減退)
<用法用量>
成人(15才以上) | 1包 | 3回 |
11才以上 15才未満 | 2/3包 | |
8才以上 11才未満 | 1/2包 | |
5才以上 8才未満 | 1/3包 | |
5才未満 | 服用させないこと |
※服用する際には噛んだり砕いたりしないようにしてください。また口の中に残らないようにしっかり飲み込むようにしましょう。口の中や舌を刺激する可能性があります。
<値段>
920円(9包)
2280円(27包)
<飲んではいけない人>
ウシ又はブタ蛋白質に対し過敏症の既往歴のある患者
ベリチーム酵素に関する疑問
ベリチーム酵素がおすすめな胃の症状
ベリチーム酵素は胃もたれがある時、食べ過ぎてしまった時にピンポイントで使用する事をおすすめします。
ベリチーム酵素は食べ物の消化を助けてくれるため、食べ過ぎた後の胃もたれやムカつきを抑えるのに大変効果的な薬になり他に代わりとなる薬が見当たらない薬になりますが、値段も成人で9回分・920円となり決して安い薬ではありません。
ですから市販のベリチーム酵素を使用する時は胃の不快感がある時だけ使用するようにしましょう。
また例えば胃の痛みがある時やストレスで胃がキリキリする時、胃酸が逆流してくるような時などにはベリチーム酵素は向いていませんので、その様な時は使用する必要はありません。
ベリチーム酵素は下痢になるわけではない
「ベリチーム酵素を飲んだら下痢になった」と感じる人もいるかもしれません。実際にこの口コミは多いです。
しかしそれは間違いになります。
実際にベリチームを飲んで副作用として下痢が起こる報告などはありません。ベリチームIFより
もちろん可能性としてゼロではありませんが少なくともベリチーム酵素が下痢を引き起こすリスクは高くありません。
ではなぜベリチームを飲んだら下痢をすると言った意見が出るのかと言うと、そもそも消化不良の時は食べ物が上手く消化されずに腸に運ばれてしまい、それにより腸が刺激を受けてしまった結果下痢になったりお腹を壊してしまう可能性が高いためです。
つまりベリチーム酵素を飲んだから下痢になったのではなく、そもそも下痢になりそうな体調の時にベリチーム酵素を飲んだという方が正しいという事です。
ですから「ベリチーム酵素を飲んだら下痢になってしまう」と不安になる必要はありません。そして下痢になっては困る場合はなるべく消化の良い食べ物を取る様にしましょう。
ベリチーム酵素とキャベジンやパンシロンはどっちがおすすめ?
胃薬には多くの種類が発売されています。
有名所で言うとキャベジンやパンシロンや太田胃散などが挙げられるのではないでしょうか。
ではこれらの胃薬とベリチーム酵素を比較してどちらがおすすめなのかと言いますと、一概にどちらの方がおすすめとは言えません。
と言うのもそれぞれ配合されている成分が異なるため、おすすめできる症状が異なってくるためです。
たとえばキャベジンコーワα・パンシロン01プラス・太田胃散などは
・胃の働きを活発にする成分
・胃酸を抑える成分
・傷ついた胃を修復する成分
・消化酵素
これらが少量で多種配合されているタイプのいわゆる総合胃薬になります。
ですから症状としては胃の症状全般に効果がある胃薬になってくるんですね。
ただその分効果も広く浅くと言ったものになりますので、例えば胃酸を抑える力などはガスター10などには敵いませんし、傷ついた胃を修復してくれる効果ならばスクラート胃腸薬などにはかなりません。
そして同様に消化を助ける働きはベリチーム酵素には敵いません。
ですからどれが一番いいという訳ではなく、自分の胃の症状に応じた薬を選ぶ必要があるんです。
ベリチーム酵素とガスターの飲み合わせ
ベリチーム酵素を飲みながらガスターを一緒に飲んでも問題ありませんが、ガスターは他の胃薬との併用が禁止されていますので一緒に飲むことができません。
その他ベリチーム酵素は基本的に一緒に服用してはいけない薬はありません。
例えばイブやロキソニンなどの痛み止めや花粉症の薬と一緒に飲んでも問題ありません。
ただ消化酵素メインの胃薬などの場合には、はっきり言ってベリチーム酵素も一緒に服用しても劇的な効果の改善が見られるわけではありませんので、どちらか一方でいいかと思います。
医療用ベリチームと市販ベリチームの違い
冒頭でも言いましたがベリチーム酵素はもともと医療用として使用されている薬になります。
名前もそのまま「ベリチーム配合顆粒」と言う名前です。
では市販のベリチームと医療用のベリチームは何が違うのかと言いますと実は全く同じ薬になります。
配合されている消化酵素はもちろん、その配合量も同じ。おまけに添加物までも全く一緒になりますのでジェネリック医薬品の様なものでもありません。
ですからもともと医療用として病院でベリチームを貰った事がある人で効果が実感できた人には安心して市販のベリチーム酵素を使用できるのではないでしょうか。
ただし医療用ベリチームと市販のベリチーム酵素の違いが1点だけあります。
それは値段です。
市販のベリチーム酵素は1包あたり約100円程度しますが、医療用のベリチームは1包たったの11.6円です。
もちろん病院を受診する場合は薬の値段以外にも診察料や薬局での支払いもありますので、一概に病院の方が市販で買うよりも10分の1の値段で済むとは言えませんが、かなり市販と病院ベリチームでは値段に差があります。
また上でも紹介しましたがどちらも全く同じ成分の薬です。
ですから市販のベリチーム酵素を試す人は、まずは最小包装のタイプ(9包入り)を購入し、それで効果を試してみましょう。
もし効果が実感出来て長期で使用したいと考える場合や、胃もたれやムカつき以外にも胃の痛みや胃酸の逆流がある時には一度病院を受診して、そこでベリチームも一緒に処方してもらう方がいいでしょう。
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