風邪薬

使用期限の切れた風邪薬は飲んではいけない理由

 

皆さんは昨年買った風邪薬が手元に残っている場合どうしていますか?

使用期限を見ると期限は切れていたとしても、まだまだ見た目は問題なさそうなので風邪をひいた場合に使用するという人も多いのではないでしょうか。

しかしそれは大きな間違いになります。使用期限が切れた風邪薬は飲んではいけません。

 

そこで今回は使用期限が切れた風邪薬はどうして飲んではいけないのかと言うことについて紹介していきたいと思います。そしてなるべく使用期限の風邪薬を出さないようにする方法も併せて紹介していきます。

もし使用期限が切れている風邪薬を使おうか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。

 

使用期限が切れた風邪薬を使ってはいけない理由

薬の使用期限が切れたものは「無保証」の状態

薬の使用期限というのは薬のメーカーが品質を保証している期間になります。

それを越えると言ってみれば「無保証」の状態。すると薬は刻々と劣化し場合によっては有害なものを生み出す可能性もある薬もあります。

 

そしてこの期限が切れた薬で一番恐ろしいのは「見た目の劣化が見られない場合が多い」という点です。

実際に目で見てもしカビが生えていればさすがにまずいと思うかもしれませんが、薬にカビが生える事はほぼありませんし、見た目も劣化があるとしても多少色あせた程度の場合がほとんどです。全く見た目に出ない場合も多いです。

 

薬の使用期限は意味がない

薬の箱に書いてある使用期限と言うのは「未開封」「適切な保存条件下」の時の話です。

ですから一度開封した薬は使用期限内だからと安易に使用しないようにしてください。特に瓶に入っているタイプの場合の風邪薬は外気に接する頻度が高いため、仮に使用期限内でも開封して1シーズン以上空いている場合はおすすめしません。

 

そして仮に未開封だとしても保存状況が大切になってきます。

薬の使用期限、つまり劣化なく安全に使用できるというのは常温で直射日光が当たらない・湿度も一定に保たれた条件の下で検査されたものが表示されています。

 

しかし日常的に家庭で保存する場合、下手すると高温多湿・日光の当たる可能性が高くひと夏を越えるとほぼアウト。とても適切な条件下で保存できるとは言い難い状況です。

ましてや未開封ならばまだしも、開封したものであるならばその劣化スピードはさらに速く使用するならば1シーズンを目安に使用するようにしましょう。

1錠1錠ヒートに入っているタイプの薬をしっかりとした保存状態で保っていたのであればいいですが、バッグの中に入れっぱなしにしていたり、瓶タイプの薬を高温多湿の所に保管していたりすると、記載されている使用期限よりも早いスピードで薬の劣化が進んでいます。

 

期限の切れた薬を使うデメリット

先程期限が切れた薬は「無保証の状態」と言いましたが、これは違う側面でも重要なデメリットがあります。

それは「医薬品副作用被害救済制度」を受けれない可能性があることです。

「医薬品副作用被害救済制度」を簡単に言えば医薬品で受けた副作用にかかる医療費を代わりに払ってくれる制度になります。

 

そもそも薬には効果を期待する「主作用」と、身体に悪影響を及ぼす「副作用」があります。これは全ての薬に言えることで、副作用がない医薬品はあり得ません。

 

もちろんほとんどの医薬品で副作用だけが重く表れてしまう事は珍しいですが、それでも副作用によって日常生活に支障をきたしてしまう場合もゼロではありません。場合によっては入院して治療を要するケースもでてきます。そんな時に医薬品副作用被害救済制度が適応されると国がその費用を保証してくれるというものになるんです。

 

しかしこの制度を受けるには医薬品を適正に使用する必要があり、使用期限を切れたものを使用した場合は救済制度を受けれない可能性が非常に高いです。そうなった場合は医療費だけでもかなりの費用になりますし、日常生活にも支障をきたす事がありますので最低限使用期限を守る様にしてください。

この医薬品副作用被害救済制度は「入院を要する程度の医療」を必要とします。ですから使用期限内に使用し、保存状態が悪くて害が出たとしても救済制度を受けるには入院以上が必要になってきますので、軽く気分が悪くなる程度ならば救済されない可能性が高いです。

 

無駄のない市販の風邪薬の選び方

そもそも風邪薬を選ぶ際に間違った選び方をしてしまうため保存などが面倒になってしまった結果、薬の劣化が著しかったり期限が切れてしまったりします。では初めから適切な無駄のない風邪薬の買い方をするのがベストです。

そこでここでは無駄のない風邪薬の買い方を紹介したいと思います。

 

場合によっては若干値段が高くなる場合もありますが安全な薬を安心して飲むため、また下手に余らせて処分する事になるよりかはメリットが多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

少量包装を買う

薬は10錠入り・30錠入りなどの複数の包装で発売されています。

そこでなるべく最小包装を購入することでをおすすめします。これは最低限の量の薬を選ぶことで無駄に薬を残さない基本になりますが、また最小包装を選ぶ事によって薬の使用をいったんストップできるためです。

 

市販の風邪薬は風邪そのものを治すものではなく、あくまでも風邪の症状を楽にしてくれる働きしかありません。そんな時に薬が沢山余っていたらいつまで経っても薬を使い続けてしまう可能性もあります。

しかし市販の風邪薬をいつまでもダラダラ使用することは決して正しいことではありませんので、そういった面を考えても少量包装の風邪薬を選ぶことをおすすめします。

 

薬のタイプを考える

風邪薬には大きく4タイプで発売されています。

病院でもらう薬に似たシート形式のものと、瓶入りの錠剤やカプセルのもの、そして細粒タイプのもの、シロップタイプの4つになります。

 

この中で一番劣化が早いのはシロップタイプ。1回飲みきりタイプならば問題ありませんが、小児用シロップなどの1回量を自分で測って飲むタイプのものは外部からの菌の侵入などを考えた場合にも一番長期で保存するのが好ましくありません。また瓶入りの錠剤タイプも開封するたびに外気に触れる事になるためあまりおすすめしません。

 

ですから選ぶならば病院で貰う薬の様にシートになっている錠剤か小分けされている散剤タイプにしましょう。これらは使用する際に1つ1つ小分けされていますので、他の残った薬に影響を与える事はありません。

 

期限が切れた風邪薬を使うことについて

もし1つ1つ小分けにしている風邪薬で保存状態がしっかりしているものであれば、多少使用期限が切れていたからと言って効果に劇的な劣化があるのか否かと言えば、はっきり言ってそこまでの劣化はないでしょう。

 

しかし上記でも紹介した通り、何か問題があった場合の医薬品副作用被害救済制度の対象からも外れてしまいますし、そもそも自宅で風邪薬を適切な環境で保存することは意外と難しいです。

 

ですから基本的に使用期限が切れた市販の風邪薬は使用しないようにしてください。今ではドラッグストア以外にも薬を購入できる場所は増えていますしネットでも購入可能です。

風邪のツライ症状をせっかく薬を使って楽にしたいのであればまずは安心という前提を考えましょう。

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