目薬

超高額目薬!ロートアルガードクリニカルショットの花粉症への効果

 

今回は2019年12月18日に発売された花粉症などに効く目薬「ロートアルガードクリニカルショット」について紹介してきたいと思います。

このロートアルガードクリニカルショットの一番の注目点は何と言っても1本2200円(定価)する値段ですが、果たしてそれだけの価値があるのか、他の目薬とは何が違うのか等も含めて紹介してきます。ぜひ参考にしてみてください。

 

ロートアルガードクリニカルショットの効果について

ロートアルガードクリニカルショットの成分は以下の通りです。

●トラニラスト 0.5%
●クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%
●プラノプロフェン 0.05%
●タウリン 1.0%

まず「トラニラスト」ですが、こちらはアレルギー物質が放出されるのを抑える働きがある成分となっています。一方「クロルフェニラミン」は放出されてしまったアレルギー物質が働かない様にブロックしてくれる効果があります。つまり2つのメカニズムによって花粉症の目の症状を抑えてくれる働きとなります。

「プラノプロフェン」は炎症を抑える働きのある成分で目の炎症を抑える働きとして用いられます。「タウリン」は花粉症とは直接的には関係ありませんが組織の活性化などによって眼精疲労などに効果的とされています。

 

そしてロートアルガードクリニカルショットの最大の売りとしては

「トラニラスト」×「プラノプロフェン」

の掛け合わせが日本発という事で大々的に宣伝されていますが、実はそもそもこれらの成分自体を配合している目薬がほとんどなく、確かに日本で唯一の目薬かもしれませんが正直な所、画期的な組み合わせと言える程の印象はありません。

 

ただトラニラスト自体も花粉症の時期には病院でもよく用いられる「リザベン点眼液」になりますし、プラノプロフェンも「ニフラン点眼液」として使用されている目薬です。

 

特にプラノプロフェンに関しては、通常花粉症の症状がひどい場合にはステロイドの目薬が使用されるのですが、残念ながらステロイドの目薬は眼圧を上げる副作用の懸念等から市販化されていません。

ただこのプラノプロフェンは即効性では劣るものの、ステロイドの目薬に劣らない効果を発揮するとされていますので特に目の症状がひどい花粉症にはかなり有効になるんです。(ただし市販薬の2倍量で比較した試験になるため厳密に言えばステロイドの目薬と同等は言えませんが市販薬の中ではかなり効果の高い分類です)

参考:PMID: 23023407

ロートアルガードクリニカルショットは2種類発売されています。1つは爽快感のあるタイプ、もう1つは爽快感のないタイプ(名前のおしりにmが付きます)です。この2つは爽快感があるタイプにメントールなどが入っており、その他にも添加物が若干異なりますが、メインの成分は同じになりますのでお好みの方を選ぶようにしましょう。

 

ロートアルガードクリニカルショットの値段は妥当か?

ロートアルガードクリニカルショットの定価は2200円です。市販の目薬の中ではトップクラスの値段の高い目薬と言えるでしょう。

確かに以前「ロートアルガードプレテクト」と言う「トラニラスト」のみを配合した目薬が発売されていましたが、こちらは7mlで1200円であったことを考えるとロートアルガードクリニカルショットが13mlで2200円と言うのは分からなくもない値段ではないでしょうか。

 

では実際に効果に見合った値段なのかを同じロート製薬から発売されている「ロートアルガードクリアブロックZ」と比較してみたいと思います

 

ロートアルガードクリアブロックZの成分は以下の通りです。

●クロモグリク酸ナトリウム 1%
●クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%
●プラノプロフェン 0.05%
●コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 0.5%

クリアブロックZとクリニカルショットは「クロルフェニラミン」「プラノプロフェン」は全く同じ量を配合しています。

つまり「クロモグリク酸ナトリウム」と「コンドロイチン」が異なるだけとなります。

クリニカルショット・・「トラニラスト」「タウリン」

クリアブロックZ・・「クロモグリク酸ナトリウム」「コンドロイチン」

「コンドロイチン」は目に潤いを与える作用がありますが花粉症に対して直接的な作用はありません。

ですから比較すべきは「クロモグリク酸ナトリウム」と「トラニラスト」と言ってもいいでしょう。ちなみに両方とも花粉症に効く仕組みは同じでアレルギー物質が放出されるのを抑える働きとなります。

 

では「クロモグリク酸ナトリウム」と「トラニラスト」を比較していきたい所なのですが、トラニラストに関する花粉症の論文はほとんどなく、結果的に発見できたのがトラニラストの医療用であるリザベン点眼液のインタビューフォームに記載されている以下の文でした。

I型アレルギーの関与が明らかなアレルギー性結膜炎及び春季カタル,総症例は205例を対象として,トラニラスト点眼液(1mL中トラニラスト5mg含有)の有効性,安全性及び有用性をDSCG点眼液(1mL中DSCG20mg含有)を対照薬とした多施設二重盲検比較試験で検討した。用法・用量は1回1~2滴,1日4回,4週間とした。その結果,トラニラスト点眼液の有用性が認められた。引用:リザベン点眼液添付文書

 

DSCGとはクロモグリク酸ナトリウムの事です。この報告ではクロモグリク酸ナトリウムの量は市販のロートアルガードクリアブロックZの2倍になっていますので、実際に市販薬と同じ量を比較するとトラニラストの方が効果があるかもしれませんが劇的な差があるとは言えないでしょう。

結論としてロートアルガードクリニカルショットの優先順位は高くない

ロートアルガードクリアブロックZの値段は13mlで1800円となっていますので、13mlで2200円のクリニカルショットと比べるとかなり安いことからも(それでも十分高いですが)、優先して選ぶべきかと言われると返答に困ります。

 

少なくとも「値段が高い方が効く」とはなりませんし根拠となる部分も少なく、そもそもロートアルガードクリアブロックZでも十分な成分を配合しているため、諸々考慮するとクリアブロックZでも良いのはないでしょうか。

 

と言う事で個人的にはクリニカルショットよりもクリアブロックZの方を先に使用してみることをおすすめします。

「いやいやそれでも1本1500円以上する目薬は高いよ」と言う方はこちらも参考にしてみてください。

ロートアルガードクリアブロックZ
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