市販の水虫薬は多くの種類が発売されていますが
「液体」「軟膏」「クリーム」「スプレー」
この剤形の違いも多いですよね。
それぞれの剤形にはメリット・デメリットもあり、選ぶ基準はざっくり決まっていますが実際に自分が購入する時に当てはめると難しかったります。
ちなみに水虫薬のブランドによっては同じブランドでも剤形の違いによって配合されている成分が異なる場合もあります。例えばブテナロックの液体とゲルでは主成分となる抗真菌薬は同じですがかゆみ止め成分の配合等は異なります。
そこで今回は市販の水虫薬の剤形の選び方を紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
目次
市販の水虫薬の剤形別の特色
では水虫の症状による適した剤形の選び方を紹介していきます。
液体タイプ・・カサカサした乾燥水虫に向いている
軟膏タイプ・・ジュクジュクした湿性の水虫に向いている
クリームタイプ・・液体と軟膏の中間
スプレー・・全体に塗る事ができる
そして逆に「ジュクジュク水虫には液体タイプは適していない」「カサカサタイプにはドライパウダースプレーは適さない」というのは何となくイメージで想像がつきますよね。
また液体タイプやスプレータイプにはエタノールやメチルエチルケトンなどのアルコールが添加されているため傷になっている部分やびらん(ただれ)の部分には刺激性があるため適していないとされています。
ちなみに同じ抗真菌成分が配合されていれば剤形が軟膏でもクリームでも液体でも効き目に優劣は尽きません。
個人的にはクリームタイプを推す理由
色んな剤形が市販の水虫薬にはありますが個人的にはクリームタイプを推奨します。
以下理由を説明します。
薬を塗った後を考える
基本的に水虫薬はお風呂で足を洗った後に塗る事になると思います。しかしその後にすぐ寝るという人はそこまで多くないと思います。おそらく多くの人が薬を塗った後も部屋の中を移動することになりますので、べたつきの強い軟膏タイプは勝手が悪いと感じてしまう人も多いでしょう。その点クリームタイプはべたつきも軽くなっていますのでおすすめです。
後々傷や亀裂が生じるリスクを考える
今は傷や亀裂がなく薬に多少の刺激があっても問題ないと考える人でも水虫の治療を行っている途中で傷や亀裂が生じてしまう可能性があります。そんな時に薬が沁みてしまい変更を余儀なくされると、ただでさえ安くない水虫薬を買い直さないといけません。もちろんクリームも刺激がゼロではなく刺激を抑えるならば軟膏の方が適していますが上でも言った通りべたつきを考えるとクリームが妥当だと考えます。
クリームしか売っていないメーカーもある
ブテナロックをはじめメンソレータムエクシブなどはそもそも軟膏タイプ自体を販売していません。だからクリームを選ぶべきと言う理由にはなりませんが、ブランド別で薬を選ぶ時に選択肢を狭めてしまう事に繋がります。
余談ですが一方でスプレータイプを始めとしたカサカサ系に効く市販の水虫薬は徐々に増えている印象にあります。そして逆に医療用の水虫薬はスプレータイプはほぼありません。
クリームタイプはそこそこ万能
水虫はジュクジュク・ブツブツ・カサカサの3タイプに分類されます。それぞれ趾間型・小水疱型・角質増殖型と呼ばれますがクリームは全てに使用可能です。正確に言えばどの剤形でも使用可能なんですがやはり適していないタイプと言うのがあります。(ジュクジュクに液体タイプなど)。その点クリームはバランスよく使用可能になりますのであれこれ考えて悩む事もありません。自分の水虫のタイプがジュクジュク+ブツブツの場合もあるでしょうがそう言った時にもクリームタイプが有効です。
クリームタイプ以外を使うべき水虫
では絶対にクリームがベストかと言えばそんな事はありません。ではここではクリーム以外を推奨するケースを紹介します。
刺激を極力減らしたい場合
傷や亀裂があって水虫が沁みるため少しでも刺激があると困る人はクリームを避けて軟膏タイプを選びましょう。
水虫薬の中で刺激が最も少ないのは軟膏タイプになります。
また併せて色んな成分が配合されている水虫薬よりもなるべくシンプルな作りの水虫薬を推奨します。と言うのも多くの成分を配合しているとそれだけ刺激が強くなるリスクも高まりますし、かぶれ等を引き起こしてさらに皮膚状態を悪化させてしまう可能性があるからです。
痒みに効く「クロタミトン」や爽快感のある「メントール」を配合している水虫薬も多いですがこれらは接触性皮膚炎のリスクも高まりますので配合されていない水虫薬を選びましょう。重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎
絶対に手を汚したくない
スプレータイプは手を汚さないで使用できる事や手の不自由な人も使用できることが一番のメリットであり、それ以外には広くスプレーできると言うメリットがあります。
ただはっきり言って広くスプレーできるのはメリットでもありますが、これに関しては他の水虫薬でも行うべきです(水虫薬はピンポイントではなく広く塗る必要があります)。
スプレータイプは結果的に割高になりますので多少のコストの面も注意しましょう。
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