痛みというのは何かしらの根本的な原因があって痛みが発生してます。言わば身体が警告を示している状態です。
例えば歯が痛い場合は虫歯かもしれませんし、頭が痛い場合は頭の病気の可能性があります。
そんな時にロキソニンは痛み止めとしては非常に優れた薬です。しかしそんなロキソニンを使用してしまうことで逆にデメリットを生じてしまうことがあります。例えば
・ロキソニンを使用する事で痛みの根本的な原因を隠してしまう
・結果症状が悪化してしまう
・ロキソニンを使用することで副作用を生じてしまう
ではどうすればより安全に痛み止めと付き合っていけるのか。それはつまり
ロキソニンを使わない方がいい場合をしっかり理解すること
が大切になってきます。
そこで今回はロキソニンをなるべく使用しない方が良いケースを紹介したいと思います。
もし日頃痛み止めを使っている人でも症状を見直すいい機会だと思いますのでぜひ参考にしてみてください。
ロキソニンを使用する前に立ち止まるべきケース
いつもと違う頭痛がある場合
頭痛でロキソニンを使う人も多いと思いますが、いつもと違う頭痛を感じた場合は要注意です。頭痛の種類ではすぐに病院を受診した方がいい場合があります。以下の症状を確認しましょう。
・今までにない強い頭痛
・突然の激しい頭痛
・痛みが急に強くなる
・回を重ねるごとに痛みが徐々に強くなる
・発熱を伴う頭痛
・手足のしびれがある
・けいれんを伴う
・意識がもうろうとなる
上記の頭痛の場合には脳梗塞や脳出血などの大きな病気が原因の可能性があります。
また、頭痛がなかなか良くならない場合は単なる頭痛ではなく片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛の可能性もあります。
○片頭痛
片頭痛は、片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つように「ズキンズキン」と痛むのが特徴です。ひとたび痛み出したら、4~72時間続きます。
○緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭の周りを何かで締めつけられるような鈍い痛みが30分~7日間続きます。
よく「ヘルメットをかぶったような」と表現されます。また、肩や首の強いこり、めまい、ふらつき、全身のだるさなどを伴うこともあります。
この様な場合はロキソニンが絶対に効かない訳でもないため、症状の緩和がみられる場合もありますが、例えば緊張型頭痛の場合は精神的な不安を取り除く薬や筋肉のコリをほぐす薬を飲んだ方が効果的なことも多く、片頭痛の場合もさらに効果の高い医療用の片頭痛治療薬があります。
そしてこれらの頭痛の場合には市販の痛み止めで改善する事は困難な場合もありますので、症状が続く時は一度病院を受診するようにしてください。
いつもと違う頭痛の場合、そしていつもと同じ頭痛でもいったん立ち止まって服用を検討するようにしてください。仮にロキソニンが効く頭痛でも長期連用により薬剤性の頭痛を引き起こすことがありますのでこちらも注意しましょう。
胃腸が弱い人
ロキソニンやイブなどの痛み止めは胃を悪くする副作用があります。ですから胃が弱い人や胃があれている時にロキソニンを飲んでしまうと副作用が出る可能性が高まります。
たまに胃の調子が悪いくらいの方ならば問題ありませんが、病院で胃の病気(潰瘍など)と診断されていたり、胃が頻繁に痛くなったりする人はおすすめしません。
もちろんロキソニンは胃を荒らす副作用は少ない方ですが当然ゼロではありません。
しかし中には「胃腸があまり良くないんだけどロキソニンを飲みたい」という方も多いのではないでしょうか。
そんな人はロキソニンの飲み方によって胃への副作用を軽減できる方法があります。
それは以下の2つです。
・ご飯を食べてすぐロキソニンを服用する
・胃薬を併用して飲む
この2つを実践しましょう。
もともと胃の薬が配合されてあるロキソニンSプラスやロキソニンSプレミアムなどもありますが、正直マグネシウムが少量配合されているだけなので極端に胃への副作用を抑える事ができるかと言えば微妙です。それにマグネシウムは下剤として使用される事もあるのでお腹が緩いひとは避けたほうが無難です。
ロキソニン等の痛み止めは空腹時に服用すると胃を悪くする副作用が高まってしまうため、もし胃が弱い人は必ず食後に服用するようにしましょう。もし空腹時に飲みたい時は、牛乳だったり軽食と一緒に服用すると胃への負担を軽減できます。
そしてもう1つの手段として胃薬を併用してロキソニンなどの痛み止めを飲みましょう。
例えば効果の高い医療用が市販薬にスイッチした「セルベール」などがおすすめです。詳しくはこちらも参考にしてみてください。
もしくはロキソニンSを止めてタイレノールAなどの胃に負担がかからない鎮痛剤を使用するのもアリでしょう。ただその分効果は劣ります。
その他服用に注意が必要な人
以下の方はロキソンン禁忌となっていますので絶対に服用しないでください。
・消化性潰瘍のある患者
・重篤な肝障害のある患者
・重篤な腎障害のある患者
・重篤な心機能不全のある患者
・本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
・アスピリン喘息又はその既往歴のある患者
・妊娠末期の婦人 引用:ロキソニン添付文書
上は医療用として記載されているもので、次は市販のロキソニンSの添付文書になります。
・本剤によるアレルギー症状を起こしたことのある人
・本剤又は他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用して喘息を起こしたことがある人
・15 歳未満の小児
・胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病の治療を受けている人
・医師から赤血球数が少ない(貧血)、血小板数が少ない(血が止まりにくい、血が出や すい)、白血球数が少ない等の血液異常(血液の病気)を指摘されている人
・出産予定日 12 週以内の妊婦 引用:ロキソニンS 添付文書
風邪薬の中にはロキソニンと成分が重複してしまうため一緒に服用することはできません。また15歳未満も使用できません。
そして案外見落としがちなことに「喘息」があります。
あまり痛み止めと関係なさそうですが、ロキソニンなどの痛み止めはまれにですが喘息を起こす事があります。ですから「もともと持病だから薬のせいではない」と考えるのではなく、薬剤の影響で喘息が出ている可能性がありますのでこの場合は避ける様にしてください。
ロキソニンを飲む前に注意することのまとめ
・頭痛の種類によってはすぐに病院を受診すること
・片頭痛や緊張型頭痛が続く時は病院を頼ること
・胃腸が弱くても胃薬や食直後の服用で軽減できる
・空腹時は牛乳や軽食と一緒に服用すると胃への負担が少ない
・禁忌の症状に該当する人は決してロキソニンを飲んではいけない
ロキソニンを服用する場合はこれらのことについて注意を払いましょう。
ちなみにこれらのことはロキソニン以外にもイブやサリチル酸などの鎮痛剤にも似たことが言えますので、同様に中止するようにしてください。
日頃このブログを読んでくださる方に非常に感謝しています。
この度、日頃の感謝も込めて「疾患別の攻略本(参考書)」を作成しました。
「参考書は広く浅く値段も高い」「自分が勉強したい分野の内容が薄い」と感じる人に向けて分野を絞って紹介しています。
現在【解熱鎮痛薬】【風邪薬】【花粉症】【胃薬】の4を公開していますが、間違いなく下手な参考書を何冊も買うよりもはるかに役立つ情報を詰め込んだものになっています。
もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。