今回は2018年12月19日にロート製薬から発売されたロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用を紹介していきたいと思います。
もともとロートアルガードクリアノーズの成分は「シナクリン点鼻液」として2005年まで病院でも使用されていた薬になり、10年以上の時を経て市販薬として販売されました。
ただ肝心なことはロートアルガードクリアノーズは花粉症にどれほど効果的なのか、他の薬と比べてどうなのか?ですよね。
そこでここではロートアルガードクリアノーズの効き目等を諸々含めて他の薬と比較してみていきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
※現在は販売中止になっています
目次
ロートアルガードクリアノーズについて
ロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用はステロイドを配合した点鼻薬となります。点鼻薬と言うからには鼻にシュッとスプレーするタイプになります。
そもそもステロイド点鼻薬は花粉症などのアレルギーを強力に抑える働きがあり、効き目としては飲み薬の花粉症薬に全く劣らないかそれ以上の効果が期待できる薬になっています。
「花粉症と言えばアレグラやアレジオン」と思う人も多いと思いますが、このロートアルガードクリアノーズなどのステロイドの点鼻薬は眠気もゼロで効き目も大変良いため、実は花粉症の人にはぜひおすすめしたい薬になります。
そして飲み薬の花粉症薬は鼻水やくしゃみには効果的ななんですが、残念ながら鼻づまりにはあまり効果は高くありません。しかしステロイド点鼻薬は鼻づまりにも効果的です。
また花粉症の飲み薬と一緒に使用しても問題ありませんので、もし花粉症が飲み薬だけでは効き目がいまひとつと言う人は使用する価値があります。
※ただしステロイド点鼻薬は飲み薬とは違って目のかゆみにはほとんど効果がありません。
そして花粉症に効く点鼻薬はステロイドタイプと血管収縮薬が配合されているタイプの2種類になりますが注意が必要です。
ステロイド点鼻薬は花粉症の時期におすすめできる点鼻薬ですが、一方の血管収縮薬タイプは連用する事で鼻づまりを悪化させることもあるため、基本的に花粉症の時期の薬としてはおすすめしません。値段もステロイド点鼻薬よりも安いため「まずは値段の安い血管収縮薬を使ってみよう」と考える人もいるかもしれませんが、全く別物の点鼻薬になりますので注意しましょう。
従来の薬とロートアルガードクリアノーズの違い
そんなステロイド点鼻薬のロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用ですが、実は市販薬としてすでに同じ系統のステロイド点鼻薬が発売されています。
パブロン鼻炎アタックJLやナザールαAR0.1%などの「ベクロメタゾン」
ロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用は「フルニソリド」
それぞれ配合しているステロイドが異なります。
ではここでは従来のステロイド点鼻薬であるナザールαAR0.1%とロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用はどちらの方が良い薬なのか「値段」「効き目」「使用可能年齢」「販売方法」などから見ていきます。
定価の値段はロートアルガードクリアノーズの方が安い
同じ量が入っているナザールαAR0.1%と値段を比較しますと
・ロートアルガードクリアノーズ季節性アレルギー専用:1800円(10ml)
・ナザールαAR0.1%:1980円(10ml)
となっています。
ただ実際にナザールαAR0.1%は1500円以内で買える所がほとんど。そして詳しくは後程紹介しますが、ネットでも購入可能なので最安値を探す事も可能です。
一方のロートアルガードクリアノーズはネットでの購入はできず、販売されてそんなに経っていないため、値段も定価から大幅に値下げされていることはありません。
ですから実際の販売価格を考えればナザールαAR0.1%の方が安く手に入る可能性は高いです。
効き目は大差なし
効き目に関しては既存のステロイド鼻炎薬とロートアルガードクリアノーズの比較においては、いくつかの研究を見る限りどちらも大きな違いはありません。どちらも花粉症に大変効果的な薬と言えます。
使用可能年齢はともに18歳以上から
ステロイド点鼻薬の使用可能年齢はすべて18歳以上となっています。
通常市販の薬は年齢制限を用いる場合は15歳以上か15歳未満かで線引きされている事がほとんどになるのですが、このステロイド点鼻薬に関して言えばやはり「ステロイド」という扱いが厳格な薬になりますので、使用できる年齢が18歳以上に設定されています。
ちなみに市販薬では18歳以上からの使用ですが、病院で処方される場合は子供が使用することもあります。
使用期間できる期間
ステロイド点鼻薬は市販薬にしては珍しく「1年で使える期間」が設定されている薬になります。
・ロートアルガードクリアノーズは1年の中で1カ月
・ナザールαAR0.1%などの既存のステロイド点鼻薬は1年の中で3カ月
それぞれ使用可能となっています。
そもそも使える期間が決まっているのはやはり長期で漫然と使用するのは好ましくないため。もし長期の使用になるのであれば医師の監視の下、適切に使用する必要があるためとされています。
ではどうしてロートアルガードクリアノーズは1カ月で他の薬は3カ月なのかと言う話しですが、今回のロートアルガードクリアノーズが市販化される時の会議の議事録を見ても特にこれと言った議論はされておらず、おそらく最初の成分だから1カ月で様子を見ようという事だと思います。 引用:薬事・食品衛生審議会
販売方法は大きく異なる
・ロートアルガードクリアノーズは「要指導医薬品」
・ナザールαAR0.1%などの既存のステロイド点鼻薬は「第2類医薬品」
以上の様にそれぞれ分類されています。
そもそも市販の薬はカテゴリー別に第1~3類、そして用指導医薬品の計4種類に分類されています。
そして市販薬の中で最も扱いが厳格なものが用指導医薬品。こちらは薬剤師が販売しなければならず、おまけにネット上で購入する事はできません。つまりこれに該当するロートアルガードクリアノーズは薬剤師がいる店舗でしか購入する事ができないんです。
一方のナザールαAR0.1%などは第2類医薬品に分類されています。こちらは薬剤師がいなくても登録販売者の方がいれば購入可能。そしてネットでも購入できます。
つまりロートアルガードクリアノーズは既存のナザールαAR0.1%などのステロイド点鼻薬と比べてかなり購入のハードルが高い薬となるんです。
まとめ
ロートアルガードクリアノーズ | ナザールαAR0.1% | |
成分 | フルニソリド | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル |
値段 | 1800円 | 1980円 |
効き目 | 強い | 強い |
使用可能年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
使用可能期間 | 1か月 | 3か月 |
販売分類 | 要指導医薬品 | 第2類医薬品 |
ロートアルガードクリアノーズより既存のステロイド点鼻薬がおすすめ
今回ロートアルガードクリアノーズと既存のステロイド点鼻薬の比較を用いて紹介していきましたが、はっきり言って現段階でロートアルガードクリアノーズを率先して購入するメリットはそこまで高くなさそうです。
<日本初!ステロイド成分「フルニソリド」配合点鼻薬>
と何だか日本で一番最初の薬の様な宣伝ですが、実際は既存のステロイド点鼻薬と特に変わりません。効き目も大きく違いませんので、ナザールαAR0.1%が効かなかったからロートアルガードクリアノーズに切り替えるというのもあまり現実的ではないでしょう。
むしろ現段階では購入方法や値段などを考えればこれまで発売されていたナザールαAR0.1%などの方がよさそうです。
そして一番重要な事が「使える期間」になります。
花粉症の時期は1カ月できっかり終了すればいいのですが、1カ月以上花粉症がひどい事もザラにあるでしょう。そのような際に1カ月しか使えないロートアルガードクリアノーズは使い勝手の悪い薬とも言えます。
ですからもし偶然にロートアルガードクリアノーズがお店で販売されていて、なおかつ使用する期間が1カ月を超えないようならばロートアルガードクリアノーズを選んでもいいかもしれませんが、基本的には既存のナザールαAR0.1%やパブロン鼻炎アタックJLなどを選ぶ事をおすすめします。
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