病院と同じ市販薬

セルベールは医療用胃薬のセルベックス(テプレノン)と同じ薬

 

今回は病院で使用される胃薬の「セルベックス(テプレノン)」と同じ成分を配合している市販薬のセルベールピーマTP健胃薬を紹介したいと思います。

 

そもそもテプレノンはどの様な胃の症状に効くのか、また医療用セルベックスと全く同じ薬なのかなどについて紹介していきますので、セルベックスと同じ薬を探している人はぜひ参考にしてみてください。

胃に効く成分「テプレノン」の効果

まずセルベックスの主成分である「テプレノン」はどの様な効果があるのかと言いますと、こちらは胃の粘膜を保護する働きがあります。

 

胃はストレスや食べ過ぎ、薬の副作用の影響で、胃を胃酸から守る粘膜が弱くなり、さらに胃酸の分泌が過剰になってしまうため、胃の粘膜を傷つけてしまいます。

しかしテプレノンはそんな胃の粘膜を保護する物質を作り、胃酸から胃を守ってくれる働きがあるんです。

 

ですからテプレノンを配合しているセルベックスは、胃が荒れている状態の胃潰瘍に用いられたり、胃を荒らす可能性がある痛み止めなどと一緒に併用されるんですね。

例えばイブやロキソニン等の痛み止めを飲む場合、胃を悪くする副作用が出る可能性があります。しかしそんな胃の副作用を抑えてくれる働きがテプレノンにあると報告されているんです。PMID: 30681185PMID: 19595145

 

セルベックと同じテプレノンを配合している市販薬

セルベックスの成分は上述の通り「テプレノン」という成分になります。

そして市販の胃薬の中でテプレノンを配合している薬は以下の2つになります。

セルベール(新セルベール整胃プレミアムも含む)

ピーマTP健胃薬

 

テプレノン配合のセルベールとピーマTP健胃薬

医療用セルベックスと同じ成分の「テプレノン」を配合しているのはセルベールとピーマTP健胃薬ですが、このテプレノンに注目してみていきましょう。

 

まず病院で使用されるセルベックスにはこの胃を保護する働きの「テプレノン」が50mg配合されていますがセルベールやピーマTP健胃薬はこのテプレノンを37.5mg配合と、医療用のセルベックスの75%しか配合していないんですね。ですから市販の2つの薬は医療用のセルベックスと全く同じとは言えません。

ただ後から発売された新セルベール整胃プレミアムは医療用と同じ量のテプレノンを配合しています

 

そして市販のセルベールやピーマTP健胃薬はテプレノン以外にも消化酵素や生薬が配合されているため、胃の症状によってはより効果を実感できる場合もあります。

 

セルベックスとセルベール・ピーマTP健胃薬の違い

市販のセルベールやピーマTP健胃薬は医療用の「テプレノン」以外にも胃に効く成分が追加されています。

これによりセルベールとピーマTP健胃薬の効果は多岐にわたります。

 

例えばセルベールやピーマTP健胃薬には生薬の「コウボク」「ソウジュツ」が配合されていますがこちらは健胃薬として胃腸の働きを良くしてくれる効果があります。

 

またそれぞれ違う以下の成分も配合されています。

セルベール、新セルベール整胃プレミアム

「リパーゼ」:脂質を消化する酵素

ピーマTP健胃薬

「カンゾウ」:胃の痛みを和らげてくれる生薬

 

ただピーマTP整胃薬に配合されているカンゾウ1つで胃の痛みを強く抑える事はあまり現実的はありませんので、個人的には医療用と同じテプレノンを配合しなお且つその他の成分を配合している新セルベール整胃プレミアムがいいかと考えます。

 

市販のセルベックスに関する疑問

ではここからセルベックスに似ている市販薬のセルベールやピーマTP健胃薬に関する疑問について紹介していきたいと思います。

ガスターとセルベールはどちらの方が効く?

胃薬の代表としても名高いガスターとセルベール(テプレノン)の比較ですが以下の様な論文があります。

上部消化管症状に対してオメプラゾール(10mg 1回)、ファモチジン(1日2回10 mg)、モサプリド(5 mg 1日3回)、テプレノン(50 mg 1日3回)の効果を4週間後に比較した結果オメプラゾール66.9%、ファモチジン(41%)、モサプリド(36.3%)およびテプレノン(32.3%)の改善結果となったPMID: 22548767

 

と、この結果を見るとファモチジン(ガスター)は41%、テプレノン(セルベール)は32.3%の改善となり若干ガスターの方が改善率はよさそうです。また胃潰瘍診療ガイドラインにおいてもファモチジンの方が推奨度は高いです。

ただ薬剤師がいるお店でしか購入できないガスターと比べてセルベールやピーマTPはどのドラッグストアやネットでも購入可能になりますので、利便性は高そうです。また販のセルベールやピーマTP健胃薬はテプレノン以外の成分も配合されているため一概に比較はできないというのもあります。

 

セルベールやピーマTP健胃薬は逆流性食道炎に効く?

逆流性食道炎の治療には胃酸を抑える必要性があり、テプレノンには胃酸を抑える効果はありませんので、逆流性食道炎には効きません

また胸やけや胃痛などにもほぼ効果がありませんので注意してください。

もし市販薬の中から選ぶとするならばガスター10などの胃酸を強力に抑える薬を選んでください。そして実際はガスターでも十分に改善できない可能性も十分ありますので基本的には病院の受診を考えてみてください。

 

市販のセルベックスとロキソニン等の痛み止めの飲み合わせは?

ロキソニンやイブなどの解熱鎮痛剤とセルベールやピーマTP健胃薬の併用はむしろおすすめの組み合わせとなります。

 

ロキソニンやイブなどは痛みを感じる物質が作られるのを抑える効果がありますが、同時に胃粘膜を保護する物質まで作るのを抑えてしまう副作用があります。

それに対しセルベールやピーマTP健胃薬は胃粘膜を保護する効果があるため、ロキソニンやイブの痛みどめで胃が悪くなる際におすすめできる組み合わせになります。

 

よく「胃に優しい成分をプラスしました」として、痛み止めに胃に優しい成分を配合した薬が発売されていますが、はっきり言ってそれだけでは十分な効果は得られません。

ですからその様な場合にはしっかり胃薬を併用する必要があるため、セルベールやピーマTP健胃薬を併用するようにしましょう。

 

さらに詳しくはこちらも参考にしてみてください。

痛み止めと胃薬の併用の紹介
イブやロキソニンなどの痛み止めは胃薬と一緒に飲んだ方がいい理由 もし胃の調子が悪くなって胃薬を飲んでいる時に、頭痛や生理痛でイブやロキソニンなどの痛み止めを飲まないといけなくなった場合皆さんど...
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